【子供の歯並び予防23】食べ物の好き嫌い応用編


【2018年3月20日 6:00 PM更新】

こんにちは

仙台市泉区・富谷市からも近い ただ歯科クリニックです。

初めての方はブログの簡単な注意事項があります。こちらの記事に目を通してください。

 

この前「食べ物の好き嫌いが多いのが心配」という記事を書きましたが今日はもうちょっと子供の食べ物の好き嫌いについて掘り下げていこうと思います。

 

もくじ
①機能が未発達な子供は好き嫌いが多い傾向
②一つの食材に違った硬さの食べ物が入るのが苦手
③かみ合わせが深い乳歯も「食べる機能の未発達」
④食べるって複雑な作業
⑤歯だけ当たれば噛めますか?
⑥好き嫌いの原因のすべてが機能の未発達という気はさらさらないですが

 

①機能が未発達な子供は好き嫌いが多い傾向

本来舌というのは母乳を吸うときの赤ちゃんの頃には前後に動かすのですが、その後に離乳の段階で噛むことを覚えていく過程で口を閉じている時にはべろを上に上げるということを覚えます。3歳ぐらいまでにはできているはずなのですが、この時期に正しい食べる練習ができないと、小学生になっても大人になっても舌が動かせなくなります。そういった正しい舌が動きができない未発達な状態だと舌が過敏になりやすくなります。

 

②一つの食材に違った硬さの食べ物が入るのが苦手

そういった舌の運動が未発達な子供や舌が過敏な子供は、秘湯の食べ物に硬さの違う食べ物が入るのを嫌がる傾向があります。

 

例えばパンやご飯に何か混ざるのが嫌、ブドウパンみたいなものとかが苦手。チャーハンやピラフとかが苦手。果物でいえばイチゴやキウイといった粒粒が入ると嫌がるとか。そういったところです。

 

イチゴを食べられない子供

 

こういったことも小さいころからの離乳の訓練の中で獲得していくものですが、5~6歳になっても機能の未発達に気付けなければ「そういった食べ物が嫌いな子」として認識されてしまいます。

 

③かみ合わせが深い乳歯も「食べる機能の未発達」

過蓋咬合と呼ばれるこのようなかみ合わせが深い乳歯。ふつうはガチっとかみ合ったとき下の前歯の3/1位を上の歯が隠すのですが、これが半分を超えるくらい下の歯を隠しているとかなり問題があります。

 

乳歯の過蓋咬合

 

乳歯でこの噛み合わせになっている場合、「食べる機能が未発達」になっていることが多いです。

この噛み合わせの子供の場合

・噛みやすい食べ物は流し込む

・氷の塊や雨などの硬いものはガリガリかんでしまう

・「噛んで」というと奥歯じゃなくて前歯で噛む

とかいったことが起こります。

食感の違いとかにもとか得意でないことが多いこともあります。

 

④食べるって複雑な作業

食べるというのは簡単なことでしょうか?

 

普通に食事をしていますが

 

僕らは食べるという行動はまず見ることから始まります。

肉なら肉をかみ切るような動きをしないといけませんし、柔らかい歯ごたえのプリンであれば噛み切るような食べ方をしません。硬いせんべいを大きなお口を開けて噛みに行ったら痛いですし、歯が欠けてしまうかもしれません。ぐっと上と下の歯で抑えて手で歯を支点に割るのが普通の食べ方です。

プリンを1回食べた後全く同じ食べ方でせんべいを食べれる人はいません。

 

つまり人は見て食べ方を変えるということを無意識にしています。いちいち考えていたら食べるのが大変なので無意識にしています。これもある日勝手にできるのではなく離乳の時期から食べていく中、手づかみ食べなどで学ぶのです。

 

⑤歯だけ当たれば噛めますか?

餅つきの手の動きを舌はします噛むというのはそういった目で見たものに合わせて噛み方を変えますがそれで上の歯と下の歯がぶつかれば噛めるというものではありません。では下を動かさないで食事できますか?食べ物は上と下の歯にぶつかりながら舌や頬っぺたで動かしながら飲み込んでいきます。

 

餅つきの臼に入った餅を杵で叩くのが上下の歯だとうすると、ついている間にに手で動かすのが舌やほっぺです。持ちを回さないでついていてもおいしいお餅ができないように、歯だけ当たっていて噛むという行為はできません。

 

正しく動かす舌やほっぺの機能が未発達ということは、正しく食べるということができないということです。

 

⑥好き嫌いの原因のすべてが機能の未発達という気はさらさらないですが

小さいころから正しく食べる練習をしましょう

 

基本的には機能が足りない子供の場合、歯並びだけではなく正常な機能を持った子供が食べられるような難しい食べることが必要な食べ物にも苦戦をする可能性があります。もちろん本来の好き嫌いでの好き嫌いもありますが機能の未発達からくる好き嫌いもあります。そうならないためにはまずは離乳時期から正しい食べるを覚える訓練をして、手づかみ食べとかもですがしっかりすること。口の中に運んでるからOKではなく、もう少し「あれ?食べるのが遅いな」とか「水がないとすごい飲み込むのが苦しそう」ことだったり「同じくらいの年齢の友達と食べると遅いな」とかそういったことに気づくことが大事です。

 

今日は「食べ物の好き嫌いの応用編」のお話でした。

 


 

追記:2023年6月

こういった「食べる」機能の問題がある子供の一部は2018年から「口腔機能発達不全症」という病名で保険診療での治療の対象になることがあります。ただし、歯並び・かみ合わせの問題がある場合矯正治療と同時に行うのは混合診療になるので当院では矯正治療の中で指導をしていきます。

 

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お子さんの歯並びが悪くなる癖や呼吸、食事などの生活の問題があります。きれいな歯並びを願うお母さんの思いだけでは正しい発育はできません。問題は口がぽかんと空いている子供に「口を閉じなさい」といっても解決しない様々な間問題が絡み合った複雑なものです。

子供の歯並びを悪くする癖・生活・食事について考えてみませんか?


注意事項

*このページはただ歯科クリニックのブログです。あくまでも当院のの考えに基づいて書かれているもので、他院では診断・治療法・介入のタイミング等は違うことがありますのでご注意ください。

*このページの内容を無断で使用することは固くお断りいたします。

*医療法の改正に基づき術前術後の写真は掲載してません。無料相談時に類似症例を用いて説明をさせていただきます。

 




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