歯を抜かないで矯正をしたい!


まずこのページは「どんなケースでも歯を抜かないで矯正治療をします」というページではありません。よくある矯正治療の歯を抜く・抜かないというのかでの誤解を考えるページです。

 

成人の矯正ではスペースが足りないと抜歯が必要になります。

成人の矯正治療ではスペースが足りなかったり、歯列の前後関係の問題(歯列全体を前に出したい、後ろに下げたい)という場合、抜歯が必要になります。一般的には上下左右の第一小臼歯4本の抜歯になります.

さらに必要であれば親知らずまで必要な場合は8本の抜歯が必要な方もいます。

ただ歯科クリニックではこういった抜歯矯正そのものを否定しているわけではありません。

 

 

しかしそのために

☑ 抜歯があるので、歯並びは気になっているけどそのままにしている。

☑ 矯正のために虫歯でもない歯を抜くなんて・・・

☑ 歯を抜くのは痛そうだからいやだ・・・

☑ 抜歯をして矯正をする予定だったが何本か抜歯をして痛いからやめた。

といった話をよく聞きます。

 

 

 

ただ歯科クリニックでは可能なケースでは抜歯をしない矯正治療の提案します。

 

ただし

☑ 骨格的な問題があるケースでは抜歯や外科処置をしないと難しい場合

☑ 矯正治療の目標が歯をきれいに並べることと、歯列・アーチを後方に下げたい、前に出したいという場合

☑ 治療期間を1~2年の間に終わらせたい。治療期間の制約があるケース

といった希望がある場合や歯並びの状態によってはお断りすることがあります。

 

歯を抜きたい人はいません。でも・・

「歯を抜きますか?抜きませんか?」と聞けば間違いなく「歯を抜きたいです」という方はいません。

 

何で矯正治療で歯を抜くのが必要かというと、確実に治療に必要なスペースができることで、希望の歯並びに早く近づけることができるからです。歯を抜いてしまえばそこにスペースがあるので、あとは歯を並べるだけです。治療の期間も歯を並べる治療の期間になります。また、顎の前後の問題も歯を抜くことでバランスを整えることができます。

 

一方、歯を抜かないで矯正をするのであれば、まずスペースを作る必要があります。スペースができてから歯が並ぶので全体の治療期間は確実に長くなります。成長期の子供であれば少し話は変わってきますが、成人の場合これから出てくるどの方法を選んでも、抜歯をした時と同じ期間でスペースを作るのは難しいと思います。

 

「歯を抜かないで、できるだけ早く矯正をしたい」というのはかなり難しい話になります。

 

治療のゴールはどの方法でも一緒ではありません。

小臼歯を抜歯そした場合左右の1本で14ミリ前後のスペースを最低でも作ることができます。下に出てくる方法はそれぞれスペースを作ることはできますが、抜歯をした場合と同じ量のスペースができるわけではありません。

 

「矯正治療=歯並びをきれいにする」だから治療を開始すれば最後のゴールが全部一緒と思ってしまう方がいます。

 

例えば、非抜歯、歯を抜かないで並ぶというのは本来のその人の歯が全部あったところに並ぶアーチです。そこから左右の歯2本を抜いて並ぶアーチはそのアーチよりも内側です。ご自身の歯が並んだ時のアーチ、歯列が内側に入ったものを希望されるのであればそれは歯を抜かないと達成できません。元々骨格的な問題もあるのであればそれこそ歯を抜く・抜かないではなく外科処置を含めた対応が必要になります。

 

自分が希望するのが本来の歯が全部あって並んだアーチが希望とするゴールなのか?歯を抜くことで希望するゴールになるのか?それに合わせてどういう治療が必要になるかを考えていかなければいけません。

 

できるだけ抜歯を避けるためには低年齢からの矯正治療をすることもひとつです

低年齢からの矯正治療をすることで

・顎の成長を利用してスペースの不足をなくす

・顎の前後関係の成長をコントロールしていく

ことで将来的に抜歯しないで矯正できる範囲に歯列不正を収めることが可能になってきます。(すべてのケースではありません)

 

全部永久歯になってからでは難しくなることが、成長途中の低年齢では可能になります。当院では小児の矯正に力を入れているのはこういった理由からです。

 

永久歯になってから歯のスペースを作る方法

抜歯をして矯正した場合の一般的な治療期間(1~2年)と

獲得できるスペースの量(左右の小臼歯抜歯で平均15ミリ程度)を

☆☆☆☆とします。

 

歯列全体を広げる

期間 ☆(2~3年)
獲得できるスペース ☆☆☆
親知らずの抜歯:不要

様々な装置を使って歯列全体を拡大することでスペースを作ります。取り外しの装置や固定の装置、マウスピースなどがありますが、基本的に顎の発育がいい子供と違って成人の場合反応は年齢とともに悪くなります。治療期間も年齢が上がるとより期間は長くなります。

獲得できるスペースは5ミリ前後ぐらいまでは難しくはないですが、10ミリ近くが必要であれば厳しくなります。

 

歯の形態修正

治療期間 ☆☆☆☆
獲得できるスペース ☆ 
親知らずの抜歯:不要

今ある歯の形態を修正することでスペースを作りますので期間的には短くなります。ただしいくらでも形態修正ができるわけではありません。しみない、痛みのない範囲行うので前歯6本で2~3ミリ程度になります。

歯の並び方や動きによっては1回で調整する場合もありますし、何回にかに分けて行う場合もあります。

主にワイヤーを使った矯正やマウスピースを使った矯正との併用になります。

 

 

 

歯の遠心移動

治療期間 ☆☆(1~2年)
獲得できるスペース ☆☆
親知らずの抜歯:必要

奥歯を順番に後方に送ったり回転させることでスペースを作ります。ただし第二大臼歯の後方に親知らずがある場合は邪魔になるので抜歯が必要になります。順番に一本ずつ後方に送るので期間はかかります。獲得できるスペースは左右両方で5ミリ前後になります。取り外しの装置やマウスピースなどで行います。

 

 

 

詳しい治療費や治療方法や期間について

これらの方法で、スペースを作った後、もしくはスペースを作りながら歯を並べていきます。つまり治療期間は1~2年で終わりません。

 

初めの時点で歯を並べるのも考えながら行う場合もありますし、まずはスペースそれから歯を並べていく場合もあります。

 

詳細な治療期間や費用については、個別のケースごとで変わります。まずは矯正治療の初回は無料相談をご利用ください。

その時にお口の中を拝見させてもらい、抜かないで希望する矯正が可能かどうかをお話させてもらいます。治療費や治療期間等も幅のある中でお話をさせてもらうようになると思います。逆に治療期間も治療費も、最初の時点ではっきりさせたい場合は、抜歯をして矯正治療をされた方が確実だと思います。

無料相談は必ず予約をして来院してください。

 

 



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