生涯医療費は歯で決まる?


定期的に歯科医院を受診することが全身の健康にもつながります。

定期的に歯科医院を受信するとどうなるか?このような調査報告があります。

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定期的に歯科医院を受診している人は、すべての病気にかかる年間の総医療費が低くなる傾向であることが、トヨタ関連部品健康保険組合(豊田市)とトヨタ加茂歯科医師会の共同調査で分かった。トヨタ自動車関連企業の社員や家族らで作る同組合は、同歯科医師会の協力を得て、組合員52600人の2009年度の医療費と受診歴のデータを分析。歯科医院で年二回以上、定期的に歯石除去などをしている602人を抽出し総医療費を調べた。

 

その結果定期受診の人は48歳までは総医療費が平均より高かったが、49歳を過ぎると平均を下回る平均を下回る傾向となった。65歳になると平均が35万円に対し、定期受診の人は20万以下とその差は広がっていく。(中日新聞2011/3/28の記事より抜粋)

 

歯科医院を定期受診するとなぜ全身の健康にも影響が出るのでしょうか?

 

なぜ歯ぐきは赤く見えるのでしょう?

歯ぐきはなぜ赤く見えるのでしょうか?

歯ぐきは中の細かい血管が透けて見えているので赤いのです。健康な方の歯ぐきは上の写真のようなピンク色の歯ぐきです。一方歯周病の方の歯ぐきは赤く腫れています。歯ぐきだけが悪くて体を流れている血液は大丈夫ということではありません。歯ぐきが炎症を起こしているということは、末梢の血管が炎症を起こしているということです。口の血液と体の血液が別でなければ、全身の血管も問題があるということです。

 

歯周病と全身の様々な疾患と関係しています

最近では歯周病と全身の様々な病気との関連性について言われてきています。その一部をここではご紹介します。

歯周病は循環器疾患のリスクを上げます。

「歯周病は動脈硬化や心臓発作、脳卒中のリスクを6~7倍にする」

(J Periodontol 2006 sep;77(9):1547-54)

「心冠状静脈狭窄部位血管内壁プラークからの歯周病原菌の検出された。5~20%の検出があり、歯周ポケットの深さ、歯肉縁下プラークの検出と相関する。」

(Ishihara K et al:J Clin Microbiol 42:1313-1315,2004)

 

2016年の12月には京都大学の医科研究科からもこのようなことが発表されています。

失った歯の数と動脈硬化が関連するー歯周病の予防が動脈硬化を防ぐ可能性ー

詳しくはこちらをご覧ください

 

 

京都大学HP 関連記事へ

 

こういった血管へのリスクが増大するのは、直接的にはプラーク汚れそのものが、歯周病による出血した血管から中に入り込んで血管を詰まらせるといったことです。また間接的には歯周病があることで、局所で慢性的に炎症が起こっていることになります。それにより血管にストレスがかかることも関連します。

 

 

直接血管を通して口腔内の菌やプラークが血管に入る話は、献血の際にも必要な知識です。出血を伴う歯科治療を行った時は献血ができないという話でもよく知られています。抜歯などの外科処置だけでなく、歯石除去などのクリーニングなどで出血をした方の献血は治療後3日間は禁止されています。

日本赤十字社HP  関連記事へ

 

 

妊娠している方も歯周病に注意が必要です。

「妊娠している女性が何らかの歯周病にかかっている場合、早産や低体重児出産のリスクは7倍にも跳ね上がる」

  (1996 S offenbacherら Periodontal Infection as a Possible Risk Factor for Preterm Low Birth)

妊娠期またはそういったことが可能性のある方は歯周病のリスクを低減することが必要です。またこの時期にきれいな口の中にすることで将来の虫歯菌の親子感染も防ぐことができます。

小児の虫歯予防のページ

 

 

 

 

歯周病は糖尿病の第6の合併症です。

血糖値のコントロールができていない場合、歯周病も悪化します。

「歯周ポケットへの積極的な歯周病治療により,1ヶ月後にHbA1C,インス リン抵抗性,血中TNF-αや歯周ポケット内の総細菌数の有意な改善が認められた」

(2001Iwamoto et al J.periodontology 700.774-778)

 

日本歯周病学会の「2014 糖尿病患者に対する歯周治療ガイドライン」では

「糖尿病になると歯周病になりやすい」

「血糖コントロール不良の糖尿病は歯周病を悪化させる」

「重度の歯周病はインスリン抵抗性を介して、あるいは炎症を介して、糖尿病患者における心血管病変あるいは腎症の発症や進行に影響を与える可能性がある」

といったことが論文から言われています。

 

血糖のコントロールができていない状態では、歯周病が悪化して歯の周りを支える骨がなくなって歯がグラグラになってきます。急性的に歯ぐきが腫れて痛みが出てきたりもしますが、血糖のコントロールができていないのに症状を抑えるのは難しいです。また血糖コントロールが不良の場合、抜歯などの外科処置や歯科治療の一部が難しくなる場合があります。ご注意ください。

 

サンスターではこのようなページもあります。歯周病と糖尿病についてのページです。

歯周病と糖尿病について

 

 

 

骨粗しょう症は歯周病だけでなく歯科治療とも関連します。

「歯周病と骨粗しょう症は一緒に予防することが大切」

と2011年の協会けんぽのサイトでも書かれています。こちらをご覧ください。

協会けんぽHPへ

 

骨粗しょう症の方でBP製剤というお薬を飲まれている方は抜歯などの外科処置が難しいことがあります。ご注意ください。

 

喫煙は歯周病の大きなリスクになります。

喫煙は歯周病の大きなリスク因子になります。Grossiの1994年の論文では軽度の喫煙では2.05倍、中程度で2.77倍、重度の喫煙では4.75倍も歯周病の進行が速くなります。さきほどでてきた歯周病との関連がある糖尿病が2.32倍となっているので喫煙が歯周病進行の大きな危険因子になることがわかると思います。

 

喫煙による歯茎の一番の影響は血管収縮作用により、歯ぐきの色が悪くなります。そうして歯周病の症状の一つである出血がなかな出てこなくなります。前のページ(「歯周病でお悩みの方」)でもお話ししましたが歯周病の場合歯ブラシの時の出血など中程度の歯周病の症状の一つです。しかし喫煙者はその症状が出ないことで、気づいた時には重度で手遅れになってしまうことがあります。

 

またこういった歯ぐきの黒ずみはお子さん自身がタバコを吸っていなくても、家族でタバコを吸っている人がいることで黒くなってしまいます。

 

大事なことは口も体の中の一部です

このページで言いたいのは歯周病を予防できたらこのような全身疾患の予防もできるということではありません。知っていただきたいのは口の中も体の一部であり、歯ぐきに流れている血液も体に流れている血液も同じものです。全身の状態が悪ければそれに合わせて歯ぐきだげ健康にはなりません。歯周病をできるだけ早く発見して、予防していくことはこういった理由からも大事だと思っています。



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