【息育】子供のポカン口、いびき気になりませんか?


子供の口ぽかんと開いていませんか?

当院で子供の矯正に相談に来る子供の多くが、程度の大小はありますが正しい鼻呼吸ではなく口呼吸の傾向にあります。口呼吸の子供は、口が乾燥するので虫歯のリスクが高くなり、歯肉炎になりやすい傾向が出てきます。また口呼吸によって様々な口の機能の問題が起こり歯並びが悪くなる大きな原因の一つになります。

 

口呼吸チェック

・口呼吸はこういった様々な問題と関連しています。

 

☑無意識にしていると口がしっかり閉じていない
☑口を閉じると唇の下にしわができる
☑一年中唇が乾燥している
☑寝ているときにいびきをかく
☑寝起きが悪い
☑食べるときに噛まないで丸のみしたりいつまでも噛んでいる
☑食事の時にくちゃくちゃ音を立てて食べる
☑毎年インフルエンザになる

このうち2個以上のチェックがある場合口呼吸の可能性があります。

 

口を閉じれば口呼吸がなおるわけではありません

よく子供の口呼吸の指摘をすると「口を閉じさせればいいですか?」というお母さんがいます。しかし口呼吸の子供は口を閉じれないのではなく、口周りの全体の機能の問題の症状の一つとして口を閉じることができません。

 

例えば口呼吸の子供は開いている口を除くと必ず舌・ベロが下がっています。

本来無意識での舌の位置は上に上がっていて上の顎に印のところについていないといけません。

 

 

口をポカンと開いている子供のベロがこの正しい位置に上がっていたら、口の中を見るとベロの裏側が見えないといけません。しかしそのような子供はまずいません。みんな舌が下がっています。

 

舌が下がることで口の気道が開き、鼻の気道が閉じてしまいます。口呼吸の子供に舌のポジションの改善をしないで「口を閉じなさい」といっても鼻の気道は開いていないのでただ苦しいだけです。舌が正しい上にいけば口で呼吸をしようにも苦しくてできないので鼻呼吸になります。

 

では舌はどうやれば上にあがってくるのか?舌骨という骨はありますが舌・ベロの中には骨はありません。筋肉の塊です。上に上げられない子供たちは筋肉がついていないので、意識しても筋力がなければ上がりませんし、すぐに下がってしまいます。

 

赤ちゃんの唇ですか?子供の唇ですか?

写真はまだ1歳の赤ちゃんの唇です。上の唇は富士山のようなお山の形をしています。お母さんのおっぱいを吸うための唇の形です。まだ唇はあまり動かせないので赤ちゃんは「あー」とか「うー」とかで気持ちを伝えます。

赤ちゃんの唇

本来は成長とともに写真のように3~4歳くらいで大人と同じような唇の形になってきます。それに伴い唇が動くので言葉も話せるようになります。

4歳児の唇

6~7歳の口呼吸の子供の唇です。

口呼吸の唇

上の唇を見るとさっきの赤ちゃんの上の唇に近い形になっています。正しい機能の獲得ができてない唇では、赤ちゃんの唇の動きと機能しかないということです。

 

正しく動かせない唇では口呼吸や発音の問題が出ます。

 

 

口呼吸の子供の口元の特徴は

①分厚い唇
②冬じゃなくでも唇が乾燥してカサカサ
③口を閉じると下唇の下にしわができる

といった特徴があります。

 

口呼吸の自覚がなくても、口を閉じると下の唇の下にしわができるのは、普段口を開いているので、唇を閉じると筋肉が緊張するからです。

 

 

 

口呼吸ではほかにも

①アレルギーやインフルエンザになりやすい
②頭が前に出て猫背になる
③いつもボーっとしている。疲れやすい。
④寝相が悪い。年齢の割におねしょが多い。いびきをかく。目覚めが悪いなどの睡眠の問題

といった全身の問題も出てきます。

 

子供の歯並びの問題も単独の問題として起こったのではなく、こういった様々な全身の問題と関係したひとつの症状、結果として起こったものです。

 

インフルエンザの予防も大事だけれども

インフルエンザが冬にはやる理由は「低温・乾燥」しているからです。気温20度以下、湿度20%以下を好むといわれ、気温30度、湿度50%を超えると活動が難しくなるといわれています。

 

冬に部屋の中で加湿器をつけるのも対策の一つですが、そもそも鼻の中が毛細血管が張り巡らされ、高温で多湿の状態です。鼻で呼吸をするとインフルエンザが通過してのどに行くのは難しくなります。一方で口呼吸は吸い込んだ空気がそのままのどに行きます。マスクは密着度が大事と思う人がいますが、マスクの網目の大きさをトンネルとするインフルエンザウィルスの大きさは蟻くらいです。通過をするのはたやすいことです。しかし、マスクの中が完全に密閉されていなくても中の空気がこもって高温多湿になっていればそこはインフルエンザにとって住みにくい環境です。

 

鼻というのはこのように菌やウィルスに対しての防御機構があります。鼻水とかもそういった外からの侵入してきたものを、中に入れないで外に出す機能の一つです。一方で口の中には鼻水のようなものはないので、口呼吸の子供はそのまま直接のどに行ってしまうので様々な菌やウィルスをもらいやすくなります。

 

寝ているときにポカンと口を開いていて、朝起きると口の中がカラカラだから加湿器を使うのか?口を閉じて寝ようとするのか?どっちがいいですか?

 

 

口呼吸と睡眠の関連

寝ているときにいびきをかいていると、鼻呼吸ではなく口呼吸になっています。口呼吸で寝ていると鼻呼吸に比べて呼吸は浅くなります。浅い呼吸になることでしっかり眠れないために、眠りが浅い、寝起きが悪い、起きてもぼーっとしているといったことがおこります。

 

最近では薬局でも寝ているときのいびきの防止で口テープなどが発売されるようになりました。

安眠を生む「口閉じテープ」 小林製薬の勝算は?|MONO TRENDY|NIKKEI STYLE

こちらでも書いていますが小林製薬の口閉じテープの成人のデーターではありますが、口を閉じることで寝ているときのいびきや、体動が少ない時間つまり寝相も改善傾向が見られます

 

狭窄した上の顎は睡眠やおねしょとも関係があるという報告があります。

REMというの固定式の上の顎を拡大する矯正装置ですが、

(1)「上顎の狭窄を伴う睡眠時無呼吸症を持つ小児にはRMEが効果的な治療法で長期に安定する。」

(2)「上顎の狭窄を伴う難治性遺尿症小児に対するRMEは、鼻腔容積と鼻腔通気を優位に増加し、遺尿症の頻度が減少する」

という報告もあります。

参考文献
(1)Pirelli P,Saponara M,Guilleminault C:Rapid maxillary expansion for pediatric  obstructive sleep apnea:a 12year follow-up,Sleep Med 16:933-935,2015

Villa MP,Rizzoli  A,Rabasco J et al:Rapid maxillary expansion outcomes in treatment of obstructive sleep apnea in children,Sleep Med 16:709-716,2015

(2)Al-Taai N,Alfatlawi F.Ransjo M,et al:Rapid maxillary expansion on monosymptomatic primary nocturnal enuresis,Angle Orthod 85:102-108,2015

Bazargani F,Jonson-Ring I,Neveus T:Rapid maxillyary expansion in therapy-resistant enuretic children:An orthodontic perspective ,Angle Orthod 86:761-767,2016

 

正しい寝相はあおむけで寝ることです。正しい鼻呼吸の子供はうつぶせ寝では苦しくて寝られません。一方口呼吸であれば仰向けで寝るのが苦しいから、うつぶせ寝で寝ます。寝ているときは無意識ですので、毎晩何回もお母さんがうつ伏せから仰向けになおしてもすぐに元に戻ります。

 

頭の重さは成人で5キログラムボーリングの玉ぐらいの大きさと言われています。うつ伏せで頭の重さがかかることで顎の骨の正しい成長が阻害され、歯列が乱れてきます。

 

ポカン口は早めに改善することをおすすめします

こういった呼吸、睡眠の問題をはじめとした口を中心とした機能の問題がある子供たちに2018年から「口腔機能発達不全症」という病名が付くようになりました。口呼吸や、口唇の閉鎖不全(唇を閉じないことや口を閉じたときの下唇の下にできるしわ等)、睡眠時のいびきなどの症状が対象になっています。

 

子供の呼吸・睡眠の問題による様々な成長の結果のひとつとして「歯並び」というものもあります。その子の足りない機能に合わせて歯が並んでいるのであれば、矯正をして仮に歯並びだけがきれいになっても正しく使うことはできませんし、結果的にきれいな歯並びはその子にとって使いづらい歯並びになってしまいます。またそういった子供は矯正が終わっても、悪い機能に合わせて歯並びが戻っていく可能性があり不安定なままです。

 

機能低下を抱えたまま成人になると、大人になってからも様々な関連する症状んの改善が見られないだけでなく、やがて高齢になり年齢による機能の低下が始まると、正しい機能を獲得している人に比べて、機能の低下による様々な問題が早く起こります。

 

口ポカンやいびきなどの症状がありましたらまずはご相談ください。



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