まずはじめに
このページは小児矯正に関するページです。
このページの内容は自由診療を対象としたものです。
「子供の矯正はいつから始めたらいいの?」
よくお母さんから矯正相談で聞かれる質問です。
大人の矯正、永久歯になってからの中学生以降の矯正は「気になった時」に始めるのもです。
半年前に初めても、今初めても、2年後に初めても口の中は変わりません。
一方子供の矯正は
成長途中の子供の力を利用する矯正治療です。
歯の生え変わりのタイミング、上下の顎の骨が動く時期そういった中から、それぞれの歯並びの中でいいタイミングで治療を開始をすることが大事になります。
成長の力を利用するとは?
例えば反対咬合、受け口の場合
上の顎の前方成長は9~10歳で終わってしまいますが、下の顎の前方の成長は第二次成長期の身長が伸びる間前方に成長します。
つまり反対咬合で12歳これから身長がぐんぐん伸びる時期の男の子で
「よくなるかもしれないからもう少し様子を見る」といってもよくなることはありません。
「思春期になって本人が気になってきたので矯正を考えます」と相談に来ても、これから下の顎がどんどん動くので、下の歯の抜歯や外科処置を検討して身長が止まってきたら治療をしなければいけなくなります。
床矯正と言う装置は中央についているネジを巻いていってスペースを作ります。
このネジを半年から1年かけて5ミリ広がるようになっています。
これもいつでも5ミリ広がるというものではなく、9~10歳の犬歯が生えてくるまでであれば5ミリ、成長の力を利用する「バイオファンクショナルセラピー」をしっかりすると5ミリ以上広がります。
一方犬歯が生えてきた小学校の高学年では
しっかり装置を入れていても5ミリネジを巻いても5ミリ広がってきません。
つまり小児の矯正治療は、
それぞれの歯並びに応じた適切なタイミングで矯正治療を開始することが成長の力と装置の能力を最大限に発揮できるということになります。そして治療にも装置にもこの年齢までというものつまり賞味期限のようなものがあります。
大事なことはタイミングを逃さないようにすることで、今の歯並びやかみ合わせが気になるかどうかではありません。見た目で気になるかどうかだけで考えてしまうと治療の適切なタイミングを逃してしまう可能性があります。
例えばこの歯並び
7歳ぐらいで前歯4本が生えました。「このくらいなら気にならないから矯正をしない」と言うお母さんもいます。でもこの歯並びガタガタではないけど、絶対ガタガタに将来なるんですね。
左右の歯の数を調べていくと赤丸のところにある乳歯が一本足りないんです。
乳歯が4本抜けたところに4本の永久歯が生えているのではなく、乳歯が5本抜けたところに4本の永久歯が並んでいるわけです。7歳から犬歯が生える9歳まではこの状態のままなのできれいに並んでいる風を装って入れますが、犬歯が生えてきたスペースが全くないので並びません。
下の写真は左右の歯並びの見た目一緒ですが、ちょっとスペースが足りない子供と、犬歯1本分のスペースが足りない子供の二人は全然別な過程をたどります。
左の写真の子供は少しのスペースなので先ほどの床矯正ならば1個の装置でスペースが作れます。
一方右の写真の子供は犬歯1本分7~8ミリのスペースが必要で、スペースを作るだけで2~3個の床矯正の装置が必要です。数が多くなれば費用も増えます。
成人の矯正治療は「今の歯並びが気になる」「今の歯並びが気にならない」で考えてもらって構いませんが、成長期の子供の矯正治療はお母さんや本人が気になる・気にならないだけでは治療開始の理由にならないことがあるということです。
とはいってもお母さんには判断がつかないので
3歳ぐらいの時
6~7歳の上の前歯が生えた時
のタイミングで一度チェックするというのがいいと思います。
3歳児でチェックすること
3歳児でチェックするのはそれまでの離乳・哺乳がうまくいったかどうかです。正しく顎が発育していれば、乳歯の間に隙間があり、顎の前後関係も問題がないです。
3歳の時にチェックをするのは
・乳歯の過蓋咬合(下の歯が見えないような深いかみ合わせ)
・乳歯のガタガタの歯並び
・乳歯の反対咬合・受け口
これらの歯並びは、今後大人の歯が生えてくると歯並びの問題が大きくなったり、かみ合わせが悪化したりします。ただしこの時期は、乳歯をきれいに並べるのではなく、正しく成長できていない機能にアプローチをして改善していきます。
6~7歳の上の前歯が生えたときにチェックすること
6~7歳の上の前歯が生えると歯の大きさもわかるので、顎の成長不足と合わせて足りないスペースがどのくらいなのか具体的に把握することが可能になります。
また反対咬合(受け口)や上顎前突(出っ歯)などのかみ合わせの問題では顎の前後の骨の関係もレントゲンを撮ると計測できることで治療の方向がよりしっかり決まってきます。
・スペースが足りなければスペースを作る
・歯の位置が悪ければ正しい位置に誘導する
・骨の前後的な成長のアンバランスがあるようであれば是正する
といった機能にアプローチする乳歯の時とは違い、歯に骨にアプローチをしていきます。
全部大人の歯になってからの矯正治療について
成長を利用する矯正治療の問題は当たり前ですが、成長が終わるまで経過を見る必要があると言うことです。つまり治療期間が長くなります。
スペースの問題は永久歯に生え変わり、12歳臼歯が生えるまで
反対咬合とかのかみ合わせの問題は身長が動く間は変化があります。
ずっと積極的に歯を動かしているわけではないですが経過を見る必要があります。
一方で全部大人の歯になってから、中学生や高校生、その先で行う矯正治療はそういった変化はもうないのでその歯並びに対しての治療期間になります。治療期間としては成長が終わってから行う矯正治療の方が短くなりますし、その方が患者さんも負担が少ないと考える先生もいます。
しかし成長が利用できない永久歯の矯正治療では、スペースが足りなければ小臼歯という犬歯の後ろの永久歯の抜歯があったり、噛み合わせの問題特に反対咬合では外科的な手術が必要になることがあります。
話は少し変わって「歯科医院でのフッ素塗布」早いご家庭だと3歳未満から塗りに行ったりします。一方でこういった定期的に歯科医院に来ていた子供が中学生になったら
「部活が忙しくなった・・」
「塾があって今度テストも・・・」
といった理由でほとんどこれなくなることがよくあります。
「永久歯になったら矯正治療をする」予定でいたけれど、実際そのころのになったら、忙しくて歯科医
院に通えないのでそのままになってしまったという人たちを一般臨床の中ではよく見ます。
また中学生以降は思春期にもなるので、お母さんやお父さんが歯並びをきれいにしてほしくても、本人がやりたいと思わなければできなくなります。「習い事」はお母さんやお父さんで決めることができますが、中学や高校の「部活」を親に決めてもらう子供はほとんどいません。
永久歯からの矯正治療を否定する気は全くないですし、歯を抜いたりするのを本人やお母さんお父さんがどう思うかは別にして、成長の時期が終わった治療としてはそういった方法になってしまいます。
ただ当院としては、フッ素塗布等で歯科医院に小さいころから定期的に通院しているようなご家庭であれば、矯正治療のために通院するのはそこまでの負担にならないと判断しています。(実際当院で子供の矯正で相談に来るほとんどの家庭が、矯正を始める前から定期的に歯科医院に通院をしています。)
中学生や高校生での通院が難しいようであれば、通えるうちに歯並びの問題を改善した方がいいのではないか?と言うのが当院のスタンスです。
繰り返しになりますが、各医院ごとご家庭ごとで判断が分かれる話になりますのでこのあたりをよく検討したうえで矯正のする・しないを考えたほうがいいと思います。
ただ歯科クリニックの矯正の特徴
①矯正治療の初回相談は無料
矯正治療の相談は無料です。お口の中を見て今の子供の歯並びの状態、どういった治療をするのか?費用・期間についてお話します。
②診療日ならどの曜日どの時間でも矯正が可能
矯正の担当医は常勤ですので特定の診療日や時間でなければ矯正治療を受けれないということではありません。
③セファロレントゲンで顎骨の状態を分析します。
永久歯が萌出した6歳以降は、セファロレントゲンで外からはわからない骨の状態、骨格的なもの歯の傾斜によるものを分析したうえで治療計画を立てます。
④できるだけ取り外しの装置を選択して学校への負担を少なくします。
子供の矯正の場合、可能な限り取り外しの装置やマウスピース等を選択して学校生活にできるだけ負担をかけないようにします。
⑤小児の矯正ではできる限り歯を抜かない矯正治療法を選択します。
子供の矯正では、顎の骨の成長発育を誘導していき、矯正治療による抜歯をできる限り行わないような治療の方向性にします。(必要であれば抜歯を提示することもあります)
⑥成長期は機能面へのアプローチもします。
機能の発達の遅れは「正しい成長」ができないことと、きれいにならんだ歯並びをうまく使えない、つまりは維持ができない原因にもなります。食事指導を中心にそういった子供へは指導をしていきます。
小児矯正をどの年齢で開始するかで調べてみる
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3~5歳の乳歯の矯正
【床矯正】6~7歳の前歯のガタガタ
【SH療法】中学生・高校生・成人の狭窄した歯列を元に戻す治療法
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小学校低学年の前歯のガタガタ(叢生)【床矯正】
10歳からの狭窄した歯列を正常にする【SH療法】
子供の反対咬合・受け口の矯正治療
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先天的な歯のトラブルの子供の矯正
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