SH療法:中学生・高校生の歯列の狭窄を取りスペースを作る


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SH療法とは?

SH療法とは?

SH療法はワイヤーの様な固定装置ではなく、写真のような上下に取り外しができる矯正装置をつけて、小さく狭窄した顎(狭窄歯列)を正常に戻していきます。その中でスペースができていくと、歯が本来並ぶべきところに移動をしていきます。星岡才賢先生という歯科医師の先生が始められた治療法です。

 

 

           

 

SH療法と床矯正の違い

装置の形は床矯正と同じようですが、床矯正はネジで拡大するのに対して、SH療法はスライデックスというバネ(薬事法で医療器具として認可を受けた)が入ったネジで拡大します。バネが入っていることでSH療法の拡大能力は床矯正よりも大きくなります。そのため床矯正は1日14時間以上の装着をしないとスペースができていかないのに対し、SH療法は8~10時間の装着、床矯正の6~7割の装着時間での拡大が可能になります。

 

 

スライデックスの使用はSH療法研究会(SHTA)に属する歯科医院のみが取り扱い可能です。

SH療法の特殊なばね

・ただ歯科クリニックのブログでのSH療法についての記事です。

【SH療法5】生体が動かしていく矯正治療【2018年1月25日更新】

【SH療法4】日中装置が入ってないから人に矯正しているのがわからない【2017年11月27日更新】

 

SH療法の適応

SH療法の対象年齢はそれ以前の第一小臼歯が萌出する前にも使用することがありますが、基本は第一小臼歯萌出した10歳以降から成人の萎縮した顎(狭窄歯列)が対象です。

 

歯列が狭窄してることで、歯並びがガタガタだったり、出っ歯だったり様々な歯並びの問題を歯列の狭窄を解除することでスペースを作り、本来のあるべき位置に歯を動かしていきます。

 

そうした歯列の拡大をする中で、歯並びとともに、狭窄している歯列によって動きが制限されることで起こる顎関節や、委縮した顎が後ろに押し込まれることで起こる睡眠の障害、様々な不定愁訴の改善がみられることもあります。

 

SH療法で使用する装置

写真のような取り外しのできる装置を上下装着します。装置の中に入っているスライデックスという特殊なバネで広げていきます。1日の装着の中で装置を入れているときに押されて歯が動き、外しているときに戻ってということを繰り返していく中でゆっくり広がって歯列がきれいになっていきます。

SH療法上拡大   SH療法下拡大

 

日大松戸歯学部の葛西一貴日本大学特任教授らは「下の奥の歯が、縄文人に比べて現代人のほうが、歯軸(歯の傾き)が内側(舌側)に傾斜をしている」ということを指摘しています。本来は内側から出てきた歯がしっかり噛むことで図のように立ち上がり、歯列の幅を作ります。

 

 

SH療法で言うげる対象とする「狭窄した歯列・委縮した顎」は、顎の骨ではなく、このように内側に傾斜した歯であり、SH療法では内側に傾いた歯を本来の正しい位置に直立させ、縄文人の奥歯のようにすることを目標にします。

歯列の幅は顎の骨の大きさではなく、歯の傾斜で決まってきます。病的に内側に傾いた歯が立ち上がれば歯列幅は広がります。一方で、骨体自体は変わらないので顎そのものの(骨体最大幅・骨体基底幅)は変わりません。便宜的に「アゴを広げる」といいますが、骨は変わらず歯の傾斜だけをとるので顔が大きくなるといったことはありません。

 

参考文献:葛西一貴「歯の植立と咀嚼機能のかかわり」歯界展望99(6)2002

 

 

SH療法の装着時間

装置は毎日8~10時間の装着をお願いしています。だいたい寝ているときと家にいるとき2~3時間の装着になります。夜9時からつけて、朝6時までつけていれば約9時間の装着になります。この装着時間であれば忙しい中学生や高校生でも装着時間が負担になることは少ないように思われます。

 

口の中には何も入っていない状態になります。仕事や学校で矯正をしているのがわかりません。ワイヤーなどを使わない目立たない矯正治療を希望されている方には一つの選択肢になります。

8時間より短い装着時間では歯が動いていきません。装着時間の確保が難しい人は他の治療法をお勧めします。

 

装着時間が1日14時間以上必要な床矯正とくらべると、永久歯になった中高生や成人では8~10時間の装着時間はかなり負担が少なくなります。また6歳前後の子供と違い、ある程度永久歯に生え変わった時期になると床矯正では拡大がうまくいかなくなるケースが出ますが、SH療法であれば成人でも歯列の拡大が確実に行うことができます。

・装着時間について書いたただ歯科クリニックのブログの記事です。

【SH療法2】夜8時間からの装着・目立たない大人の矯正【2017年10月11日更新】

【SH療法1】中学生・高校生向きの目立たない取り外しの矯正治療なら【2017年6月29日更新】

 

SH療法の治療期間

最低でも2年から3年かけて委縮した顎(狭窄歯列)を解除していきます。少しずつ顎のゆがみを戻していくので「歯を早くきれいに並べたい」という方の希望には答えることができません。

 

またかみ合わせが浅い方よりも深い方に有効な治療法です。最初のかみ合わせが浅い場合、治療が進み萎縮した顎を広げた後、噛み合わせをそろえる治療が別途必要になることはあります。

 

弱い力で歯列に力を加えます。成長期の10代の子供や、骨の反応がいい20代の若い人と50代の方が同じような動きをしていくことはないですが、少しゆっくりでも50代の方でも歯列の狭窄を取ることは可能です。

 

SH療法の限界

SH療法はあくまでも「歯列・アーチ」を主軸に置いた治療法になります。細かい審美的な歯の移動の要求やかみ合わせを最終的にそろえる必要や希望があった場合は、固定のワイヤーを使ったり、マウスピース(インビザライン)が必要になるケースもあります。(費用は別途かかります)

 

     一般的なワイヤー矯正 

SH療法の治療費(税込み)

治療費(診断料・装置代を含む) 440,000円
管理調整料 3,300円

・例えば3年間の治療を目安とすると、440,000円+3300円×36か月分がトータルでかかる費用になります。

 

SH療法のメリット&デメリット

メリット

・歯を抜かないで狭窄した歯列を正常なアーチにすることができる

・家にいるときに装置をつけれれば目立たない矯正治療なので学生や仕事があっても安心

・床矯正と比べて(床矯正では14時間)装着時間が少なく忙しい中高生でも負担が少ない

・取り外しの装置なので矯正治療をすることで虫歯のリスクは上がらない。

・比較的痛みが少なくゆっくり歯を動かしていくので生体にやさしい治療法

デメリット

・ゆっくり歯列を整えるので治療期間がかかる

・1日の中で少し噛みずらい時間がある

・取り外しの装置なので指示された時間を守らなかったり、毎日入れないと治療が進まない

 

SH療法のQ&A

Q1:SH療法の治療の流れを教えてください。

①初回は必ず無料相談です。今の状態、こうなってしまった原因、SH療法が可能かどうか、治療の流れについてお話をさせてもらいます。またご自身ではきずかない、顎の狭窄しているところを写真などで確認してもらいます。

②レントゲン撮影(パノラマ・セファロを含む)・型取り・写真撮影などをして必要な資料を合わせます。

③装置のセットは上下同時にセットします。何回か調整が必要になります。

SH療法

④1か月に1回のチェック

装置に問題がなければ1か月に1回の間隔で来院していただきチェックします。中のばねは何回かに分けて広げていきます。また装置の針金などの調整も行います。忙しい社会人や学生の方は多少期間が空いてもいいですが、次のねじを回してなかったり、細かい調整をしていないので、治療が進まないだけです。

 

Q2 :顎関節症があるので矯正治療をするのが不安です

一般的な矯正治療は理想とするかみ合わせに歯を動かしていく矯正治療です。そのかみ合わせに対してうまく噛めない、慣れないといったことが起こことがあります。

 

24時間固定の装置で力をかけているのと違い、SH療法は一日の中で外している時間の方が長いことが特徴の一つです。その中で自分の噛みやすいかみ合わせに歯が動いていくという特徴があります。顎関節症などがあった場合でも治療中のかみ合わせの変化で、自身の負担にならない位置に歯が動いていくので、治療中の違和感は出にくいといわれています。

 

またSH療法で狭窄している顎を改善していく中で、狭窄した顎が原因の様々な症状が改善していくことがあります。

●狭窄した顎により動きが制限されることで起こる顎関節症の改善

●小顎症による顎の後退が原因の一つになっている睡眠時無呼吸症候群の改善

●歯列が正常になるなかで鼻腔の拡大や舌位の改善により呼吸の改善

など口の中だけでなく様々な症状の改善がみられます。

(あくまで上記の症状がすべて改善するというわけでなく、狭窄した歯列が原因であった場合、歯列の拡大ともに軽減していくという事です)

 

参考文献:

磯野史郎 the Quintessence Vol32 No12 2013「入眠に伴う呼吸の変化」

古畑升:the NIPPON Dental Review Vol69No6「顎拡大療法(SH療法)による閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAHS)の治療と予防の可能性

平木紳一郎:the NIPPON Dental Review Vol69No5「顎拡大療法(SH療法)による顎関節症の応用」

 

Q3:SH療法の治療中に食事で気を付けることはありますか?

SH療法はワイヤーなどの固定装置をつけたりすることはないので、治療中に食事の制限などはありません。むしろ、食事の時に「前歯を使ってしっかり噛む」(固いものを食べるとは違う)ことで、装置が入っていないときに歯がいい位置に移動をし、歯列の狭窄も早く取れてきます。特に10代の若い子であれば顕著です。そういった食事の指導は必要であればこちらからするようにしています。

 

Q4:SH療法をしていると虫歯になったりしますか?

Sh療法は取り外しの装置なので歯ブラシをする際には装置を外した状態でしてもらうので虫歯のリスクが上がるようなことは固定装置と比べると低いと思います。また飲食のたびに外してもらうので、だらだら食いや間食などのむし歯のリスクが高くなるような習慣も減ったりします。

一方でそういった中でSH療法をしているときに虫歯を作ってくる場合もありそれらは生活習慣等での砂糖の摂取、間食の問題があると思われるので装置のせいにしないでそういったことに向き合って改善していく必要があります。

また矯正前にたくさん虫歯がある場合はまずはそちらの治療が先になりますし、治療が終わっていたとしても虫歯だった歯の数が多い子供の場合、生活の中での親御さんの管理が不十分な可能性があり、SH療法のような取り外しの矯正には向かないのでお断りする場合もあります。

 

まずはご相談ください。

仙台市泉区・富谷市からも近いのただ歯科クリニックではSH療法の無料相談を行っています。(要予約)

電話:022-377-2350

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無断でのキャンセル・何回も予約を変更するなどがあった場合お断りすることがあります。

 

注意事項

*このページはただ歯科クリニックのSH療法についてのページです。他院で使用する材料、治療の内容は違うことがありますのでご注意ください。またこのページの内容を無断で使用することは固くお断りいたします。

*医療法の改正に基づき術前術後の写真は掲載してません。無料相談時に類似症例を用いて説明をさせていただきます。



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