このページの診療は自由診療に該当します。
このような疑問にこのページでは答えます。
☑乳歯で受け口を3歳児検診で指摘された。
☑まだ子供は小さいし、乳歯だったらまだ矯正治療を始めるのは早い?
☑乳歯から永久歯に生え変わるときに自然に治るかもしれないから様子を見ようといわれた
☑大人の歯になってから矯正をしようといわれたがこのままでいいのか?
子供の反対咬合の治療内容
反対咬合では
①できるだけ早い時期、できたら乳歯のころから矯正を始めるか
②成長が終わった時に抜歯や外科処置をして矯正
するかという二つの考え方があります。
その二つの治療の違いとそれを理解してもらったうえでいつ治療を開始するかを考えることが大事になります。
子供の反対咬合の成長過程を知りましょう
お母さんに知ってもらいたいことは顎の成長の話です。
上の顎の骨は頭の骨とつながっている骨です。頭の骨は脳の大きさの成長が9~10歳過ぎで完成するころに成長が止まります。
一方、下の顎の骨は顎関節という関節でぶら下がっている一つの骨です。肩という関節でつながっている腕の骨や、膝という関節でつながっている足の骨と同じイメージです。腕や足の骨は身長とともに思春期の第二次成長期(男子:11歳から13歳 女子:10歳から12歳 性差以外にも±1年ぐらいの個人差もあります)にどんどん伸びていきます。ということは下の顎の骨も同じように思春期の身長が伸びる時期に成長します。そして身長が止まるまでの間は下顎も同様に前方への成長をしていきます。
反対咬合というのは第二次成長期の身長が伸びる時期に、成長が止まっている上の顎の骨と、どんどん成長する下の顎成長のピークのアンバランスが一番の問題になります。
例えばもう上の顎の骨の成長が終わっている10歳くらいで下の顎のほうが出ている子供が、もう少し様子を見てもよくなる可能性はかなり低いということです。またその時期から治療を始めてももうほとんど前方への成長をしない向かい風を受けている上の顎が、どんどん前に成長する、追い風を受けている下の顎と追いかけっこをするようなものです。
この成長のピークの話を知らないで、反対咬合・受け口はいつでも治療ができると思っていると適切な治療介入の時期を逃してしまいます。
今の自分の子供を見て、将来の身長を当てられますか?
下の顎の骨が将来どのくらい成長するかは予想することはできません。
また成長を抑制していくことも難しいです。
もし下の顎の将来の予測が可能ならば、先ほど話したように腕や足の骨の成長量もわからないといけません。つまり4~5歳の子供を見て「将来の身長を当てろ」ということと同じになります。また下の顎の前方への成長を抑制するというのは、「身長をあまり大きくしたくない」という希望があれば身長を止められるか?ということと同じになります。しかしそんなことは実際にはできません。
つまり下顎の過成長はコントロールできません。
こういった成長の流れを理解したうえで、できるだけ早く、可能であれば乳歯から治療を開始するのか?永久歯に生え変わり、身長なども止まってきてから治療を行うのか?を決めないといけません。
前者は思春期の下の顎の過成長が始まる前にどれだけ上の顎を前方に成長させるかという矯正治療です。しかし下の顎の成長の予測はできません。将来負けてしまい、元に戻る可能性があります。またいつまで経過を見なければいけないかというと、身長がピッタリ止まるまでです。そこまでは下の顎は前に成長します。
一方後者の治療は抜歯や必要であれば外科処置で骨を切る治療です。しかし治療の開始はピッタリ身長が止まってから治療を始めないといけません。成長が止まってから行うので、治療後に下の顎の成長はありません。
一番困るのは、身長がぐんぐん伸びている思春期の時期に反対咬合の矯正治療をしたいとなってしまうことです。この時期に治療を開始しても、将来の外科処置や抜歯を前提にした治療の準備しかできません。
マクナマラの「混合歯列の矯正治療」より早期治療の有効性(一部用語を専門用語からわかりやすいものにしています)についてもこのように書かれています。
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このように、受け口・反対咬合の早期治療は小学校低学年までが矯正治療のベストのタイミングです。6歳以降の大人の前歯が生えてきてからがいいタイミングのスペースの問題とは時期が違います。スペースの問題の前歯のガタガタの治療とは時期がずれます。ほとんど大人の歯になった中学生以降では受け口・反対咬合は成長を利用した矯正治療をするには難しくなります。この時点での治療は抜歯や外科処置での対応しかないということです。
この反対咬合・受け口の子供の成長過程、それに合わせてどのタイミングで矯正をするか?というのを知ったうえで治療をする・治療をしない選択をしないといけません。
子供の反対咬合の治療期間
治療の開始は乳歯の3~4歳のころから治療を始めます。永久歯が生えてからの場合は生え変わりや、成長の状態を調べてこの時点で開始したほうがいいのか判断しないといけません。10歳を超えてくるような場合は成長期に入ってくること、上の顎の成長自体が難しくなることから当院では治療をお断りする場合があります。
積極的な上の顎の列成長の改善、前方への誘導は10歳前後までに行います。それまでは毎月1回通院してもらって経過を見る必要があります。
身長が伸びている間は経過を見せてもらうようになります。下顎が前方に出てくるようになって治療が必要であれば再治療することがありますが、この時期は中学生や高校生の時期なのでまずは通院できるかどうかも含めて考える必要があります。
子供の反対咬合で使用する装置
乳歯の時期に使う装置
プレオルソ、T4K,ムーシールド、パナシールドなどの既製マウスピース装置を使います。日中1時間と寝ているときに装置を装着してもらいます。
6~7歳の前歯が生えてきてから使う装置
スペースが足りない、側方への拡大などがある場合、床矯正装置
上の顎の劣成長が大きい場合、固定の装置をつけてそれを外側から引っ張るような形で動かします。固定の装置は24時間入っていますが、前に引っ張るのは寝ているとき中心に行います。夏休みなどはできるだけ長く入れてもらってより前方への成長を即します。
大人の歯になってから身長が伸びているころ
成長期の反対咬合の治療での装置は、その時の状態に合わせて、固定取り外しも含めて検討します。
子供の反対咬合の治療費用
治療費は税別です。
乳歯の既製マウスピース矯正
診断料 (レントゲン撮影・模型診査・写真撮影) |
15,000円 |
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既製マウスピース装置(プレオルソ・ムーシールド) | 30,000円 |
調整管理料 |
1,000円 |
永久歯が生えてきた6歳以降
診断料 (この時期からの治療開始の場合) |
35,000円 |
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診断料 (既製マウスピースからの継続) |
20,000円 |
取り外しの装置 | 60,000円~ |
固定の装置 |
100,000円 |
管理調整料 | 1,500円 |
*ほとんど永久歯に生え変わり身長が伸びている中学生前後の時期の治療に関しては、その時期の状態によって変わるのでここでの提示は控えさせていただきます。
子供の反対咬合の矯正治療のメリット&デメリット
メリット
・早期治療をすることで将来の抜歯や外科処置を回避できる可能性がある。
・早期に治療を開始することで、上の顎の劣成長の改善ができる。
・将来的に歯が残る可能性が高くなる(80歳で20本以上の永久歯がある人を調べたら、反対咬合受け口の人がいなかったという報告があります)
デメリット
・治療の予後が不確定なので早期に始めたからといって確実な結果が出るとは限らない。
・成長の予測が難しい。
・治療期間が長期にわたる
・取り外しの装置は決められた毎日の使用時間を守らないと治療が進まない。
子供の反対咬合Q&A
Q1:「乳歯から永久歯に生え変わるときに自然治癒するかもしれないから様子を見ましょう」と言われた。
反対咬合、受け口の治療では「乳歯の時に反対咬合でも永久歯に生え変わるときに自然治癒する」というお話があります。この話は本当です。
ただし反対咬合・受け口で乳歯から永久歯の時の生え変わりの時に自然治癒することはあるがその確率は6%です。 (乳歯反対咬合者の咬合の推移」1992 永原ら)
反対咬合の100人の子供のうち6人で起こることを多いと思いますか?少ないと思いますか?10人中9人は確実に失敗する方法を患者さんに提案するべきでしょうか?ただ歯科クリニックとしては前歯が生え変わるまで治療をしないことで、成長期までの治療期間が短かくなり、上の顎の前方成長が足りなくなることを懸念します。
生え変わりの時に様子を見て改善しなければ、身長が止まるまで待って、それから抜歯や外科処置での治療をする前提であれば、永久歯に生え変わるまで様子を見るというのであればいいとは思います。
まずはご相談ください。
仙台市泉区のただ歯科クリニックでは子供の反対咬合・受け口の無料相談を行っています。(要予約)
電話:022-377-2350
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