見た目に問題がなくても子供の骨の中では?
よく子供の矯正相談をすると
「治療や期間、方法を最初の時点ではっきりさせたい」
というお母さんがいます。
しかし骨の中で起こっていること、これから起こりうるすべてのことを予想するのは不可能です。
ただし起こるかもしれないことを早めに知って対応を考えることは大事です。
10人に1人は永久歯がない!
代表的なのは先天欠損と言われる親知らずではない永久歯の欠損です。
これは日本の大規模な調査で10人に1人の子供で起こるということがわかっています。(出典等はリンク先のページで詳しくお話しします)
実際に当院でも矯正をする子供たちで最初レントゲンを撮った時に、永久歯がない子供は10人に1人出てくるということです。もう少しイメージしやすく考えれば子供のクラスが30人だとすると、クラスの中に3人前後は永久歯がない子供がいるということです。
珍しいことでもなくよくあることです。
大事なのはどの部位の歯がないかと、どのタイミングで対応するか?です。よくある部位は常賀の前歯と第2小臼歯と言われる一番後ろの乳歯、6歳臼歯の手前の歯になります。上下の前歯の場合は6歳前後の生える時期の撮影で確定診断が出ますが、第二小臼歯の確定診断は10歳ぐらいにならないとわかりません。
過剰歯
過剰歯と言う本来の上下28本の永久歯じゃない歯が多い子供、つまり先ほどの欠損と逆で歯が多い子供は3~5%で起こるといわれています。そのうちの半分以上は正中埋伏過剰歯といって上の前歯の真ん中に埋まっています。多くは正中埋伏過剰歯といって上の真ん中の歯のところにできます。
余計な歯なので基本は抜歯になります。特に矯正治療を希望される場合には過剰歯が邪魔になるので歯を動かせないので抜歯が必要になります。
上の真ん中の歯の間にできる正中埋伏過剰歯の起こす作用として、この歯が邪魔をして前歯が閉じない、すきっぱになっている子供がいます。前歯を閉じること自体は矯正としては簡単ですが、かならず当院ではレントゲンを取り、こういった過剰歯がないか確認をしてから閉じるようにします。もしそのまま閉じてしまうと前歯の根っこにぶつかって本来ある前歯が正しく成長できないからです。
先天欠損と過剰歯を合わせた、歯の数の問題少なかったり多かったりするのは15%前後、7~8人に1人起こるという形になります。
犬歯と6歳臼歯の萌出障害
生えかわりで永久歯が生えるときに多いのは
6歳臼歯が生えるときに手前の乳歯に引っかかったりして出られなること
上の犬歯骨の中での位置異常になります。
前者の6歳臼歯が引っかかって出れないことによる問題は、
ずっと生えてこれないで親知らずのように埋まっているので磨きにくくなります。虫歯のリスクが上がったり、歯肉が晴れて痛みが出てしまうことがあります。引っかかった手前の乳歯が本来は小学校の高学年まで抜けないのですが、押されたせいで通常より早く抜けてしまうと、そのあとに生える永久歯のスペースがなくなって歯並びやかみ合わせの問題もおこります。
犬歯の位置異常と言うのはスペースがなくて八重歯のようになってしまうではなく、リンク先で詳しくは話しますが、骨の中で変な位置に動いてしまい、隣の歯にぶつかると隣の歯がダメージを受けて根っこの成長が止まってしまうので、若いうちに歯が抜けてしまったりするようなことが起こります。骨の中にある間は動かせませんが犬歯が生えてくる9歳前後になってから何かするというよりも、6歳ぐらいのうちから改善のためのアプローチが必要になります。
両者とも見つけたら適切な時期に正しい位置に戻してあげなければいけません。