【先天欠如歯】大人の歯がない


10人に1人永久歯がない子供がいます。

日本小児歯科学会が平成19年から20年にかけて15000人以上に調査をしたところ、10.1%の子供に親知らず以外の永久歯の欠損が確認されました。男女別では男子が9.1%、女子が11.0%なので女子が少し多いようです。1歯欠損が5.2%、2歯欠損が2.9%なので、先天欠如の子供の8割くらいは1本から2本の歯の欠損になります。

先天欠如歯

大人の歯がないかどうかはレントゲンで撮影しないとわかりません。

また奥歯は小学生の低学年の頃のレントゲン撮影ではまだ永久歯が映らないこともあります。すぐに確定診断を出せずに定期的に撮影をして確認していくこともあります。

 

先天欠如歯がある子供の治療内容

先天欠如歯は部位によって対応が変わります。

①下の前歯が先天欠如歯の場合

下の前歯の先天欠如歯はその分のスペースを埋めていくようになります。下の歯は通常噛むと上の前歯に隠されるのでそこまで目立ちません。しかし下の歯列が1本分小さくなるので、上下の歯列のバランスが崩れます。具体的には少しかみ合わせが深くなり、出っ歯気味になります。

上下の歯列のバランスの改善まで行う場合は、前歯の生え変わりの時の1期治療、永久歯になってからの2期治療といった形で全体の歯並びを動かす必要があります。

 

 

②上の歯の先天欠如歯

上の前歯の先天欠如歯がある場合、噛んだ時に下の歯のように隠れないので、例えば1本の場合左右の歯の形が非対称でいいのか?といった問題、見た目をどうするか?考えていかないといけなくなります。それに合わせて治療も変わってきます。

例えばこのように左上の真ん中から2番目の歯が欠損していたとすると

一つは歯を寄せていくことで、スペースを埋めていくという考えがあります。

この時の問題としては、左右の歯の形が非対称になってしまうということがあります。そしてもう一つは上が歯1本分狭い歯列になるので下の歯列も上に合わせて調整をする必要があります。こういった見た目や機能のバランスのいいところを見つけていく必要があります。

これが左右同じ部位の歯2本がないのであれば、非対称性はそれほど問題になりませんが、歯列がかなり狭くなるので上のアーチに合わせて下の歯の抜歯も必要になります。

 

左右対称にしたいのであれば、骨の成長が終わり、かみ合わせが安定てする20歳前後までスペースを保持して、保険だと両隣の歯を削ってブリッジや保険外であればインプラント等の処置が必要になります。

 

  

 

③奥歯の先天欠如歯

多いのは第二小臼歯、乳歯の一番奥の歯の下の永久歯がないケースです。

レントゲンで乳歯の根っこの吸収などを見て、残せる場合は乳歯を保存する場合もあります。

根っこの吸収が始まって乳歯を残すのが難しい場合は抜歯をして、スペースを閉じます。ただしこの場合6歳臼歯を1本を引くのはいいのですが、12歳臼歯が生えてから2本の奥歯に本を前方にひくのはかなり難しくなります。スペースを閉じるのは12歳臼歯が生える前に行いたいです。

 

④乳歯をそのまま残す

レントゲンで見て乳歯の根っこが吸収されてなければ、そのまま残して使えるところまで使うこともあります。実際自分が今まで見たケースでは、犬歯のところの乳歯で70歳近くまで残って普通に使っていた人もいました。もちろんかなりまれなケースであって、かみ合わせなどの様々な要因が重なりそういった乳歯もあったということです。

 

乳歯を残した場合平均で30歳前後までもって脱落するという報告もあります。もちろんそれよりも前に抜けてしまうこともあります。抜けてしまうとかみ合わせが決まってからの20歳以降何らかの治療が必要になってきます。かみ合わせが決まってない20歳前はまだそういった治療が難しいのでスペースを保持することになります。

 

 

治療期間

①②の前歯の先天欠如歯は1本足りない歯列のバランスの不調和を多少残してもいいのであれば、前歯の生え変わりから治療を開始していき、永久歯への交換を確認して、生え変わりが終わると治療が終了になります。歯列のバランスの不調和までの改善を最初からゴールとするのであれば前歯の生え変わりの1期治療、永久歯になってからの2期治療が必要になります。

 

③の奥歯の先天欠如歯は6歳臼歯を動かすのならば12歳臼歯が生えてくるまでにスペースを閉じていきたいです。またそういった奥歯のスペースをどうするかというときには、前歯の歯並びなど他の問題はある程度改善していることが前提になります。

12歳臼歯萌出以降に奥歯の先天欠如歯に対応する場合はバランスを整えるのも含めて他の歯の抜歯などをしたうえでの全体の矯正が必要になる場合があります。

 

④の乳歯を保存した場合は定期的にレントゲン撮影をしながら、自然脱落するまで使います。

 

治療費用

先天欠如の歯の数、治療開始の時期、乳歯の根の状態、歯列の状態等によって選択する治療が変わってきます。詳細な費用については初回の無料相談でお口を見てお話をさせてもらいます。ただし先天欠如の場合にはレントゲンを見ないと詳しい診断ができない場合相談時にレントゲン(2200円)の費用をいただく場合がありますのでご了承ください。

 

メリット&デメリット

前歯の先天欠如歯の矯正治療のメリット

・犬歯が生える前にある程度並べると治療は複雑にならない。

 

前歯の先天欠如歯の矯正治療デメリット

・欠損のスペースを埋めた場合左右の歯が非対称になる見た目の問題(特に上)

・片側のアーチが狭くなるので反対側とのアーチのバランスや歯並びの問題

 

奥歯の先天欠如歯の矯正治療メリット

・小臼歯の場合成人になってからだと、他の部位の小臼歯を抜歯して抜歯矯正という形になるのを避けられる。

・いい時期にスペースを閉じることができると、将来の処置(ブリッジ・義歯・インプラント)

 

奥歯の先天欠如歯の矯正治療のデメリット

・タイミングを逃すと奥歯のスペースを閉じるのは難しい。

・奥歯の生え変わりの時期は小学校高学年~中学生にかけてなので、治療の協力度通院が可能かどうかも含めて検討しないといけない。

 

乳歯を残した場合のメリット

・侵襲が最小限で済む。スペースを閉じたりする必要がないので経過観察のみで大丈夫

 

乳歯を残した場合のデメリット

・いつまで乳歯が持つかはわからない。早い時期に脱落するとすぐに治療ができない場合がある。

・抜けた後は何らかの処置(ブリッジ・義歯・インプラントなど)が必要になる。

 


 

乳歯の融合歯もそのあとの永久歯が先天欠如歯になる可能性があります

乳歯に癒合歯と言って2本の乳歯がくっついて1本の歯になっている子供がいます。

 

乳歯の癒合歯

 

乳歯の癒合歯それ自体を治療する必要はないのですが、乳歯の癒合歯があった場合、その後に生える永久歯の先天欠如歯が起こることがあります。

 

赤丸の下の乳中切歯と乳側切歯の癒合歯の場合、その後の永久歯がない確率が16.3%

青丸の下の乳側切歯と乳犬歯の癒合歯の場合、その後の永久歯がない確率が73.8%

緑丸の上の乳側切歯と犬歯のの癒合歯の場合、その後の永久歯がない確率が65.2%

参考資料:新谷誠康「乳歯の癒合歯が後継永久歯に与える影響」日本歯科医師雑誌 65(12):6-14,2013

 

部位によってはかなりの高い確率で永久歯の先天欠如歯が発生します。

永久歯の生え変わりが始まる5~6歳ぐらいまでには、先天欠如歯の確認のためにレントゲンを撮ったほうがいいと思います。先天欠如歯があった場合には、上記の先天欠如歯の治療の話になります。

 

 

先天欠如歯、癒合歯のQ&A

Q1:先天欠如歯があるかどうか保険診療でレントゲン撮影して調べることは可能ですか?

基本的に保険診療では先天欠如歯があるかどうかを見つけるためのレントゲン検査は認められていません。また仮に先天欠如歯があった場合、矯正をしないで経過を見るような場合でも定期的なレントゲン検査は認められていません。乳歯の癒合歯も同様に部位によっては先天欠如歯の可能性が多くても保険診療でのレントゲン撮影は認められていません。

当院では先天欠如歯が見つかって、積極的な矯正治療を行わない、希望されないケースでは、診断料16500円(税込み)、半年に1回のレントゲン撮影2200円(税込み)、管理料として1650円(税込み)等をいただいて経過を見ている子供さんも多いです。

ただほとんどの場合は矯正治療を始めるにあたりレントゲンを撮影して見つかるので、矯正治療の中に先天欠如歯の治療を組み込んでいきます。

 

Q2:高校生になってもなかなか抜けない奥歯の乳歯があり調べたら永久歯がありませんでした。矯正でスペースを埋めることは可能ですか?

12歳臼歯萌出以降に、小臼歯の先天欠如歯が見つかり、そのスペースを閉じていくという動きはかなり難しいと思われます。

矯正は歯と歯の綱引き

矯正治療は歯と歯の引っ張り合いで動いていきます。奥歯はとても大きな歯なので1本動かすだけでもかなり難しい動きになります。まして小臼歯の欠損でそのスペースに大臼歯2本を動かしてしっかり噛ませるのは現実的な動きではありません。逆に高校生になってしまっているのであればそのスペースを保持しつつ、20歳前後で自由診療でのインプラント等も含めた治療を検討された方がいいと思います。

ただし、前歯にスペースがなくガタガタの歯並びにあっているような場合は、上下左右の他の対応する小臼歯4本を抜歯することで並べることも可能ですが、1本の永久歯がなかったために3本抜歯をしてバランスを合わせるという治療になります。

実際に口の中を拝見してみないと分からないこともあるので矯正の無料相談を利用して一度来院してください。

 

 

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*このページはただ歯科クリニックの【先天欠如歯】大人の歯がないについてのページです。他院での治療の方法、費用、考え方は違うことがありますのでご注意ください。またこのページの内容を無断で使用することは固くお断りいたします。

*医療法の改正に基づき術前術後の写真は掲載してません。無料相談時に類似症例を用いて説明をさせていただきます。

 



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