【2018年5月28日 10:36 AM更新】
こんにちは
仙台市泉区富谷市 ただ歯科クリニックです。
初めての方はブログの簡単な注意事項こちらの記事に目を通してください。
今日は乳歯の癒合歯というものについてのお話です。
もくじ
①癒合歯って何?
②乳歯の癒合歯の問題は?
③前歯の永久歯がないのはどういった問題になるのでしょうか?
④先天欠如歯、永久歯のある・なしはレントゲンを撮らないとわかりません。
⑤乳歯の癒合歯があるからすぐに何かする必要はありませんが・・・
①癒合歯って何?
癒合歯というのは2本の歯がくっついて1本になってしまったものを言います。
乳歯では3~5%くらいに起こり、永久歯では0.1%以下で起こります。
乳歯であればクラスに1人ぐらいいたりするようなイメージです。
永久歯は1000人に1人いるか?いないかぐらいなので学校で一人いるか?いないか?というところで結構珍しいケースになります。
左右の歯の数が合わなくなったり、普通に見てもなんかおかしいなというのがわかるので、お母さんでも見つけられますし、1歳半検診や3歳児検診で検診等でも発見されるので、「自分の子供に癒合歯がある」ということを知っているお母さんは多いです。
ただ実際癒合歯特に乳歯の癒合歯にどういった問題があるか?何を注意しなければいけないかを知るお母さんは少ないです。
②乳歯の癒合歯の問題は?
乳歯の癒合歯はそのものを直接的に治療することはほとんどありません。
しかし大事な問題としてそのあとに生えてくる永久歯の問題があります。
癒合歯の多くは上下の次のところで起こります。主に前歯です。
①赤丸の下顎のA乳中切歯とB乳側切歯の癒合歯
②青丸のB乳側切歯、C乳犬歯の癒合歯
③緑の丸の上のA乳中切歯とB乳側切歯の癒合歯
多くはこの3パターンです。
何が変わってくるかというと
①の癒合歯の場合そのあと生えてくる永久歯がない先天欠如歯の確率が16%に対して
②の場合だと永久歯がないのが74%、③の場合だと65%ということです。
永久歯がない可能性があるのですが部位によって大きくその発生率が異なるということです。
また1%前後ぐらいで後から生えてくる歯も癒合歯のことがありますが、これは部位による違いはありません。
また③のケースの場合永久歯(主に永久歯の側切歯)が矮小歯と言ってかなり小さい歯が生えてくるのも30%ぐらいで起こります。
こういった乳歯の癒合歯の後に生えてくる永久歯の問題があるとういうことです。
③前歯の永久歯がないのはどういった問題になるのでしょうか?
前歯の永久歯がない、先天欠如歯はどういった問題があるのでしょうか?
一つは特に上ですが前歯で先天欠如歯があった場合正面から見たときに歯のバランスが左右が非対称になります。こういった見た目の問題が一つあります。下の永久歯がなくても左右非対称になるのですが、下の歯は噛み合ったときに上の歯に隠れるのでそれほど目立たないので気にならないことが多いです。
もう一つはアーチ、歯列のアンバランスの問題。
例えば下の歯が1本ないということは、1本分狭い、小さいアーチになります。反対側の上の歯が全部歯があってきれいに並んでいるのであれば上の方が大きいアーチ歯列に見えてしまいます。相対的に上の歯列が少し大きい、少し出っ歯気味になったりします。
逆に上の前歯が1本先天欠如の場合は、上のアーチが狭くなるのでそれに対して下の歯列がそのまま並べられるかどうかという問題になります。狭い上に対して、下が普通に並ぶと同じように前後関係のバランスが悪かったりします。
こういった上下のアンバランスをどうするかという問題が出てくるので、永久歯がない側の歯列も一緒にどうするかを考えていかないといけません。
④先天欠如歯、永久歯のある・なしはレントゲンを撮らないとわかりません。
癒合歯が原因の永久歯の先天欠如歯は、レントゲンを撮影しないとわかりません。
生えてきてすぐに調べる必要はないですが、前歯の生え変わりが始まる6歳前後のころには撮影をして歯があるのかないのかを見ないといけません。
永久歯があったらあったでOKということではありません。乳歯の癒合歯2本歯のくっつき方によっては本来の乳歯2本の歯列よりも小さくなっている場合があります。それでピッタリ隙間なく並んでいるような場合は、顎の成長が足りないため、そこに永久歯が普通に2本で生えてきたら並ばない可能性がでてきます。永久歯があればOKということではなく、そうなると本来の歯の数で並ぶのかどうか?並ばないのであれば床矯正などで歯列を広げていくことがあります。
癒合歯が見つかったまだ乳歯の生えたてのような時期にレントゲンを取る必要もないですが、歯の生え変わりが始まる5歳くらいにはレントゲンをとって永久歯の状態を確認したほうがいいと思います。
⑤乳歯の癒合歯があるからすぐに何かする必要はありませんが・・・
乳歯の癒合歯が生えてきたからといってすぐに何らかの処置が必要なことはありません。特に乳歯が生えてきた低年齢では何かする必要もないと思います。
しかし永久歯、前歯の生え変わりが始まる6歳前後には、永久歯のあるなし、それによって考えられる歯並びの起こりうる問題について把握をして、その後の対応をある程度決めていく必要はあります。またそういった時期に矯正治療が必要になることがあるというのは頭に入れておいて、費用的なものに不安があれば準備をしておくのも一つだと思います。
また永久歯の先天欠如、大人の歯がなければ、普通の先天欠如歯に合わせた対応になります。永久歯の先天欠如自体は10人に1人親知らず以外の永久歯の欠損があります。むしろ癒合歯よりも割合的には多く起こっていることなので適切な時期に適切な対応ができればそこまで心配する必要はないと思います。
癒合歯についてと永久歯がなかった場合、先天欠如歯についての説明のページです。
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