萌出障害(犬歯の埋伏・6歳臼歯の近心傾斜)


犬歯が骨の中で変な位置にある!?

6歳前後にレントゲン写真を撮ると、特に上の犬歯が骨の中であまりいい位置にないことが見つかります。こういた萌出障害は0.8~2.9%で発生すると言われています。

(末永書店 埋伏氏の保存治療ストラテジー 野田隆夫/野田雅代より)

 

骨の中で変な位置にあるので、歯並びにも影響するのですが、1番の問題は歯並びではありません。

ericsonの分類と言うものがあるのですが、重なり方で1~5に分類されます。

 

 

このように隣の歯の方に曲がって生える中で、近くの歯とぶつかってしまうことが問題になります。ぶつかることで、永久歯の歯の根っこの成長が止められてしまい、根っこができなくなるということが問題になります。根っこができなくなってしまった歯は短いために早く抜けてしまったりします。

先ほどの隣の歯の根っこの吸収ということでいうと、1~4では3割前後、5では7割近くの永久歯の歯の根っこの吸収して、正しく歯ができなくなるといわれています。

 

犬歯が骨の中で変な位置にある

のは

「歯並びが悪くなるから、矯正が必要」なのではなく、

隣やその隣の前歯の保存のために必要な矯正治療です。

 

スペース不足の場合はまずスペースを作ります

スペース不足によって犬歯が正しい位置に出られなくなっている場合、歯列を広げてスペースを作ったり、乳犬歯を揺れる前に抜歯することで骨の中で犬歯の位置が変わることがあります。

 

初診時

左右の犬歯が隣の歯と重なっています。ericsonの分類ですと左右とも3になります。

1年後

歯列を広げてスペースができて片方は重なりが取れましたが、もう片方はまだ重なっています。

2年後

ブラケットで前歯を並べつつ、犬歯の位置が改善しない時には引っ張る予定でしたが、重なりが自然に取れました。

まずはスペースがなければ作ってあげる。その中で自然に動いてくるのを期待します。

グラグラして自然に抜けるのを待つのではなく、タイミングをみて揺れていない乳犬歯を抜歯するのも効果的といわれています。

 

位置が悪いままの時は機械的に引っ張ります。

ericsonの分類では3になります。

 

 

固定装置のブラケットで正しい位置に犬歯を引きました。

 

骨の中にある犬歯を引っ張るときには、ある程度出てきているようなら、当院でレーザーを使って歯肉を切って犬歯を出して引っ張ります。骨の中にある場合は専門の口腔外科に紹介して骨の中から歯を出してもらいます。

 

治療内容

まず見つけるタイミングですが、当院では子供の矯正治療を行う際に必ずレントゲンを撮るのでその時に見つかります。保険診療でのスクリーニングとしてのレントゲン検査は認められていません。どうしても不安な方は自由診療として調べます。(診断料+撮影料として11000+5500円)

 

ただし撮影のタイミングは6歳以前ははっきりわからないので上の永久歯が生えたぐらいがいいと思います。逆に本来犬歯が出てくる9~10歳ごろに、「なかなか生えてこないので撮影してみよう」となると、もう、隣の歯とすでにぶつかったりしている可能性があるので遅い可能性もあります。

 

先ほども説明した通り

①犬歯の生えるスペースがあるか?ないか?

生えるスペースがなければ床矯正やSH療法等の方法でスペースを作ります。

6~8歳の成長の力を利用した床矯正とバイオセラピー

中高生・成人の狭窄した顎に対するSH療法

 

②乳犬歯の抜歯が必要か?

タイミングを見てまだ揺れていない乳犬歯の抜歯をして、正しい位置への萌出を促すことがあります。

 

③歯肉や骨の中から犬歯を引っ張る

本来の萌出時期までに歯の位置が悪いまま、早い段階で前歯に骨の中でぶつかっている場合は、歯肉や骨の中から犬歯を出して引っ張ります。

 

治療期間

位置にもよりますが、骨とくっついてなければ引っ張ること自体は1年から2年で引けると思います。ただスペースの問題がある場合はその前にスペースの問題の治療、犬歯を引いた後もその後の生え変わりの確認等もあるので経過自体は最低でも小学生の間は必要になると思います。

 

 

治療費用

スペースが必要な場合は、床矯正やSH療法の費用の中で行っていきます。

ブラケットを付けて引っ張る場合には診断料と合わせて10~20万円前後必要になります。

また半年から1年に1回レントゲン撮影の必要があるのでその時に2200円、また定期的に1~3か月での来院をお願いするのでその時に管理料として1650円~3300円必要になります。

その他抜歯や、歯肉・骨から出す際の費用が別途かかる場合があります。

 

メリット&デメリット

メリット

・犬歯を本来あるべき位置に誘導します。

・計画的に犬歯を正しい位置に引っ張ることで、歯並びまた隣の前歯を守ることができます。

 

デメリット

・発見が遅い場合や、位置が悪くすでに隣の歯にぶつかっているとき、それらの歯の根っこが成長できなことがあります。

・骨と癒着している場合、歯が動かないことがあります(事前の診査で鑑別するのは難しいので動かしてみたらわかります)

・状況に応じた治療を選択するのでご希望に添えない場合があります(例えば、できるだけ目立たないようにとか固定ではなく取り外しでといった希望)

・また治療費についても同じように状況に応じて変わるので、最初の時点で細かいところまで話せない可能性があります。

・揺れていない乳歯の抜歯、歯肉や骨から犬歯を出すなど外科処置が必要になることがあります。

 

6歳臼歯の埋伏

6歳臼歯や12歳臼歯が手前の歯に引っかかって親知らずのように埋まってしまうことがあります。

6歳臼歯の場合は、手前の乳歯の吸収を早めてしまい、乳歯が本来の抜ける時期より5年以上早く抜けてしまい奥歯のかみ合わせを狂わせることがあります。

 

このように手前の歯に引っかかってまっすぐ出てこれません。様子を見てもよくなりませんし、後ろから生えてくる12歳臼歯と重なってこのままにすることでより問題が複雑化します。

 

このケースは手前の乳歯に6歳臼歯が食い込んでおり、早くただし位置に戻さないと乳歯が抜けてしまいます。

 

12歳臼歯でも同様に正しく出られないことがあります。

同様に12歳臼歯が引っかかったりすることもあります。6歳臼歯の対応と違うのは、12歳臼歯の場合ほとんどが永久歯になりかみ合わせも決まっているので、出てきている途中であれば6歳臼歯と同様に部分的にな対応できるのですが、1回間違った位置で噛み合ってしまうと全体の矯正が必要になることがあります。

 

また岡山大学の予防歯科学分野の森田学教授、大森智栄(大学院生)の研究グループらが2000人近くに行った研究では、悪いかみ合わせの人が正常なかみ合わせの人より12歳臼歯の生え方が悪くなるリスクが3倍強あるという発表もあります。

かみ合わせと12歳臼歯の生え方に関連

 

 

12歳臼歯ですので、永久歯が全部萌出してから全体の矯正治療を考えているのであればいいですが、予防的に考えるのであれば萌出前に噛み合わせの問題は一度改善することでリスクを低減できるということも考えられます。

 

また骨の中に完全に埋まっているような親知らずは無理ですが、親知らずの生え方が悪くて脹れたりを繰り返している方で、抜歯のタイミングが難しいお母さんや妊婦さん、どうしても抜歯を避けたい人に対してきれいな位置に並べるというよりも親知らずの位置を少し改善して歯ブラシがしやすくしたりすることで腫れたりといったトラブルを少なくすることも、ことこういった治療の応用で行ったりしています。可能なケースとそうでないもの、どこまで位置を動かせるかは個人で違うのでご興味がある方はご相談ください。

 

Q&A

Q1:犬歯の位置に問題があるかどうか保険診療でレントゲン撮影して調べることは可能ですか?

基本的に保険診療では犬歯の位置に問題があるかどうかを見つけるためのレントゲン検査は認められていません。また仮に問題があった場合、矯正をしないで経過を見るような場合でも定期的なレントゲン検査は認められていません。

どうしても矯正治療は希望しないが歯の数だけ調べたいという方は、下の前歯が4本生えた段階で来院してください。レントゲン撮影と歯の数のみのお話をさせていただきます。初回16500円(最初のレントゲン撮影代・診断料込)その後経過の中でレントゲン撮影する場合2200円、経過観察をする場合の管理料1650円。

 

Q2:6歳臼歯が引っかかっている手前の乳歯が揺れているのですが抜歯になりますか?

6歳臼歯がための乳歯に引っかかると、手前の乳歯が揺れてくることがあります。レントゲンで引っかかりがかなり大きいと乳歯の根っこがほとんどなくなっていることがあり抜歯になることもあります。ある程度根っこがある場合は引っかかりが取れると揺れが止まってきます(通常の交換期よりは早く抜けますが)

また乳歯が抜歯になった場合にはそのままにすると6歳臼歯がさらに本来より手前に生えて、本来生える永久歯のスペースがなくなるのでなくならないように処置が必要になります。

 

Q3:犬歯を引っ張るときにマウスピースのような目立たない矯正治療は可能ですか?

骨の中から犬歯を引っ張るのは大変難しい動きになります。最初から最後までをマウスピースを使って行うのは難しい動きになります。

 

 

まずはご相談ください。

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注意事項

*このページはただ歯科クリニックの犬歯の埋伏・萌出障害についてのページです。他院で使用する材料、治療の内容は違うことがありますのでご注意ください。またこのページの内容を無断で使用することは固くお断りいたします。

*医療法の改正に基づき術前術後の写真は掲載してません。無料相談時に類似症例を用いて説明をさせていただきます。



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