子供の上顎前突・出っ歯の矯正


「うちの子前歯が出ている・・・」と思う前に。

出っ歯のことを上顎前突といいます。読んで字の通り、上の顎の突出です。

しかし出っ歯には2種類の出っ歯があります。

 

ひとつは正常な位置の下の顎に対して上の顎が前方に過成長している状態、上顎前突と呼ばれるもの。

もう一つは正常な上の顎に対して、下の顎が後方に押し込まれている状態です。下顎の後退で相対的に上が出ているかみ合わせの問題です。

 

つまり上の顎が原因の出っ歯と下の顎が原因の出っ歯と2種類あります。

 

下がった下顎    前に出た下顎

下の顎が後ろに下がっていることが原因ならば、正しい位置に下顎が出てくることで前歯の出ている感じはなくなります。上の前歯が出て見えるのは必ずしも上の歯だけに原因があるわけではありません。

 

日本人の7割が下の顎が後ろに下がっているのが原因の出っ歯です

日本人の75%は下顎の後退による出っ歯です。上の歯が出ているのではなく下の顎が下がっているのが原因です。上の顎が前方に出ているケースは7%という報告があります。

(野島邦彦 「上顎骨の成長抑制と下顎の反応」より)

 

上の顎が前方に過成長をしているのであれば上の顎や歯が治療の対象になります。

下の顎が後方に下がっているのであれば、治療の大きな目標は下の顎を前方に誘導することです。

 

 

出っ歯なのか?出っ歯に見えてしまっているのか?

をまずは知りましょう

 

子供は歯がぐらぐらでも平気でご飯を食べれるのはなぜでしょうか?

ではなんで7割の子供たちの顎は後ろに下がっているのでしょうか?

ひとつは

上の歯列の狭窄です。上の顎が狭いために引っかかって下の顎が前に出られなくなった子供です。

 

もうひとつの原因を考えるときに

歯の生え変わりの時に乳歯がグラグラしてても子供は平気でご飯を食べます。

大人の人が歯周病であんなグラグラの歯があったら食べるときに違和感を感じて歯医者にきます。

 

これはなぜかというと、まだ生え変わり途中の子供は顎の関節の位置が決まっていません。顎の位置が決まっていないのでグラグラの歯があれば、そこで咬まないようにずらして噛めるのです。そういった不安定な状態の顎はちょっとお口の中に問題があればそれに合わせて悪い方向に動くリスクもはらんでいます。逆に大人は噛み合わせの位置が決まっているので、動いている歯があると気になって噛めなくなります。

 

 

ワイヤーの矯正では数十グラムの弱い力で歯を動かします。一方で頭の重さは約5キログラムであり、このような形で何らかの強い力を加えれば成長期の子供の顎は変形をしたり、ずれてしまったりします。もちろんこれ以外にもたくさんの生活習慣や癖で下の顎の位置が正しい位置からずれていきます。

必要であれば矯正治療中にこういった指導もします。

 

顎の関節の位置が決まる前と後では治療が変わります

顎の関節の位置が決まる時期、永久歯に全部生え変わってかみ合わせが決まる時期、15歳前後で治療は大きく変わります。顎の関節が完成する前であれば後方に下がっている下顎を前に出す治療になります。

 

一方顎の関節が完成してからは下顎を前に出すのが難しくなります。(前にすぐ出てくるいれば、動きが悪い人もいます)そうなると、上の左右の歯を2本抜歯をして内側に下げる治療も選択肢になります。

 

 

スペースの問題がある場合はかみ合わせの前にスペースの問題を解決します。

出っ歯、上顎前突では顎の位置関係の問題の前に、スペースの問題があればまずはスペースの問題からアプローチします。

6~7歳の前歯のガタガタは「床矯正治療」

を参照してください。

床矯正おうちでネジを回して拡大

歯が並ぶスペースが足りなければ歯は前に出ていきます。スペースを作ってあげることで内側に歯が入っていきます。

 

他にも上の歯の並ぶスペースがないために内側に入った前歯が下顎を前に出さないようにブロックしている場合があります。

 

上の前歯は正しい位置なのに、下の顎が下がっているために子供が出っ歯になったとお母さんは連れてきます。その場合もまずはスペースを作って正しいアーチに上の歯を並べないと、下の顎は前に行きたくても出ていきません。

 

 

スペースの問題は6~7歳で開始をして9歳~10歳の犬歯の生え変わりまでに終わらせるのが成功のポイントになります。その時期を逃してしまうと顎の位置関係よりも歯を並べる治療に時間を取られていきます。スペースの問題と前後関係の問題を同時に治療するのは難しいです。

 

スペースに問題がなければ、マウスピース矯正で2回に分けて治療をします。

そこまで大きなスペースに問題がないか、床矯正の治療等でスペースの問題が改善されたのであれば員ザビラインファーストというマウスピース矯正のシステムで2回の治療のタイミングに分けて矯正治療をしていきます。

インビザラインフアーストは

6~8歳にかけて18か月前後行う1期治療

12歳以降から始める3年前後行うの2期治療

という2つの治療のタイミングがあります。

 

1期治療は6歳から8歳にかけて、「前歯の永久歯が3本以上生えたら」治療の開始が可能です。そこから18か月前後で歯並びを改善していく治療になります。

 

そこから永久歯に生え変わるまでの合いだ経過観察をしながら、また新たに成長の中で出てきた歯並びの問題を12歳前後の永久歯に生え変わったら2期治療という2回目の治療で改善します。

 

こうなる理由はシンプルにマウスピースが調整等ができないので、犬歯より後ろの乳歯が生え変わる9~12歳の時期に使用することができないからです。

インビザライン・ファーストについて詳しく知りたい方は下のリンクをご覧ください。

 

治療の流れ

初回は無料相談

初回は必ず無料相談です。お子さんの今の状態、なんでこうなってしまったか?これからどういったことが考えられるのかを説明します。特に上の顎が出ているのか?下の顎が下がっているのか?ということをお母さんが知ることが大事です。

 

資料集め

レントゲン撮影(パノラマ・セファロを含む)・型取り・写真撮影などをして必要な資料を合わせます。

 

スペースの問題がある場合

床矯正を使った拡大処置、金具(ブラケット)やワイヤーを使って歯を並べる治療があります。歯が並ぶスペースを作って並べるまでの治療は

6~7歳の前歯のガタガタは床矯正治療

と同じ治療になります。

 

 

スペースに問題がない場合インビザラインファースト、マウスピース型矯正を始めます。

スペースの問題がほとんどないか、床矯正等で改善したら、マウスピース矯正インビザライン・ファーストを始めます。9~10歳の犬歯が生えてくるまでに、まず歯を並べ、顎の前後関係の位置を改善します。約2年間治療を行います。

 

 

1か月に1回のペースで通院します。

床矯正やインビザラインの場合、1か月に1回のペースで通院をお願いします。

犬歯より後ろの乳歯の生え変わりの時期は3か月に1回で経過観察

この時期にはマウスピースを入れることができないので3か月に1回のペースで経過を観察します。ただし1本単位の新しく生えてきた歯の位置異常や、かみ合わせが後ろに下がっていくようであればそれ居合わせた治療をする場合があります。

永久歯に全部生え変わったら2回目のマウスピース矯正を開始します。

ここから3年程度を目安に、生え変わった永久歯の歯並びを整えてかみ合わせを合わせていきます。通院は月1回を基本としますが、忙しい中学・高校の時期なので、テストや大会などがあれば少し間隔をあけながら治療をしていきます。

 

 

治療費

スペースの問題がある場合

診断料

(レントゲン撮影・模型診査・写真撮影)

38,500円(税込み)
床矯正装置 片側  79,200円(税込み)
調整管理料 3,300円(税込み)

 

インビザラインファーストを用いた治療

1期治療(7~9歳の治療)

616,000円(税込み)
2期治療(12歳以降の治療)  440,000円(税込み)
調整管理料 調整管理料はありません

*インビザラインでは調整管理料込の費用になります。

*インビザラインの支払いでは分割での支払いが可能です詳しくは下のリンクをご覧ください。

6歳からのマウスピース矯正インビザラインファースト

 

メリット&デメリット

メリット

・下顎の前方誘導ができた場合矯正治療のための小臼歯抜歯を避けるか可能性が高くなります。

・下顎が前方に出ることで気道が開くので呼吸やいびき、姿勢等の改善がみられることがあります。

・前歯で食物をとらえやすくなります。

 

デメリット

・下顎の前方への誘導をする際に装置の装着時間を守らない、指示通りの使用をしない場合思うような結果が得られないことがあります。またそういった場合には最終的に小臼歯抜歯をした方が審美的にきれいに並ぶことがあります。

・顎関節が安定するまで積極的な治療をしなくても、経過を見る必要があるので治療が長期になることがあります

・下顎を後ろに押すような生活の癖があった場合、位置が安定しないことがあります。

 

上顎前突 出っ歯のQ&A

Q1:成人になると下顎を前に出すのは難しいですか?

難しいというよりも、出る人は出てくるし、出てこない人は出てこないといったことがあります。またそういった下顎が後ろに押し込まれている方の場合、顎関節症の症状(口があきづらい、痛みがある)があったり、関節の骨そのものにダメージがあり、時間をかけてゆっくり少しづつ動かしていく必要もあります。インビザラインをはじめとしたマウスピース矯正のいいところはマウスピースを入れることで歯がかみ合わないということがあります。ガチっと歯が噛んでいないので顎を前に出そうとするときに引っかからないので動きやすいので負担が少なく動かせます。またその時の力を調整できるのでその人の症状に合わせて治療のスピードが変わります。

またそういった年齢が上がるほど大変なのでかみ合わせの位置のずれは当院では早いうち、早い子供であれば乳歯の時とかに正しい位置に誘導してあげたりします。乳歯の子供とかは成人から見ればもともと動きやすいのもありますが断然早いですし、トラブルも少ないです。

成人になっている場合は「インビザライン」のページをご覧ください。

 

装置の説明はこちらをクリックしてください

 

Q2:顎関節症があるのですが矯正治療ができますか?

下顎が後ろに下がっている場合、顎関節も後方に押し込まれてしまい、問題がある場合があります。そういったケースの場合、口が開きにくい、痛みがあるなどの顎関節の症状がみられ、前方誘導していく中で関節のリモデリングができると前方に出てくる中でそれらの症状が改善する傾向になります。ただし動きには時間がかかる場合(動きが遅い場合とゆっくり動かして負担を少なくする場合があります)があり、生体の反応を見ながら進めていきます。

 

Q3:歯はきれいに並んでいるのですが、上の前歯が出ているように見えます。

歯ではなく歯の根元の部分の骨は、主にしっかり噛んで食事をすることで10歳くらいまでの間に成長します。しかし丸飲みしたり、前歯で咬むことをあまりしてないと、骨の前方成長ができないために、歯並びも顎の位置のかみ合わせの問題もないのに出っ歯に見えるということが起こります。

 

 

中学生以降でここが気になるというケースは、歯並びもかみ合わせも問題がないけれど、しっかり使えていない噛めていない機能の問題のために、抜歯で歯を内側に入れるという治療を選択せざるを得なくなります。

そのために当院では

10歳未満の子供達の矯正では食事指導をして正しい骨の発達を促すようにしています。床矯正治療においてもこういったために床矯正を使ったメカニカルな治療と、バイオセラピーという食j指導を中心とした機能面のアプローチを重視した治療を行っています。

 

また小児の矯正治療をする中でこういった機能面の話をすると「とにかく歯だけきれいに並べてください」というお母さんがいるのですが、きれいに並べても正しく使ってもらわなければこのようになってしまうので、そういったお母さんには無理に小児の時期に矯正治療をしないで、永久歯になってから抜歯で合わせるようにした方がいいのではないでしょうか?とお話をします。

 

 

まずはご相談ください。

仙台市泉区・富谷市からも近いただ歯科クリニックでは矯正治療の無料相談を行っています。(要予約)

電話:022-377-2350

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無断でのキャンセル・何回も予約を変更するなどがあった場合お断りすることがあります。

 

注意事項

*このページはただ歯科クリニックの子供の上顎前突・出っ歯の矯正についてのページです。他院での治療の方法、費用、考え方は違うことがありますのでご注意ください。またこのページの内容を無断で使用することは固くお断りいたします。

*医療法の改正に基づき術前術後の写真は掲載してません。無料相談時に類似症例を用いて説明をさせていただきます。

 



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