このページは乳歯の歯並びについてのページです。
このページで説明している内容は自由診療の範囲になります。
抜けてしまう乳歯の矯正治療は必要?
乳歯の矯正治療というとお母さんの中には一般的な矯正治療で使う歯に固定する器具を想像する方がいるかもしれません。そして「そんな装置を3~5歳の子供にはちょっと・・・。」とおもってもう少し待とうと思ってしまうお母さんもいるかもしれません。
まだ永久歯が生えていない乳歯の歯並びの問題は
「機能の発達」の問題で正しく成長ができていないために歯並びの問題が起こっているからです。
哺乳や離乳がうまくいかなかったために
離乳食が終わった後も
食べる時間が長い、いつまでももぐもぐ噛んでいる、丸呑みをしている、好き嫌いが多い・・・
そういった子供の口の機能の発達の遅れを改善するのがこの時期の矯正治療になります。
そういった問題には
写真のような取り外しができる既製のマウスピース装置を使います。
本来は食べることの問題は食事の中で改善していくのがいいですが
それだけではなく寝ている時にこういった装置をつけて
早く改善していくことになります。
寝ているとき+1時間の装着時間なので日中は何もつけなくていいです。
装置が付いていないので食事も問題なくできますし、運動も問題なくできます。
幼稚園や保育園での生活の負担にもなりません。
また歯ブラシも普通にできるので矯正をしていることで虫歯になりやすくなることもありません。
問題は口の機能の発達の遅れ
装置は「正しく成長している子供」の口の中を再現します。
赤ちゃんがズリバイ→ハイハイをして立っていくように
舌も生まれた時には前後に動かして哺乳をしますが、離乳食を食べる中で、前に出すのをやめて上に上がっていくようになります。
既製マウスピース装置を入れることで舌は正しい位置にいくようになります。
乳歯の反対咬合の多くは機能の問題
また乳歯の反対咬合の子供に
既製マウスピース装置を入れると
前に出ていた顎が後ろに下がる子が多くいます。
これは装置を入れて舌が正しい位置にいく、そのように成長させていれば噛み合わせは悪くならなかったということを示唆してます。つまり正しく成長できていたら噛み合わせは悪くなっていないということです。多分哺乳や離乳の中で何かうまくいかなかったことがあったということです。反対咬合を治すというより、そういったかみ合わせになった口の機能の発達の遅れを取り戻すということになります。
「歯並びよりも機能」という乳歯の矯正もう少し考えてみましょう。
乳歯の過蓋咬合・深いかみ合わせは噛めない
この写真を見て「この歯並びなら気にならない」と言うお母さんは多いと思います。
まず正しい成長をしていると乳歯の間には隙間がある歯並びが正解です。このままなら永久歯になったら確実にスペースが足りなくなります。
さらに乳歯の過蓋咬合・深いかみ合わせの子供たちは食行動で特徴的なことをします。
歯並び、噛み合わせの問題もありますが、食べることでも問題があります。これらの特徴的な傾向は「大きくなったらよくなるかな?」「今だけだろう」と思っていてもよくなりません。正しい成長ができていないから、歯並びにも食事にも問題があるわけです。
好き嫌いが多いというのも「味」ではなく、噛みにくいもの代表的なのは葉物とかの野菜と言ったものを苦手とします。うまく噛めないから流し込むために水を飲みます。そうなると上手に飲みこむ動きを覚えないので、飲み込むときに口を閉じられないので、食べこぼしが多かったり、クチャクチャしながら食べたりします。
乳歯に隙間はありますか?
乳歯のきれいな歯並びは隙間なくビッシリ並んでいる歯ではなく隙間がある歯並びが正しい歯並びです。
1981年の日本小児学会難波らは上の顎で3ミリ、下の顎で2.5ミリの隙間しかない乳歯の歯並びの子供の場合2/3で永久歯でスペースが足りなくなる。永久歯の歯並びの問題がないためには最低上の顎で6ミリ以上、下の顎で4.5ミリ以上のスペースが必要と報告してます。
乳歯でガタガタに並んでいる子供は永久歯でスペースが必ず足りなくなります。
乳歯の機能矯正で使用する装置
これらの装置の装着と、必要なトレーニング、食事指導等をさせていただきます。装置は何種類かありますがその子の機能を見たうえでこちらで選びます。装置の種類が変わることで費用は変わりません。
1⃣プレオルソ(既製マウスピース矯正装置)
プレオルソは岡山の矯正歯科医の大塚先生が開発された装置です。既製のマウスピース装置で歯並びに合わせてTYPEⅠ・Ⅱ・Ⅲの3種類の装置を使います。受け口や出っ歯、ガタガタの歯並びなど様々な問題に対応します。
・当院のブログのプレオルソの記事
【子供の矯正13】プレオルソはきれいな歯並びの子供の口の中【2017年10月19日更新】
【子供の矯正41】ただ歯科クリニックのプレオルソこども歯並び健康法【2018年2月19日更新】
2⃣T4K・myobrace(既製マウスピース矯正装置)
オーストラリアで生まれたTRAINER SYSTEM (T4K, MYOBRACE)を中心とした矯正法です。開発されてからもう20年近くの歴史があります。主に5歳から9歳までの乳歯の生え変わりの時期に一番の効果を発揮します。
オリジナルのTRAINER SYSTEMの矯正治療はT4K, MYOBRACEの装着だけでなく、上の歯の後ろにBWSという固定の装置をつけて機械的な力も加えながら治療をします。
3⃣EF-line(既製マウスピース矯正装置)
EF-lineはフランス生まれの装置です。
EF-lineは乳歯の歯が並ぶ3歳ごろから9歳ごろの時期に、歯並びを悪くしている唇や頬、舌などの機能を改善し、歯並びの改善、口の周りの表情・筋肉を活性化させ、正しい嚥下や呼吸を覚えさせる、本来の正常な姿に体を導くものです。
EF-line.のEはEducation(訓練)、FはFunction(機能)ということで、文字通りの機能訓練装置です。
EF-lineの説明動画です。
・ただ歯科クリニックのブログでのEF-LINEの記事です。
【子供の矯正12】EF-lineについて【2017年10月17日更新】
4⃣ムーシールド(既製マウスピース矯正装置)
3歳児から使用できる受け口(反対咬合)の装置です。こういった装置の中では歴史は古い方になります。口の周りの筋肉の不調和を整え、正常な筋肉の働きにして、正しい咬合に誘導する装置です。夜寝ているときに口の中に入れてもらいます。
ただ歯科クリニックは乳歯列期反対咬合を考える会に入っています。
乳歯の矯正の治療期間
乳歯の矯正は乳歯をきれいに並べる矯正ではなく、永久歯が生えた時に起こることが予想される問題を事前に改善する矯正です。治療期間も乳歯の時だけで治療をして完結するわけではありません。前歯の永久歯が生えてきたときに、歯の大きさやレントゲンでの外からはわからない骨の中の診断を行って、次の必要な治療に進みます。
乳歯の矯正の治療費用(税込み)
診断料 (レントゲン撮影、写真撮影、模型診査) |
16,500円 |
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既製マウスピース装置1個目 (プレオルソ・T4K・EF-line・ムーシールドなど) |
33,000円 |
2個目以降の既製マウスピース装置 | 16,500円 |
管理料・調整料 |
1,650円 |
メリット&デメリット
メリット
・正しい機能を獲得することで正しい成長・発育ができる
・正しい成長ができていなことで起こる「食べる」問題が改善する
・正しい機能が獲得できないことで起こるす睡眠の問題(いびきなど)の改善する
・正しい機能を獲得することで呼吸の問題の改善、鼻呼吸の獲得ができる
デメリット
・取り外しの装置なので毎日入れないと効果がない
・元々の機能の問題の大きさや、本人の発育の反応を期待するので効果にばらつきがある
・永久歯になっても治療が必要になる
Q&A
Q1:乳歯を隙間なくきれいに並べてほしいのですが矯正治療できますか?
あくまで当院での乳歯の矯正治療は永久歯になったときに今のままでは問題がある場合に対して行う矯正治療です。これから生えてくる永久歯を考えて正しい成長を誘導していくので、乳歯を隙間なくきれいに並べるというのは難しいと思います。
Q2:寝ているときに装置を入れても、朝はずれてしまいます。
既製マウスピース装置の多くは正しい発育をしている子供の口の中です。機能に問題があり正しい成長・発育ができていない子供が入れると苦しい装置です。寝ているときは無意識なので朝はずれているのは苦しいから外しています。苦しかったら無意識に外すので、気にせずに毎日入れて寝るようにしましょう。機能がついてくればできるようになります。
Q3:装置を入れているとよだれが垂れてきます。
これも先ほどのQ3と一緒で、つばを飲み込むときの舌の動きが間違った動きをしていると、装置を入れたときに正しい動きしかできないのでつばを飲み込めなくなってしまいます。正しい機能がついてくれば唾もたれなくなります。
Q4:装置を1年入れていても歯並び変化がありません。
既製マウスピース装置の目的は「正しい機能の獲得」です。正しい機能を獲得することで歯並びも動いてきます。元々の機能がかなり悪かったり、正しい機能の獲得に時間がかかれば歯並びに変化はありません。
Q5:こういった装置の矯正治療中に痛みはありますか?
装置を入れた最初の方でどこか装置がぶつかって痛いといったようなことはありますが、それ以降はほとんどないと思います。最初装置を口に入れているのも大変なぐらい機能が悪い子供はそもそも装置を口に入れるだけで精一杯でしっかり口を閉じるところまで入れることができません。
Q6:永久歯が生えてきてもこのまま装置を使うことは可能ですか?
基本的には前歯の生え変わりがはじまり、永久歯が生えてきたらもう一度レントゲン等をとったりして診査をして次の治療を決めます。例えば反対咬合、受け口などはレントゲンで分析をして必要出れば次の装置を使った治療に移行をします。またスペースの問題があるようなケースも床矯正等の治療に移行します。
他にも装置は標準的なアーチで作られているのがほとんどなので、「歯が大きい」といった先天的に要因がある場合は、標準のアーチより広くなるので、既製マウスピースだけでは並ばない可能性が出てきます。
一方診査をしたうえで大丈夫な場合では、こういった装置のみで歯の交換期も乗り切り問題のない永久歯列になったケースもありますが、お母さんや本人の希望で治療の継続をしていくというのは保証はできません。
Q7 子供のいびきが気になります。
呼吸の発達に問題がある子供は、睡眠時の問題が同時に起こることがあります。2018年より保険導入されている口腔機能発達不全症では、「いびき」もチェック項目の一つとなっています。すべてのケースではないですが下の顎が後方に下がって気道を閉塞している場合には、こういった既製マウスピースを使うことで正しい位置に下の顎が誘導されていくと、気道が開いて正しく成長がするのでいびき等の睡眠の症状も緩和されることがあります。
一方で扁桃肥大などの耳鼻科的疾患がある場合には耳鼻科での診断や治療をお願いすることもあります。
まずはご相談ください。
仙台市泉区・富谷市からも近いただ歯科クリニックでは乳歯の矯正の無料相談を行っています。(要予約)
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