【子供の歯並び予防27】【小児歯科5】舌小帯切る?切らない?


【2018年11月16日 5:00 PM更新】

こんにちは

仙台市泉区・富谷市からも近い ただ歯科クリニックです。

初めての方はブログの簡単な注意事項こちらの記事に目を通してください。

 

今日は舌小帯というベロの裏の筋のお話です。

 

もくじ
⓵舌小帯って何?
②最近は芸能人でも切る舌小帯
③昔は生まれてすぐ問題があれば切っていたけど・・
④発音に問題があるとき
⑤歯並びに問題がある場合
⑥機能訓練か?切除か?
⑦まずは問題があれば歯科医院に相談しましょう。

 

⓵舌小帯って何?

舌小帯というのは鏡で見てもらうと、口を開いた時にベロを上に上げて、裏側に見える筋のことをいいます。

 

舌小帯

 

写真のような筋です。この舌小帯の付着している部位が悪いと切除をしなければいけないことがあります。

 

また舌小帯に問題のある子供は

舌小帯に問題がある子供のあっかんべーこのように「あっかんべー」と舌を前に出すと筋に引っ張られてベロがハート形になってしまいます。

 

②最近は芸能人でも切る舌小帯

舌小帯の位置が悪いと、舌がうまく動かせないので一番の問題は発音上の問題が出ることです。個人名は伏せますが、80年代のトップアイドルの方もデビュー前に切ったという話もありますし、最近では某有名女優や、日曜の8時くらいに世界中に行ってQされている方の相方も切ったりしているそうです。この辺りはネットで調べるとすぐ出てくると思うので誰か知りたい方はネットで調べましょう。

 

こういった成人になってから切る人は、活舌が悪く仕事に支障が出る人が切ることが多いようです。

 

③昔は生まれてすぐ問題があれば切っていたけど・・

以前は出生直後や新生児期に舌小帯が問題で母乳を吸う動きに支障が出るからと切ることがあったようですが、日本小児科学会等でも今は医学的な根拠がないとされているようです。

乳幼児突然死症候群(SIDS)との関連性があるという意見もあるようですが、学界的にはそれも否定をされているようです。

この辺りは歯科の範囲ではないので基本的には医科の先生の判断におまかせします。

 

参考までに

日本小児科学会 舌小帯短縮症に対する手術的治療に関する現状調査とその結果

 

ただ生まれた時点で舌小帯に問題がある子供の場合、哺乳や離乳で問題があることも多いです。その場合哺乳・離乳でも飲んだ・食べたではなく、どのように口を使っているか、使えてない場合はどういったことをしていかなければいけないかを見ていなかいといけません。

 

では歯科で切らなければいけないときはどんなときでしょう?

 

④発音に問題があるとき

歯科的に舌小帯を切らなければいけないのは先ほどの芸能人も同じなのですが発音障害、しゃべりづらい言葉がある場合に切除を検討しないといけません。特にタ行・ナ行・ラ行などの舌を上に上げて発音しないといけない言葉が話せない場合には舌小帯と関係がないかみないといけません。

 

ただしこれもしゃべりづらい言葉がある=切除ではなく、機能訓練等で改善するという報告もあります。しかしこういった訓練・トレーニングはお家でやってもらうものなので、あまり協力的でなかったりすれば改善しないものですべてのケースを機能訓練で改善するというものではないと思います。

 

⑤歯並びに問題がある場合

6歳過ぎてからの永久歯の萌出で歯並びに問題がある場合、矯正治療を行っていくようであれば舌小帯の切除を検討しないといけません。舌が正しく動かせないということはそれによって様々な機能の問題呼吸の問題があります。そういった問題がそのままではこの後の正しい成長が望めませんし、仮にきれいな歯並びになってもその歯並びはその子にとって使いづらい歯並びになります。

 

また一つの基準としては

口を開けたときに舌小帯の問題の有り無しをチェック

このようにベロを上に上げて口を開いた場合と、普通に口を開けたときに、2倍くらいの口の開き方に差がある場合は切除を検討することになります。舌小帯の位置が悪くても口の開き方に差がなければ切る必要は当院ではありません。

 

これは上に上げるというのは正しい舌のポジションです。舌小帯に問題がない子供はベロを上げても下げても口の開く量にはほぼ変わりがありません。そういった子供と同じように動かせないということは何らかの機能の未発達、問題があることを示唆しています。

 

⑥機能訓練か?切除か?

先ほども申しましたが、わざわざ切らなくても機能訓練で解決することもあるのも事実です。ただし機能訓練、家でのトレーニングをみんなしてくれるかどうかとなるとそれも確実ではありません。

 

特に哺乳・離乳期は「食べてくれたら・飲んでくれたらOK」となってしまうと舌を正しく動かせるようにはならないと思います。特に舌小帯が悪い位置にある場合は、食べづらい、飲みづらいということが起こりやすいのでそういった中で、いかに毎日の食事で根気強く動かすように「どんなの見方をしているか」「どんな食べ方をしているか」お母さんが細かく見て対応をしないといけません。食べづらそうだから食べやすく食形態を変えてしまうと食べてはくれますが、舌小帯は残ってしまうと思います。

 

当院では3~4歳の歯科治療に慣れていない段階で麻酔をして切除というのはやはり子供さんにも負担が大きいのでまずは機能訓練をしてみます。それでも改善がなければ生え変わりの時に乳歯の抜歯で麻酔に慣れてもらってから切除というのもあると思います。

 

逆に矯正治療の邪魔になるような場合で、もう8歳9歳くらいになってそこから訓練だけでというのもちょっと難しいように思います。訓練を始めたからよくなるということではなく、効果そのものが出るにも時間がかかります。矯正そのもののタイミング等も検討してこういった年齢であれば切除から始めたほうがいいように思います。

 

また切除には麻酔が必要ですので乳歯の抜歯とかをするときに麻酔にびっくりして泣いて暴れまわるような子供には危なくてできません。

 

参考までに

JSPP 全国小児歯科開業医会 小帯に関する全国小児歯科開業医会の考え方

 

⑦まずは問題があれば歯科医院に相談しましょう。

舌小帯の問題はお母さんが見つけるというよりも、

・いつまでもしゃべれない単語がある

・舌っ足らず

・あっかんべーするとベロの形がはーとでかわいい

といったことで何かおかしいといったことを調べるとわかることが多いです。

 

 

また実際に切除まで行くようなケースはすごいい多いわけでもなく、極端に言えば発音が悪くて歯並びに問題があっても矯正しないような場合には切除の必要があってもきらないでそのままということもあります。

ただ医科の方で新生児での切除の必要性が否定されているから、こういった歯科的に必要なケースの切除も否定せれるべきではないということです。実際活舌の問題で成人になってから切る人もいます。

 

本当に必要なケースかどうかはしっかりお医者さんや歯医者さんに診てもらったうえで判断しましょう。

 

 

まずはご相談ください。

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お子さんの歯並びが悪くなる癖や呼吸、食事などの生活の問題があります。きれいな歯並びを願うお母さんの思いだけでは正しい発育はできません。問題は口がぽかんと空いている子供に「口を閉じなさい」といっても解決しない様々な間問題が絡み合った複雑なものです。

子供の歯並びを悪くする癖・生活・食事について考えてみませんか?


注意事項

*このページはただ歯科クリニックのブログです。あくまでも当院のの考えに基づいて書かれているもので、他院では診断・治療法・介入のタイミング等は違うことがありますのでご注意ください。

*このページの内容を無断で使用することは固くお断りいたします。

*医療法の改正に基づき術前術後の写真は掲載してません。無料相談時に類似症例を用いて説明をさせていただきます。




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