【2024年1月17日 11:00 AM更新】
こんにちは
仙台市泉区・富谷市からも近いただ歯科クリニックです。
初めての方はこのブログの簡単な注意事項こちらの記事に目を通してください。
今日は上唇小帯・舌小帯という口の中にある部位のお話です。
もくじ
①上唇小帯とは?舌小帯とは?
②どういった時が問題?
③最初はみんな太い上唇小帯
④舌小帯はない子はないし、ある子はある
⑤上唇小帯も舌小帯も6~7歳に切るのを判断します。
⑥切ったら治るのではなく、前後のトレーニングが大事
⑦まずは気になったら歯医者に相談
①上唇小帯とは?舌小帯とは?
上唇小帯(上唇小帯)とは上の唇をめくるとあるスジのようなものになります。
舌小帯(ぜつしょうたい)は、上唇小帯のような唇の裏につくものではなく、舌を上にあげたときに前歯の後ろあたりから舌に向かって伸びているスジのことを言います。
②どういった時が問題?
上唇小帯も舌小帯もあること自体は問題ではありません。
上唇小帯が太かったりすると前歯の歯と歯の間位に入るので前歯が閉じない「すきっぱ」の状態になります。
舌小帯は太かったりすると、舌の動きが制限されるので一番問題になるのは発音の問題、また舌が動かないことから食べる発達も遅くなったりします。一部の子供は生まれてすぐ、舌小帯が太くてうまく哺乳ができない場合産婦人科での判断で切ることもあるようです。
③最初はみんな太い上唇小帯
上唇小帯は最初はみんな太くなっています。それは哺乳の時に唇で乳首を抑えやすくするためです。その後離乳食を始めていく中で徐々に細くなっていきます。
3歳くらいまでは太くて問題はないのですが、永久歯が生える6~7歳にかけてなくなってくるといいと思います。基本的には離乳食から前歯を使っていけば消えていくものです。
④舌小帯はない子はないし、ある子はある
一方で舌小帯は、上唇小帯のようにみんな最初は太いというものではなく、ない子はないし、ある子はあるものです。
特に生後直後に舌小帯が邪魔で哺乳が難しい場合は産婦人科で切ったりすることがあるようです。それ以降は舌小帯に問題があって、哺乳や離乳食で問題があっても切らないで様子を見ていくことが多いようです。ただし舌小帯が太いということで食事に問題が出てくる子供は多いみたいです。また発音でもしゃべりにくい言葉というのが出てきますが、こちらの判断は5歳以降に見ていきます。
上唇小帯はみんな太いのが消えていくものですが、舌小帯はある子とない子に分かれます。
⑤上唇小帯も舌小帯も6~7歳に切るのを判断します。
そういったことから、6~7歳で切除する・しないを考えたほうがいいと思います。
上唇小帯の場合は乳歯ではなく永久歯の前歯が生えたときに邪魔をしていないか、前歯が閉じない原因になってないかで切除をすると思います。
舌小帯は同様に6~7歳で、食事や発音での問題があれば切除を検討したほうがいいと思います。
この時期に切除を考えるひとつは、切除自体がそれほど難しい処置ではありません。最近では当院でもレーザを使用すするので、メスでの切除と違って出血を抑えて、縫合もしないで切れるので、6さいくらいであれば年齢的にも難しくない処置になります。
またその際に麻酔が必要になるのですが、麻酔は乳歯の抜歯で練習できるので、その時に泣くくらいはいいですが暴れたりしなければ、こういった小帯の切除も問題なくできると思います。
⑥切ったら治るのではなく、前後のトレーニングが大事
ただし両方とも切ったら治るというものでもありません。
上唇小帯は
「本来は正しい発達とともになくなるもの」です。
つまり切っても正しい口の使い方をしていないと戻ります。
舌小帯の場合は元々の付着がいい悪い等があるので、切った後というより切る前からのトレーニングがかなり大事になります。そうしないとすスジが戻ってきたり、癒着といった状態になりより動かしにくくなります。
切るのは6歳前後とはいえ問題があった場合は早めに見せて、切除の時期に向けてトレーニング等の予定を立ていく、切除後も継続管理していく必要があります。発音等の問題があるようであれば、言語聴覚士との連携とも必要になるかもしれません。
また正常な発達が足りない、うまくいっていないために小帯が消えない、うまく動かないのであると食べる話す等の機能の問題があれば「口腔機能発達不全症」という口の機能の発達の問題があるかもしれません。
【口腔機能発達不全症3】虫歯治療とまた違う小児歯科のアプローチ
⑦まずは気になったら歯医者に相談。
上唇小帯・舌小帯共にまずは「おかしいな」と思ったり、健診等で指摘をされた場合はまずは歯科医院に見てもらいましょう。まずは見せておくことで、適切な時期の介入や、「口腔機能発達不全症」のようなほかの問題が見つかったりするかもしれません。
注意事項
*このページはただ歯科クリニックのブログです。あくまでも当院のの考えに基づいて書かれているもので、他院では診断・治療法・介入のタイミング等は違うことがありますのでご注意ください。
*このページの内容を無断で使用することは固くお断りいたします。
*医療法の改正に基づき術前術後の写真は掲載してません。無料相談時に類似症例を用いて説明をさせていただきます。
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