離乳食の口の発達と感覚統合を知ると食べこぼしが多い幼児は”発達のサイン”─(感覚統合 × 口腔機能からやさしく理解する【17】)


【2026年4月11日 8:00 PM更新】

こんにちは

仙台市泉区・富谷市からも近いただ歯科クリニックです。

初めての方はこのブログの簡単な注意事項こちらの記事に目を通してください。

 

こんなお悩みないですか?

お母さんからよくいただくご相談のひとつに、

「食べこぼしがとても多くて心配です……」
「同じ月齢の子はきれいに食べているのに、うちの子は服まで汚れてしまう」
「発達がゆっくりめの子は食べこぼしが出やすいと聞いたけど本当ですか?」

というものがあります。

まず、いちばん最初にお伝えしたいのは、

“食べこぼしが多いのは育て方の問題ではありません。”

お母さんが悪いわけでは一切ありません。

むしろ、いま気になって調べようとしている時点で
お子さんにとって最高のお母さんです。

今日は、食べこぼしが多い幼児に隠れている
口腔機能発達・感覚統合・姿勢 のつながりを
お母さんにわかりやすく、優しく、丁寧に解説します。

さらに、今日から家でできるケアもたっぷりご紹介します。

1. 幼児の食べこぼしはよくある。でも“理由を知る”と安心できる

食べこぼしは、1〜3歳ではとてもよくみられます。
月齢を追って少しずつ減っていくのが一般的ですが、

  • 3歳を過ぎても多い

  • 同じ月齢の子に比べて特に多い

  • 発語やよだれの多さも気になる

という場合は、
口腔機能や感覚の発達がゆっくりめ である可能性があります。

もちろん「ゆっくりめ」というだけで、
問題があるわけではありません。

ただ、
“どこが得意で、どこが苦手なのか”
を知ると、
おうちでの関わり方がグッと楽になります。

2. 食べこぼしが多い理由① 口唇発達がまだ育ちきっていない

■ 口唇(くちびる)は、離乳期から大きく発達する

離乳食は「飲む → 食べる」へ切り替わる大きなステップ。
この過程で、くちびるはこんな役割を練習します。

  • スプーンを唇で挟んで閉じる

  • 食べ物を口の内側にとどめる

  • 口角を使ってこぼれにくくする

しかし、発達のペースは子どもによって違います。

■ こんな特徴がある子は唇の発達がゆっくりめ

  • スプーンを入れると口が大きく開く

  • 食べ物が前にこぼれやすい

  • 唇を閉じる力(口唇閉鎖)が弱い

  • 麺類、汁物をこぼしやすい

これは「お母さんの離乳食の進め方が悪かった」わけではなく、
筋肉や感覚の発達のペースがその子らしいだけです。


■ 離乳初期の“スプーンの入れ方”が後の発達にも影響することがある

たとえば、

  • 唇でつまむ前にスプーンで拭う癖がついた

  • ごっくん期が短く、舌の前後運動の練習が不足した

  • 早めの形状の離乳食に移行して咀嚼が追いつかなかった

などの場合、唇が働く機会が少なかった可能性があります。

でも安心してください。

唇の発達は「後からでも十分に取り戻せる」ものです。

最初の離乳食がどうだったかよりも、
“これからの刺激”のほうがずっと大事です。

3. 食べこぼしが多い理由② 舌の使い方が未熟

食べ物を奥に運ぶ動きは舌の大仕事です。

舌の動きが未成熟だと、

  • 口の前に食べ物が溜まる

  • 左右への送り込みが難しい

  • 飲み込むタイミングがわからない

  • 飲み込む前にこぼれる

ということが起こります。

■ 舌の発達は離乳期の「モグモグ」で鍛えられる

  • 舌を左右に動かす

  • 上に持ち上げる

  • 食べ物をまとめる

これらは、柔らかすぎる離乳食ばかりだと練習できません。

逆に、
「その子の発達に合った硬さ・大きさ」
であれば、自然に育ちます。

4. 食べこぼしが多い理由③ 姿勢の不安定さ(固有覚の弱さ)

これは非常に見落とされがちですが、
小児歯科ではとても重要視するポイントです。

■ 姿勢が崩れると、食べこぼしは増える

  • 体が左右に倒れる

  • 足がブラブラして安定しない

  • 机に寄りかかる

  • 頭が前に落ちる

姿勢が安定しないと、
舌・唇・顎が正確に動けなくなるためです。

■ よく見られる「固有覚がゆっくりめ」のサイン

  • よく転ぶ

  • 走るとバランスが崩れやすい

  • 椅子でじっと座っていられない

  • 手先の作業が苦手

“固有覚(体の位置を感じる力)”が育つ途中だと、
身体をまっすぐ保ちにくく、
その結果、食べこぼしが増えることがあります。

お母さんの育児とは無関係の「感覚発達」の問題です。

5. 食べこぼしが多い理由④ 口の感覚(触覚)が育ち途中

口の中が敏感すぎたり、逆に鈍かったりすると、

  • 食べ物の位置がわかりにくい

  • もう少しでこぼれそうな感覚に気づけない

  • 固いものを避ける

  • やわらかいものばかり食べる

という傾向があります。

■ 過敏タイプの例

  • 歯ブラシを嫌がる

  • ドロッとした食材を嫌がる

  • 初めての食材で吐き出しやすい

■ 鈍麻タイプの例

  • 口があいていてよだれが多い

  • タオルや指を噛みたがる

  • 大きな一口で入れたがる

どちらのタイプも、
口の感覚がうまく働いていないために食べこぼしが起こる
ことがあります。

6. 今日からできる!食べこぼしを減らす感覚統合 × 口腔機能ケア

ここからは、お母さんが“すぐにできるものだけ”を紹介します。

 ① 唇を鍛える「お口遊び」

● ストロー遊び

・太さを変える
・綿やティッシュを吹いて飛ばす

● プリンカップの“くわえ遊び”

→ 唇の閉じる力(口唇閉鎖力)がアップ。

 ② 咀嚼を育てる「噛む練習」

● おすすめ食材

  • 蒸しにんじん

  • 角切りりんご

  • 海苔

  • バナナの厚切り

“その子の発達に合った硬さ”を見つけることがポイント。
急に硬いものは逆効果です。

③ 姿勢を整える固有覚あそび

● 椅子に座る前に“体を起こす”遊び

  • 手押し車

  • スクワット抱っこ

  • くまさん歩き

  • バランスディスクの上で立つ

どれも1分程度でOK。
姿勢が安定すると、口の動きが別人のように変わります。

 ⑤ 食事環境の整え方

  • 足がしっかり地面につく椅子

  • テーブルの高さを肘90度に

  • 顔が前に落ちないように座面を調整

  • 早すぎる声かけをしない(焦らせない)

「環境を整えるだけ」でこぼれにくくなる子はとても多いです。

7. 離乳食期から見逃さないためのチェックリスト

■ 離乳初期(ごっくん期)

  • スプーンを唇で挟んで取れる

  • 舌が前に押し出されない

■ 中期(モグモグ期)

  • 舌が左右に少しずつ動く

  • 食べ物をまとめて飲み込める

■ 後期(カミカミ期)

  • 舌で奥歯へ食べ物を送れる

  • 顎がリズムよく上下する

  • 手づかみ食べが増える

チェックするのが遅れても大丈夫。
今の月齢で必要な刺激を足すだけで、発達は進みます。

8. 実は「発達がゆっくりめ」の子に多いこと

食べこぼしが多い子には、

  • 固有覚が育ち途中

  • 感覚の偏り(過敏・鈍麻)がある

  • 食べる姿勢が安定しにくい

  • 舌の動きがゆっくり

  • 手先の動きもゆっくり

  • ことばの発達もゆっくりめ

という特徴を“すこしだけ”持っている子がいます。

でもこれは、
問題ではなく、その子の発達順序がゆっくりなだけ。

適切な刺激で必ず伸びます。

そして何より、
こうして気づいてあげられるお母さんの力が大きいです。

9. いつ歯科を受診したらいい?

次のような場合は、小児歯科や口腔機能発達外来でのチェックをおすすめします。

  • 3歳を過ぎても食べこぼしが多い

  • よだれが多い、口があいている

  • 舌が前に押し出される癖がある

  • 食べるのがとてもゆっくり

  • 咀嚼が弱い、すぐ飲み込む

  • 発語がゆっくりめ、サ行が言いにくい

歯科では、
舌・唇・顎の動き、姿勢、感覚、呼吸
までまとめて評価し、発達をサポートできます。

まずはご相談ください。

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注意事項

*このページはただ歯科クリニックのブログです。あくまでも当院のの考えに基づいて書かれているもので、他院では診断・治療法・介入のタイミング等は違うことがありますのでご注意ください。

*このページの内容を無断で使用することは固くお断りいたします。

*医療法の改正に基づき術前術後の写真は掲載してません。無料相談時に類似症例を用いて説明をさせていただきます。




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