小児歯科お悩み相談室【22】口腔機能発達不全症の子に、子育てでできる“ひと工夫


【2026年5月26日 8:00 PM更新】

こんにちは

仙台市泉区・富谷市からも近いただ歯科クリニックです。

初めての方はこのブログの簡単な注意事項こちらの記事に目を通してください。

 

こんなお悩みないですか?

「ミルクを飲むのが疲れやすい」
「離乳食を口に入れても、押し出してしまう」
「もぐもぐが続かない」
「口がポカンと開きやすい」

保育者やお母さん・お父さんが日々感じる小さな“気づき”は、口腔機能の発達の遅れを見つける大切なサインです。
最近、歯科の臨床でも増えているのが 口腔機能発達不全症

これは「食べる・飲む・話す」などの機能がうまく育たず、日常生活に影響が出てくる状態です。

しかし、心配しすぎる必要はありません。
多くの子は、生活の中の“ひと工夫”で大きく改善していきます。
特に哺乳・離乳期は、感覚統合(前庭覚・固有覚・触覚)が急速に育ち、これが 舌や唇の発達に直結します。今日は、保育者の方や子育て中の方が 今日からできるサポート を、歯科医師の立場からやさしくお伝えします。

■ 1. なぜ口腔機能は“育ちにくくなる”の?

まず押さえておきたいのは、
口腔機能は「口だけ」で育つわけではない ということ。

舌や唇の動きは、

  • 姿勢の安定

  • 感覚の発達(前庭覚・固有覚・触覚)

  • 呼吸のパターン

  • 抱っこされるときの身体の使い方

などと深くつながっています。

たとえば姿勢が不安定だと、舌を前に押し出してしまったり、
触覚が敏感だと、スプーン自体を拒否してしまったりします。

つまり、
「食べにくい=口の問題」ではなく「体と感覚の発達の問題」
であることが多いのです。

■ 2. 哺乳の“ちょっとした工夫”で、舌の動きが変わる

哺乳は、赤ちゃんの口腔機能を育てる最初のステップです。

● 舌を動かしやすくする抱っこのコツ

  1. 背中を丸くしてカーブを作る
    → 頭が安定しやすく、舌の動きが整う。

  2. 頭と骨盤を同時に支える
    → 首が座っていない時期でも飲みやすくなる。

  3. 大きく揺らしすぎない
    → 前庭覚が過剰に刺激され、反り返りが強くなる。

● ミルク嫌いに見える赤ちゃんの多くは

実は「飲みにくいだけ」
哺乳姿勢が整うだけで驚くほど飲めるようになるケースは多いです。

■ 3. 離乳初期は“椅子選び”と“座り方”で9割が決まる

離乳で多い相談が
「べーっと押し出す」「もぐもぐしない」「すぐ疲れる」。

その多くが、姿勢の崩れからくる舌の使いにくさです。

● 離乳初期の座り姿勢チェック

  • 足裏がついている

  • 骨盤が後ろに倒れていない

  • 膝・股関節・足首が90度

  • 肘がテーブルに軽く触れる

  • 背中が“面”で支えられている

この姿勢ができると、舌の上下運動がスムーズになり、
食べ物を押し出すクセが自然と減ります。

■ 4. 感覚統合の視点で考える“ひと工夫”

口腔機能と感覚はつながっています。
特に次の3つが“食べる力”に大きく関わります。

① 触覚

スプーンを嫌がる・食材ごとに表情が変わる子は触覚に敏感な傾向。

家庭でできるひと工夫

  • ほっぺをタオルで優しく拭く

  • 指でくるくる触れて「口周りの安心感」を作る

  • 手づかみ食べで素材に慣れる時間を作る

② 固有覚

体の安定性が低いと、舌が正しく動く前に疲れてしまいます。

家庭でできるひと工夫

  • 足台をしっかり使う

  • 座面に薄いクッションを敷き骨盤を立てる

  • 食べる前に軽い“ぎゅっ”の圧刺激を入れる

③ 前庭覚

前後左右に揺れすぎる子は、舌が緊張しやすく食べにくさが出がち。

家庭でできるひと工夫

  • 大きく揺らす抱っこを控える

  • 座位時に頭の位置を「真ん中」に保つ

  • ゆっくりしたリズムの抱っこで落ち着かせる

■ 5. よくある“食べにくい”サイン

以下のサインが複数ある場合、口腔機能発達不全症の可能性があります。

● 哺乳

  • 飲むとすぐ疲れる

  • むせやすい

  • 反り返って飲みにくそう

● 離乳

  • べーっと押し出す

  • ゴックンが遅い

  • 食べ物の形状によって激しく拒否する

● 日常

  • よだれが多い

  • 口がポカンと開きやすい

  • 姿勢が崩れやすい

どれも“発達の遅れ”を責めるサインではなく、
身体が助けを求めている合図です。

■ 6. 子育てでできる“継続しやすいサポート”

● ① 食事の前に「姿勢スイッチ」

  • 足裏をつける

  • 骨盤を立てる

  • 頭の位置を真ん中に

これだけで、口の動きが激変します。

● ② 「ゆっくりペース」の安心感

感覚の敏感な子は、人より“準備時間”が必要です。
急がず、ペースを合わせるだけで拒否が減ります。

● ③ 手づかみ食べを積極的に

触覚・固有覚の発達に欠かせません。
散らかったって大丈夫。
“食べる土台”を育てる最重要ステップです。

● ④ 抱っこで「背中を丸く」

外出時、飲みにくさが出る子に有効。
反りが減り、舌がよく動きます。

● ⑤ 完璧を目指さなくていい

大切なのは「毎日少し続けられる工夫」です。
積み重ねが口腔機能を確実に育てます。

■ 7. 子どもを責めない関わりが、発達を一番助ける

「食べてほしいのに食べない」
「同じ月齢の子より遅れている気がする」

そんな不安は当然です。

でも、赤ちゃんはわざと食べないのではありません。
“できない理由が身体の中にあるだけ”

だからこそ、保育者・保護者の「気づく力」と「寄り添い」が、
その子の未来の口腔発達を大きく支えます。

私たち歯科医師の役割は、
その気づきを一緒に整理し、
家庭でできる方法を一緒に見つけていくことです。

悩んだ時は、どうか一人で抱え込まず相談してください。

まずはご相談ください。

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注意事項

*このページはただ歯科クリニックのブログです。あくまでも当院のの考えに基づいて書かれているもので、他院では診断・治療法・介入のタイミング等は違うことがありますのでご注意ください。

*このページの内容を無断で使用することは固くお断りいたします。

*医療法の改正に基づき術前術後の写真は掲載してません。無料相談時に類似症例を用いて説明をさせていただきます。




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