子どもが「唇を巻き込む癖」をしてしまうのは離乳期の名残り?─(感覚統合 × 口腔機能からやさしく理解する【19】)


【2026年4月21日 8:00 PM更新】

こんにちは

仙台市泉区・富谷市からも近いただ歯科クリニックです。

初めての方はこのブログの簡単な注意事項こちらの記事に目を通してください。

 

こんなお悩みないですか?

幼児期のお子さんの口元を見ていて、

  • 食事中に下唇を噛んで巻き込む

  • ぼーっとしていると上唇を中に巻き込んでいる

  • 緊張すると口が“ムギュッ”とすぼまる

そんな様子が気になっていませんか?

実はこの 「唇を巻き込む癖」 は、決して珍しいものではなく、
“離乳期に誰もが経験する正常な動き(顔面歯胚神経の嚥下)”の名残り であることが深く関係します。

そして、少しだけ 口の機能の発達がゆっくりなお子さん
感覚統合の特性がある子 に、特に長く残りやすい習慣でもあります。

今回のブログでは、

  • なぜ唇を巻き込む癖が出るのか

  • 離乳期の嚥下との関係

  • 口腔機能発達不全症や歯並びとの関連

  • ご家庭でできる優しいアプローチ

これらを、
「自分の育児が否定されないこと」
「理解して納得できること」
「すぐに実践できること」
を大切にしながらお話ししていきます。

【まず安心してください】唇を巻き込む癖は“お母さんのせいではありません”

「癖」と聞くと、
“間違っている”
“直さなきゃいけない”
と感じるお母さんも少なくありません。

でも、これだけは冒頭でお伝えします。

✔ 唇を巻き込む癖は、発達の過程で“誰でも一度は通る動き”です。

これは「乳児嚥下(赤ちゃんの飲み込み)」の名残りであり、
成長するにつれ自然に消えるものです。

ただし、
口の筋肉や感覚の発達が少しゆっくりなお子さんでは、
この動きが長く続いてしまうことがあります。

お母さんの関わりや育児方法ではなく、
身体の発達のスピードの違い なんです。

だから、安心して読み進めてくださいね。

【なぜ巻き込む?】離乳期に必ず行う“顔面歯胚神経の嚥下”とは

人は離乳期に
「乳児嚥下」→「成人嚥下(成熟嚥下)」 への大きな転換を迎えます。

この変化の途中で誰もが体験するのが、
唇を内側に巻き込んでゴックンする動き です。

●乳児嚥下では

  • 唇を強く閉じる

  • 口の中の圧で飲み込む

  • 下唇を内へ巻き込む=正常な反応

→ ここに「顔面歯胚神経(VII)」が深く関わります。

●成熟嚥下では

  • 唇を巻き込まない

  • 舌と喉の筋肉で飲み込む

  • 頬や唇の使い方が変わる

本来はこの変化が少しずつ起こりますが、
口腔機能発達がゆっくりな子では “乳児嚥下の名残り” が長く残る のです。

【感覚統合の視点】唇を巻き込むのは“感覚の調整”であることも多い

発達がゆっくりなお子さんや、
少し感覚の特性があるお子さんでは、

✔ 口周りの触覚が敏感

✔ 逆に鈍くて「刺激を探している」

✔ 固有覚(筋肉の位置を感じる力)が弱い

✔ 姿勢が不安定で“口で支える”補助動作が必要

こういった状態が重なると、
唇を巻き込むことで安心感を得ている 場面がよくあります。

これは、手をギュッと握る、袖を噛むなどと同じく
不安定な身体を落ち着けるための自己調整の一つ として見られる動きです。

なので、
「癖」=「悪いもの」
と捉えなくて大丈夫です。

【歯科的な視点】巻き込み癖が残るとどうなる?歯並びとの関係

唇を巻き込むことで起こりうる影響は以下のとおりです。

1. 下唇を強く巻き込む → 下の前歯が後ろに倒れやすい
2. 上唇を強く巻き込む → 上の前歯が前に押されやすい
3. 口唇閉鎖が弱い → 口呼吸になりやすい
4. 舌の動きが育たない → 食べる・話す機能に影響

もちろん全員に起こるわけではありません。

でも、
口腔機能発達不全症 のリスクを少しだけ高めるため、
早めに優しいサポートを始めておくと安心です。

【ご家庭でできる】怒らず・急がさず・“やさしく育てる”ケア

ここからは、お母さんが「今日から」できるケアだけを紹介します。
叱ったり、無理にやめさせたりする必要はまったくありません

① 唇の感覚を整えるマッサージ

(感覚統合 × 口腔機能トレーニング)

  1. ほっぺを手のひらでやさしく包む

  2. 口角から耳に向かってスーッとなでる

  3. 唇の上下を指先で軽く“ポンポン”

→ 触覚の過敏・鈍麻のどちらにも効果的です。

② ストローを使った遊び

(固有覚 × 口唇閉鎖の発達)

  • ストローで綿毛を吹く

  • お風呂でストローの水鉄砲

  • ジュースを太いストロ―から細いものへ

→ 唇を巻き込む代わりに「閉じる力」が育ちます。

③ もぐもぐ遊びで「口の筋肉の地図」をつくる

(舌・頬・唇の協調)

  • 大きなあいうえお

  • 水を口に含んで頬の中で左右に転がす

  • 海苔・干し芋・グミで“噛む位置を探す遊び”

→ 食べこぼしや噛みにくさの改善にもつながります。

④ 姿勢改善が実は一番効果的

(固有覚 × 体幹 × 嚥下姿勢)

唇巻き込み癖がある子の多くが
“姿勢の基礎が弱い” という共通点があります。

お家でできる姿勢遊びは:

  • バランスボールに座る

  • お布団でゴロゴロ転がる遊び

  • 四つ這いでトンネルくぐり

  • 段ボール押し(重いものを押す・固有覚遊び)

身体の安定性が高まると、
口の周りの余計な緊張が減り
唇の巻き込みが自然と減る ことが多いです。

■【いつ相談したらいい?】

以下のような状態が続く場合は、歯科で相談するとより安心です。

  • 食事中にほぼ毎回巻き込む

  • 前歯の歯並びに変化がみられる

  • 食べこぼしが多い

  • 口がいつも開いている

  • 言葉がはっきりしにくい

  • よく転ぶ/姿勢が不安定

これは「問題」ではなく
身体のメッセージ です。

早い段階で気づけたことは
お母さんの素晴らしい観察力の証拠です。

■【まとめ】唇を巻き込む癖は“身体が育つ途中のサイン”

――焦らず、やさしくサポートを

唇を巻き込む癖は

  • 離乳期の正常な嚥下の名残り

  • 発達のスピードがゆっくりな子に残りやすい

  • 感覚統合(触覚・固有覚)と深く関係

  • 姿勢や口の筋肉の発達と結びつく

  • ご家庭でできるケアで改善しやすい

このような特徴があります。

お母さんが気づけたこと、
この記事を読んで「知ろう」と思えたことは、
お子さんにとって何よりのサポートです。

歯科医師として、
そして子どもの発達を専門に見る立場としてお伝えしたいのは、

✔「癖」は悪いものではなく、成長の過程

✔ 気づいたときが、その子のペースに寄り添うチャンス

✔ お母さんの育児は間違っていない

ということです。

まずはご相談ください。

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注意事項

*このページはただ歯科クリニックのブログです。あくまでも当院のの考えに基づいて書かれているもので、他院では診断・治療法・介入のタイミング等は違うことがありますのでご注意ください。

*このページの内容を無断で使用することは固くお断りいたします。

*医療法の改正に基づき術前術後の写真は掲載してません。無料相談時に類似症例を用いて説明をさせていただきます。




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