【2026年1月24日 8:00 PM更新】
こんにちは
仙台市泉区・富谷市からも近いただ歯科クリニックです。
初めての方はこのブログの簡単な注意事項こちらの記事に目を通してください。
こんなお悩みないですか?
「ミルクを飲むのを嫌がる」「急に飲まなくなった」「途中で泣いてしまう」
保育の現場やご家庭で、赤ちゃんの“飲みにくさ”に悩む場面は少なくありません。

実は、これらは単なる気分や好き嫌いではなく、
口腔機能の発達
+
感覚統合の偏り
+
授乳姿勢の不安定さ
が組み合わさって起きていることが多いのです。
この記事では、赤ちゃんが“飲みやすい”と感じるために必要な条件を、歯科医師の視点からわかりやすく解説します。今日からできる小さなサポートもまとめているので、保育者の方にもきっと役立つはずです。
1. 「ミルクを嫌がる」その裏にある3つの理由
ミルクを嫌がる行動には、必ず理由があります。
大きく分けると①感覚 × ②姿勢 × ③口腔機能の3つの観点から読み解けます。
① 触覚・固有覚・前庭覚の「感覚過敏/鈍麻」
赤ちゃんは生まれたばかりでも、すでに感覚の“得意不得意”を持っています。
-
触覚敏感:乳首の感触が強すぎて不快
-
触覚鈍麻:弱い刺激ではわかりにくく、強く噛んでしまう
-
前庭覚過敏:抱っこ姿勢の揺れに不安を感じ、飲み始められない
-
固有覚低下:身体の位置がつかみにくく、姿勢が安定しない
感覚統合が未熟な時期は、このような理由で「飲みたくても飲みにくい」状態になります。
② 姿勢の不安定さ(授乳姿勢が合っていない)
赤ちゃんは“姿勢が安定しないと舌が動かない”という特性があります。
特に注意したいのは、
-
首が後ろに反る(後屈する)
-
体がねじれた姿勢で授乳している
-
骨盤・肩・頭が一直線になっていない
こうした姿勢の崩れは、
舌が落ちやすく、気道が開きすぎ、唇が閉じにくい原因になります。
その結果、
「むせる → 泣く → 飲みたくない」
という悪循環につながりやすくなります。
③ 口腔機能発達不全症の“初期サイン”
授乳の時期から、口腔機能発達不全症の兆候は現れます。
-
舌を前に出しやすい
-
哺乳瓶の乳首を噛んでしまう
-
長く吸っていられない
-
途中で疲れて寝てしまう
-
口唇の閉じが弱い
これらはそのまま
“離乳のつまずき → 食べない → かみにくい”
へ発展しやすい重要なサインです。
2. 感覚統合の視点で見る「飲みやすい」条件とは?
赤ちゃんが飲みやすく感じるのは、次の3つがそろったときです。
① 身体が安定している(前庭覚・固有覚が満たされている)
姿勢が安定すると、舌・唇・頬がスムーズに動きます。
抱っこされることで“身体の位置がわかる”安心感が生まれ、呼吸も整います。
② 触覚刺激が“ちょうどよい”
-
スキンシップのタッチが優しすぎても、くすぐったくて落ち着かない
-
強すぎても「やだ!」と感じてしまう
赤ちゃんが落ち着いて飲めるのは、触覚刺激が適度なときです。
③ ペースとリズムが赤ちゃん自身に合っている
吸う‐飲む‐呼吸する
このリズムが整えば、赤ちゃんは頑張らなくても自然に飲めます。
◆ 3. 今日からできる「飲みやすい姿勢づくり」
ここからは、保育者がすぐに使える実践ポイントです。
① 首・背中が一直線になる“ニュートラルポジション”
赤ちゃんを寝かせる・抱くときのポイントは
首が後ろに反りすぎないこと。
-
耳・肩・腰が一直線
-
顎は軽く引けた状態
-
背中は丸くなりすぎても、反りすぎてもNG
これだけで、飲みにくさが半分以上改善することがあります。
② 赤ちゃんの体を保育者の胸で支える
保育者の胸に赤ちゃんを預けるように抱くと、前庭覚が安定し、
吸うリズムが整いやすくなります。
ポイントは
-
脇を締め、腕で赤ちゃんを包む
-
肘を支点にして赤ちゃんの動きを受け止める
-
肋骨の横への広がりが感じられる姿勢にする
授乳の「土台」が安定すると、吸う力が出やすくなります。
③ 足がぷらぷらしない姿勢
意外ですが、足の不安定さは飲みにくさの大きな原因です。
-
赤ちゃんの足が保育者の体に当たる
-
太もも裏が支えられている
-
片足だけ高くならない
これらがそろうと、赤ちゃんは一気にリラックスします。
4. 飲むのが苦手な子に見られる“サイン”と対策
| サイン | 考えられる理由 | すぐできるサポート |
|---|---|---|
| むせる | 頭部後屈・舌の落ち込み | 首が軽く前屈する姿勢に |
| 噛む | 触覚鈍麻/舌運動の未熟 | 哺乳瓶の角度を見直す |
| 飲むのが遅い | リズムが作れない | 小休憩をこまめに挟む |
| 飲まない | 感覚過敏/姿勢不安定 | 抱き直し・足の安定 |
5. 無理に飲ませようとしないで大丈夫。
保育者の方は、ミルクを飲めない姿を見ると
「どうしたらいいの?」と不安になりますよね。
でも、飲めない背景には“その子にとって理由がある”だけです。
赤ちゃんは“飲みたい気持ち”を持っています。
大人が姿勢や環境を整えるだけで、自然に飲めるようになっていくことが多いのです。
焦らなくて大丈夫。
少しずつ、その子が安心できる飲み方を一緒に探していけばよいのです。
まとめ
ミルクを嫌がる背景には、
姿勢の不安定さ
感覚統合の偏り
口腔機能発達不全症の兆候
など、赤ちゃんの“飲みにくさ”につながる多くの要因があります。
しかし、その多くは
姿勢を整えるだけで改善することが多い
というのも事実です。
赤ちゃんにとって「飲む」は全身運動です。
安心して身体を預けられたとき、赤ちゃんは本来の飲む力を発揮できます。
保育者の優しい視点と、日々の小さな工夫が、赤ちゃんの飲みやすさを大きく支えてくれます。
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