小児歯科のお悩み相談室【3】乳歯のうちにできる“将来の矯正費を守るコツ”


【2025年12月13日 8:00 PM更新】

こんにちは

仙台市泉区・富谷市からも近いただ歯科クリニックです。

初めての方はこのブログの簡単な注意事項こちらの記事に目を通してください。

 

こんなお悩みないですか?

「子どもの歯並び、このままで大丈夫かな?」
「矯正は高額って聞くから、できるだけ予防したい」
「小児矯正の時期っていつ?乳歯でも何かできるの?」

25〜45歳のお母さんから、診療室で最も多いご相談のひとつが、“矯正を将来に先延ばしにする不安”です。

この記事は、
「できれば歯並びを悪くしたくない」
「将来の矯正費を少しでも抑えたい」
「でも、無理なことはしたくない」
そんなお母さんのために、乳歯のうちからできる、歯並びを守る“生活習慣のコツ”を専門家の視点から“優しく、わかりやすく”まとめています。

7~8歳の前歯のガタガタ叢生

もちろん、「うちの育児が悪かったんじゃ…」という罪悪感は一切いりません。

歯並びは遺伝だけでも、性格だけでも決まりません。
成長のスピードや生活の中のちょっとした姿勢、クセ、鼻の調子など…
多くの要素が重なって出来上がるからです。

どうか安心して、“今日からできることだけ”を持ち帰ってくださいね。

1. 乳歯の時期は「歯並び予防のゴールデンタイム」

永久歯が生える前、つまり**乳歯の時期(3〜6歳)**は、歯並びを守るために最も大切なタイミングです。

理由は3つあります。

① あごが最も成長する時期だから

上顎・下顎は6歳頃までに一気に成長し、その後ゆっくり形が整います。
つまり、乳歯の時期は“あごの土台決め”の時間

土台がしっかりしていれば、永久歯も綺麗に並びやすくなります。

② クセ(口腔習癖)が身につきやすいから

指しゃぶり、頬杖、口呼吸などは、歯並びに影響しやすい習慣ですが、乳歯の時期なら柔らかく優しい介入だけで改善しやすい。大きくなってから直すより、圧倒的に楽で自然です。

③ 永久歯が並ぶスペースを確保しやすいから

乳歯のすき間は、実は“成長の証”このすき間があることで、後から生えてくる永久歯が入りやすくなります。乳歯の並びがギュッと詰まっていると、将来「叢生(ガタガタ)」の確率が上がり、結果として矯正費がかかりやすくなります。

2. 将来の矯正費を守る“4つのポイント”

ここからは具体的に、乳歯のうちにやっておくと、歯並びを守りやすくなる4つの習慣を解説します。

  • ① 鼻呼吸を守る(最重要)

  • ② 舌の位置を整える

  • ③ 食べ方の癖を整える

  • ④ 生活習慣であごを育てる

どれも“難しい指導”ではありません。1日の生活の中に自然と取り入れられるものです。

3. ① 鼻呼吸を守ることが、最大の「矯正費節約」になる理由

乳歯の時期の歯並びに一番影響するもの。それは 「呼吸の仕方」 です。

● 口呼吸が続くとどうなるの?

口呼吸は舌が下がったり、上顎が狭くなったり、ガタガタ歯並びになったり、顔の成長が縦長になりやすいといったことがあります。これは決して“その子のクセが悪い”わけではありません。

ほとんどの場合は、鼻が詰まりやすい、アレルギー気質、扁桃炎を繰り返したり、寝相が悪いといった体のサインがります。

● 今日からできる鼻呼吸サポート

  • 固いものを食べるのではなく、よく食事を噛む

  • ハミングする

  • 鼻水が続く日はあきらめる

  • 寝る姿勢(うつ伏せ・反り返り)を改善する

鼻呼吸が楽になると、自然とあごは広がり、矯正が必要になる確率が下がります。

4. ② 舌の位置が歯並びの“天然矯正装置”

舌は筋肉のかたまりです。

実は、舌が正しい位置にあるだけで、歯並びは安定しやすいことをご存知でしょうか?

● 正しい舌の位置は?

上あごの“スポット”と呼ばれる部分に舌先が“ポンッ”とついている状態。

これができている子は

  • 鼻呼吸ができている

  • 口が閉じやすい

  • 上あごが広がりやすい

というメリットがあります。

逆に舌が下に落ちていると、出っ歯・開咬・ガタガタの原因に。

● 舌の位置を整える簡単トレーニング

  • 「ポンッ」と舌打ちの練習

  • 飲み物をごくっと飲む時に舌を上に当てる意識

  • コップ飲み中心の生活

  • 舌で上あごを“なぞる”遊び

小児歯科や小児矯正で行うMFT(口腔筋機能療法)も、この舌の位置を育てるためのものです。

5. ③ 食べ方のクセが“あごの成長”を左右する

矯正費を守る一番のコツは、**“あごをしっかり育てること”**です。

あごが育てば、永久歯は自然と並びやすくなります。

● あごが育ちやすい食べ方

  • 前歯でかじる食品を増やす
    (きゅうり、りんご、トースト、にんじんスティック)

  • よく噛むメニューを取り入れる

  • 口いっぱいに詰め込まない

  • 丸飲みしないよう声かけ

  • 食事の姿勢(足がつく椅子)を整える

食事は毎日のことなので、ここを少し調整するだけで“自然な矯正効果”が生まれます。

6. ④ あごを広げる生活習慣 ― 遊びの中にヒントがある

お子さんの日常を観察していると、あごの成長と深く関係しているのが“遊び”です。

公園で走る、トランポリン、ジャングルジム、鉄棒ぶら下がり、ボール投げ、しゃぼん玉で呼吸トレーニングといった遊びから体幹が安定すると、姿勢や舌の位置、噛み合わせも整いやすくなります。

7. 「育児が悪かったから歯並びが悪くなる」は間違いです

ここまで読みながら、
「できてないことが多い…」
「私のせいなの?」

そんな不安を感じたお母さんもいると思います。

どうか安心してください。小児歯科医の立場から言わせていただくと、歯並びは“育児の良し悪し”では決まりません。ほんの少しの違いが積み重なって“その子の歯並び”になります。

そして乳歯のうちに意識したことはどれも“将来の大きな財産”になります。

お母さんは今のままで十分がんばっています。
ここから一緒に、できることを少しずつやっていけばいいのです。

8. 小児矯正は「早く始めれば安い」わけではありません

誤解が多いポイントですが、小児矯正は“早ければ早いほど良い”というわけではありません。

ポイントは以下の2つです。

● ① あごの成長をサポートする治療は「乳歯の時期」が有効

プレオルソ、マウスピース矯正、機能訓練(MFT)…
これらはまさに乳歯の時期に行うことで
歯並びが悪くなる原因を減らす効果があります。

● ② ただし不必要に早く治療する必要はない

お子さんの発達には個人差があり、
・骨の柔らかさ
・鼻呼吸の発達
・舌の癖の有無

これらを総合して判断するのが正しい順番です。

そして何より大切なのは、「お母さんが責められない環境で進めること」です。

歯並びは“結果”ではなくその子が生きてきた証

無理をしなくても大丈夫。今日からできる、ひとつだけでも十分です。

まずはご相談ください。

矯正の無料相談を行っています。(要予約)

無料相談では費用や期間だけでなく、患者さんの現在の今の状態、なんでこうなってしまったのか?そういったことを話します。矯正の無料相談は、診療日のどの時間でも対応していますが、必ず予約して来院してください。

 

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注意事項

*このページはただ歯科クリニックのブログです。あくまでも当院のの考えに基づいて書かれているもので、他院では診断・治療法・介入のタイミング等は違うことがありますのでご注意ください。

*このページの内容を無断で使用することは固くお断りいたします。

*医療法の改正に基づき術前術後の写真は掲載してません。無料相談時に類似症例を用いて説明をさせていただきます。




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