小児歯科のお悩み相談室【2】指しゃぶりや頬杖って大丈夫?クセと歯並びのやさしい話


【2025年12月6日 8:00 PM更新】

こんにちは

仙台市泉区・富谷市からも近いただ歯科クリニックです。

初めての方はこのブログの簡単な注意事項こちらの記事に目を通してください。

 

 

こんなお悩みないですか?

「指しゃぶりって、何歳までなら大丈夫?」
「頬杖をつくのは癖だから気にしないでいいの?」
「やめさせたほうがいいとは分かるけど、うちの子だけできなくて不安……」

小児歯科の診療をしていると、お母さんから必ず寄せられる質問が
“クセ(口腔習癖)は歯並びにどれくらい影響があるの?”
ということです。

この記事では、25〜45歳のお母さんが「安心できて、責められない」説明を大切にしながら、

  • なぜ指しゃぶりや頬杖が歯並びに関係するのか

  • どの程度のクセなら問題ないのか

  • 生活の中で自然に改善していくためのコツ

  • 小児矯正や小児歯科でできるサポート

を、やさしく丁寧に解説します。

1. 指しゃぶり・頬杖は「悪い癖」ではありません

まず最初にお伝えしたいことがあります。

指しゃぶりも、頬杖も、“悪い子の癖”ではありません。
誰が悪いわけでもありません。

指しゃぶりは

  • 安心したい

  • 気持ちを落ち着かせたい

  • 眠りにつく時のルーティン

  • 感覚を調整したい(感覚統合との関連)

といった“自己調整”の役割があります。

頬杖についても

  • 姿勢がまだ安定していない

  • 集中すると体が傾きやすい

  • 下あごの置き場所を探している

  • 疲れを感じやすい

こうした理由で起こります。

お母さんが気にして声をかけるのは、「やめさせたいから」ではなく、お子さんを思っているからこそだと思います。だからこそこの記事では、“やめさせる方法”ではなく“なぜ起こるのか理解して、自然に卒業できる環境づくり”に焦点を置いています。

2. 指しゃぶりと歯並びの関係 ― いつから気にすればいい?

2歳までは心配いりません

小児歯科では「2〜3歳までは自然な発達の一部」として指しゃぶりを捉えています。

むし歯や歯並びに大きく影響することはほぼありません。

3〜4歳になると、少しずつ気を付けたい

この時期、上あごは柔らかく、歯並びを支える骨がまだ成長途中。

指が入ることで

  • 上顎が狭くなる

  • 前歯が前に傾く(出っ歯傾向)

  • 開咬(前歯が閉じない)

などの“クセの影響”が出やすくなります。

※ただし個人差が大きいので、「3歳なのにまだしてる…」と焦る必要はありません。

5歳以降は、歯並びに影響しやすい

前歯が永久歯に生えかわる準備が始まり、歯ぐきや骨の形がしっかりしてくる時期。

この頃まで継続する指しゃぶりは、歯並びへの影響が強く残ることが多く、小児矯正でも“口腔習癖”として重要視されます。

3. 頬杖と歯並び ― 実はクセというより「サイン」

頬杖をつくのは、悪い習慣…ではありません。

実は「体のバランスがまだ未熟です」というサインです。

● 頬杖が起きる理由

  • 椅子や机の高さが合っていない

  • 足がつかず姿勢が安定しない

  • 上半身が疲れやすい

  • 舌の位置が下がっており顎が不安定

  • 集中しようとすると身体を固める

頬杖は、「ここに手を置くと安定するから」という、子どもなりの工夫なのです。

● 頬杖が続くと出やすい歯並び

  • 片側だけ噛み合わせが低くなる

  • あごが横にずれる

  • 非対称な顔つき

  • 噛み合わせの偏り

ただし“無理にやめさせる”のは逆効果。まずは姿勢と環境を整えることが最優先です。

4. 指しゃぶりがやめられないのは「クセ」ではなく“役割”があるから

指しゃぶりは、“安心”“落ち着く”“眠りのスイッチ”など、子どもにとって大きな役割があります。

特に3〜5歳の時期は感情が育つステップであり、発達のスピードも個人差が大きいので、“まだ指しゃぶりが必要な理由がある”と見てあげる方が実は正しいのです。

● 指しゃぶりしやすい子の共通点

  • 寝る前に興奮が残りやすい

  • 刺激を求めやすい(感覚統合の特性)

  • 不安が強い

  • ぼーっとする時間が好き

  • 過集中で電池が切れるときに吸う

この“理由”の部分を理解するだけで、お母さんの不安は軽くなります。

5. 今日からできる「やさしい指しゃぶり卒業ステップ」

● ステップ①:寝る前の安心ルーティン

指しゃぶりは眠りのスイッチなので、代わりのスイッチを作ると自然に減ります。

  • 絵本を読む時間を増やす

  • 手や肩を“ぎゅっ”とハグ

  • シンプルなタオルのタグを触らせる(感覚代替)

  • 寝る前の照明を落とす

  • 入眠儀式を固定化する

● ステップ②:手を使う遊びを増やす

指しゃぶりは「口で落ち着こうとする」行動なので、代わりに手を使った刺激を与えると減りやすくなります。

  • お絵描き

  • 粘土遊び

  • 積み木

  • ハサミを使う作業

  • 紐通し

  • おもちゃを並べる遊び

“集中すると吸ってしまう”タイプのお子さんに特に有効です。

● ステップ③:口の機能を強くする(小児歯科の観点)

舌・唇・頬の筋肉が弱いと指しゃぶりを卒業しにくくなります。

今日からできる簡単トレーニング:

  • ストローよりコップ飲み

  • 固めの食材を取り入れる(噛む刺激)

  • 「あー・いー・うー」口の体操

  • 舌で上あごを触る“ポンッ”の練習

  • よく噛む時間を作る

こういった口の発達が遅れている子供の一部は「口腔機能発達不全症」という病気として2018年から保険に入っています。

6. 頬杖を減らす「環境づくり」と「身体のサポート」

頬杖は、姿勢が安定しない → あごを支えるために起きるという流れが多いので、環境調整が最も効果的です。

● 椅子のチェックポイント

  • 足がしっかり床または足台につく

  • 机の高さが高すぎない(みぞおち程度)

  • 背もたれが深すぎない

  • 座面が広すぎない

姿勢が安定するだけで頬杖は50〜70%減ります。

● 体が疲れやすい場合は…?

  • 公園遊び

  • 鉄棒ぶら下がり

  • トランポリン

  • ボール投げ

これらは体幹を強くし、“座る姿勢の保持”が楽になります。

7. 「自然に卒業できる子」が多いので安心してください

小児歯科の経験から言うと、指しゃぶりや頬杖は

適切な環境+口の機能が育つことで自然と落ち着いていくことがほとんどです。

無理にやめさせると、
・隠れてする
・ほかの癖が出る
・寝つきが悪くなる
など逆効果になることもあります。

だからこそ“焦らず見守りながら、少しずつ環境を整える”これが成功の近道です。

8. 小児矯正は「クセを治す矯正」でもある

小児矯正というと、“歯を動かす治療”と思われがちですが、本質は「歯並びを悪くする原因(クセ)を改善し、正しく成長を助ける治療」です。

当院では機能的マウスピース矯正装置や床矯正などの小児矯正では必要な場合、機能面のアプローチをするようにしています。それはそういったことを同時にしていくことで矯正の期間が短くなったり、結果が変わったりするからです。

「まだ早いかな?」と思う段階でも気軽に相談していただいて大丈夫です。

9. お母さんを“責める治療”はありません

最後に、最も大切なことをお伝えします。

お母さんは毎日、仕事・家事・育児に追われながらそれでも「うちの子の歯並び、大丈夫かな?」と心配してくれています。これは“気にしすぎ”ではありません。

指しゃぶりも頬杖も、「できていないからダメ」ではなく成長の途中で必要だっただけ。

お子さんにはお子さんのペースがあり、お母さんにはお母さんのやり方があります。

小児歯科の診療は、“できていないことを探す”のではなく、**“できていることを増やすお手伝い”**です。安心して、気軽に頼ってください。

10. まとめ:クセは「個性のひとつ」。ゆっくり卒業で大丈夫

  • 指しゃぶり・頬杖は悪い癖ではない

  • 心の安定や姿勢の未熟さが理由

  • 3〜5歳で少しずつ歯並びに影響が出やすくなる

  • 大切なのは“無理にやめさせないこと”

  • 環境調整・口の機能のサポートで自然と卒業する

  • 小児矯正はクセと歯並びを一緒に見ていく治療

  • お母さんが心配する気持ちは間違っていない

お子さんに合ったペースで、
ゆっくり、優しく整えていけば大丈夫です。

まずはご相談ください。

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無料相談では費用や期間だけでなく、患者さんの現在の今の状態、なんでこうなってしまったのか?そういったことを話します。矯正の無料相談は、診療日のどの時間でも対応していますが、必ず予約して来院してください。

 

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注意事項

*このページはただ歯科クリニックのブログです。あくまでも当院のの考えに基づいて書かれているもので、他院では診断・治療法・介入のタイミング等は違うことがありますのでご注意ください。

*このページの内容を無断で使用することは固くお断りいたします。

*医療法の改正に基づき術前術後の写真は掲載してません。無料相談時に類似症例を用いて説明をさせていただきます。




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