【2025年12月17日 8:00 PM更新】
こんにちは
仙台市泉区・富谷市からも近いただ歯科クリニックです。
初めての方はこのブログの簡単な注意事項こちらの記事に目を通してください。
こんなお悩みないですか?
「中々、お肉を大きくしたり厚くすると噛んでくれない」
「ハンバーグやつくねが好き」
「周りの子よりも食べている食事の大きさや形が違う」
こんなお悩みはありませんか?
歯科で多くのお母さんから寄せられる質問のひとつです。

こういった子供がうまく噛めない原因の一つに
ハイハイの期間が短かったかもしれない。
というのがあります。
ハイハイの質や期間は“口の発達”と深く結びついている
今日はそんな話を専門家の視点から
・なぜハイハイが噛む力につながるのか
・短くてもフォローができる理由
・毎日できる“口の発達を育てるケア”
を優しく、ていねいに説明します。育児を否定する内容は一切ありませんので、安心して読み進めてください。
1、なぜハイハイが「噛む力」につながるのか?
大人が思う以上に“全身”と“口”はつながっている
「噛む」「飲み込む」と聞くと、
口の中だけの問題のように思うかもしれません。
しかし実際には、
咀嚼(噛む)も嚥下(飲み込み)も、“体の土台”に強く依存しています。
その中でも、特に影響が大きいのが「ハイハイ期」。
ハイハイは、子どもの発達においてこんな役割をもちます。

① 体幹(コア)の安定をつくる
噛む力は、実は顎の力だけではありません。
背中・お腹・首の筋肉が連動しながら、
頭と顎の位置を安定させることで初めて“強い咀嚼”が可能になります。
ハイハイはこの「体幹の安定」を自然に育てます。
●② 顎を前後・上下にコントロールする土台を育てる
ハイハイでは、
・頭を持ち上げる
・顎の角度を自分で調整する
・自分の体重をうまく支える
・腕と足を交互に出す
という動きが必要です。
これらは、
顎の前後運動・舌の前後運動に直結しています。
ハイハイが短いと、この「顎の安定」が十分に育たず、
噛むときに左右にぶれたり、舌の押し出しが弱かったりしやすくなります。
③ 舌の動きを育てる根っこになる(感覚統合の視点)
舌は「固有覚(自分の位置を感じるセンサー)」によって動きが育つ器官。
そして固有覚がもっとも刺激されるのが
全身を使った動き(ハイハイ・四つ這い)。
そのため、ハイハイが短いと
✔ 舌の位置が安定しない
✔ 食べ物を左右に運べない
✔ 飲み込む前の“食塊形成”が苦手
といった“舌の不器用さ”につながりやすくなります。
④ 呼吸の発達とも深く関係
ハイハイ期は「鼻呼吸の安定が育つ時期」です。
鼻呼吸が弱い子は、口が開きやすく
口が開く → 舌が落ちる → 顎が不安定 → 噛めない
という連鎖が起こりやすくなります。
ハイハイは呼吸機能の土台づくりでも重要なのです。
2,では、ハイハイの時期が短い子はどうなる?
噛む力だけでなく“食べるリズム”にも影響する
ハイハイの時期が短かった、あるいはすぐに歩き始めた子によく見られる傾向があります。
以下のチェックに多く当てはまるほど、
“ハイハイ不足”の影響が残っている可能性があります。
【食べ方の特徴】
✔ 噛む回数が少ない
✔ 噛むリズムがバラバラ
✔ 大きなまま飲み込みやすい(丸呑み)
✔ いつまでも口にためてしまう
✔ 舌で食べ物を上に押し付けるのが苦手
✔ むせやすい
✔ 飲み込むのに時間がかかる
【姿勢の特徴】
✔ 食事中にすぐに前のめりになる
✔ 足がブラブラしやすい
✔ 椅子にまっすぐ座れない
✔ 首が前に出やすい
✔ 反り返りが強い
【行動の特徴】
✔ じっと座るのが苦手
✔ 体幹が弱く見える
✔ ハサミ・鉛筆など細かい作業が苦手
✔ すぐ疲れる
✔ 呼吸が浅い
これらは「悪い」わけではなく、
ただ単に体の土台が追いついていないだけです。
そして、この土台はあとから十分に育て直すことができます。
3,ハイハイの時期が短くても“取り戻せる”
― 口の発達に一番効果があるのは「四つ這い遊び」
発達の世界ではよく言われるのですが、
発達はあとからでも“積み木方式”で積み直せる
という特徴があります。
つまり、
“ハイハイの時期が短かったから一生噛めない”
ということは絶対にありません。
以下の遊びや姿勢調整で、
しっかりと噛む力・姿勢・舌の発達を後押しできます。
4,【家庭でできる】噛む力を育てるサポート
1. 四つ這いの遊びを増やす(最重要)
クマ歩き、トンネルくぐり、四つ這いでボール運び、ソファ下に潜る“秘密基地遊び”、四つ這いは、
舌・顎・体幹・呼吸のすべてを育てる万能トレーニングです。
2. “噛む前準備”の姿勢づくり
姿勢が弱いと、どれだけ噛ませても噛みません。
✔ 足がしっかり床につく椅子
✔ テーブルは肘が90度
✔ 前のめりにならない座り方
✔ 首が前に出ないよう背筋をサポート
これだけで噛む力が上がる子も多いです。
3. 噛みやすい一口サイズに調整
“噛めない子ほど、大きいものは苦手・小さすぎるものも苦手”。
おすすめは、
「子どもの親指の先くらいの大きさ」
これが最も咀嚼が誘発されやすいサイズです。
4. 硬さのステップをゆっくり上げる
いきなり硬いものを食べない子は多いです。
・柔らかい野菜 → 少し硬めの根菜
・薄い肉 → 少し厚めの肉
・軟らかいパン → クラッカー
少しずつ段階を上げることがポイント。
これは“咀嚼トレーニング”でもよく使われる方法です。
5,「ハイハイが短かった=ダメ」ではない
― お母さんが自分を責める必要はまったくない
この記事を書いていて、もっとも伝えたいのはこの部分です。
ハイハイの期間は、育児の成功や失敗を表す指標ではありません。
子どもは一人ひとりペースが違い、
早く歩く子もいれば、ずっとハイハイが好きな子もいます。
そしてどの子も、“必要な発達はあとから十分に取り戻せる”という力を持っています。
あなたのお子さんが今、
・噛むのが弱い
・丸呑みしやすい
・食べるのが遅い
・姿勢が崩れやすい
こうしたサインを出しているなら、
それは 「今から発達を整えれば、もっとラクに食べられるよという体のメッセージ。
お母さんが悪いのではなく、お子さんが“育ちたい方向”を教えてくれているだけです。
6,まとめ:ハイハイ期は大切。でも、短くても必ず取り戻せる
・ハイハイは舌・顎・体幹・呼吸の発達のベース
・短いと噛む力に影響しやすい
・丸呑み・偏食・猫背は土台の弱さのサイン
・でも発達は“あとからでも育て直せる”
・四つ這い遊び+姿勢づくり+舌の遊びが効果的
・育児ミスではない
・子どもの発達はお母さんと一緒に伸びていく
ハイハイをやり直すことはできませんが、ハイハイで育つはずだった力は、今からいくらでも育てられます。もしお子さんの食べ方・姿勢・噛む力について、より個別のアドバイスが必要であれば、
「年齢・よく食べるもの・苦手なもの・食べるときの姿勢」などを教えてください。
お子さん専用の“咀嚼発達プラン”を作成することもできます。
口の発達は全身の発達とつながっています。
それを知ることで子供を引っ張る子育てから背中を押して成長を助ける子育てに変わります。
まずはご相談ください。
こういった定型児の「食べる」機能の問題がある子供の一部は2018年から「口腔機能発達不全症」という病名で保険診療での治療の対象になることがあります。ただし、歯並び・かみ合わせの問題がある場合、矯正治療と同時に行うのは混合診療になるので、当院では矯正治療を行う場合は、矯正治療の中で指導をしています。また発達障害等の症状がある子供にはより専門的で細やかな介入や指導が必要になることがあります。
ただ歯科クリニックでは口元からの正しい機能の発達と発育、虫歯予防等を中心とした0~3歳までの母親教室をしています。0~1歳半コースは5/24、7/26、9/20、11/22、1歳半から3歳コースは6/21、8/23、10/25、12/6を予定しています。どちらのコースも12:30~で45分くらいを予定しています。受け付けはメール相談のところからのみで、電話等での質問や予約などは受け付けておりません。
詳しい内容・問い合わせ・予約は:母親教室のお知らせ
矯正の無料相談を行っています。(要予約)
無料相談では費用や期間だけでなく、患者さんの現在の今の状態、なんでこうなってしまったのか?そういったことを話します。矯正の無料相談は、診療日のどの時間でも対応していますが、必ず予約して来院してください。
メール予約:こちらをクリックしてください
お口の中を拝見していない状態でのメールや電話での問い合わせにはお答えしかねます。
無断でのキャンセル・何回も予約を変更するなどがあった場合お断りすることがあります。
注意事項
*このページはただ歯科クリニックのブログです。あくまでも当院のの考えに基づいて書かれているもので、他院では診断・治療法・介入のタイミング等は違うことがありますのでご注意ください。
*このページの内容を無断で使用することは固くお断りいたします。
*医療法の改正に基づき術前術後の写真は掲載してません。無料相談時に類似症例を用いて説明をさせていただきます。
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