小児歯科お悩み相談室【11】感覚が敏感・鈍い子と噛む力の関係をゆるく解説


【2026年2月7日 8:00 PM更新】

こんにちは

仙台市泉区・富谷市からも近いただ歯科クリニックです。

初めての方はこのブログの簡単な注意事項こちらの記事に目を通してください。

 

こんなことありませんか?

こんにちは。小児歯科医として毎日お子さんのお口を診ていると、
「うちの子、なんだか噛む力が弱い気がする…」
「いつも食事に時間がかかるのは、発達や感覚が関係ある?」
という質問を本当にたくさんいただきます。

そして同時に、25〜45歳のお母さんからよく聞こえてくるのが、
「私の育て方が悪いのかな…」
という心配の声。

まず最初にお伝えしたいのは “育て方のせいではありません”


お子さんの噛む力や食べ方は、
✔ 口の機能
✔ 姿勢
✔ 感覚の特性(敏感・鈍い)
✔ 呼吸のクセ
✔ 生活習慣
など、さまざまな要素が組み合わさってできています。

今日はその中でも、最近とても注目されている
「感覚の敏感・鈍さ」と「噛む力(口腔機能)」の関係
について解説します。

■ 感覚が敏感・鈍いと、どうして“噛む力”に関係するの?

一見すると
「感覚と噛む力って、別の話じゃない?」
と思いますよね。

実は、どちらも “脳で統合されて動きとして出てくるもの” で、
とても深い関係があります。

ここで少しだけ感覚統合の話をしますが、
難しい専門用語は使いませんので安心してください。

●【感覚が敏感な子】

→ 口の中の「ちょっとした刺激」を強く感じる

たとえば……

  • 歯ブラシを嫌がる

  • 食べ物の粒感が苦手(野菜の繊維、皮、ミニトマトなど)

  • 一口が小さい

  • もぐもぐが浅い

  • 口に入れるとすぐ飲み込んでしまう

こういった行動は “噛むための十分な刺激が入らない” 原因になります。

感覚が敏感な子は、
“強く噛んだときの圧” や “歯の触れ合い” を不快に感じやすいため、
噛む回数が少なくなり、結果として噛む力が育ちにくくなるのです。

●【感覚が鈍い子】

→ そもそも「噛んだ感覚」が薄い

こちらのタイプは反対で、

  • 大きなまま口に入れたがる

  • 噛まずに丸のみ

  • 食事中の姿勢が安定しない

  • 口の中の食べ物に気づくのが遅い(ほっぺに溜めがち)

  • そしゃくのリズムが作りにくい

という特徴がよく見られます。

感覚入力が少ないために「噛んでいる実感」が弱く、
強く噛む、押しつぶす、といった動作が生まれにくいのです。

実は “噛む力” は筋力だけでなく、感覚のフィードバックで育つもの
鈍い子はそのフィードバックが弱いぶん、噛む力が育ちにくいという背景があります。

■ 噛む力が弱いと、どんなことが起きる?

噛む力は「歯並び」「顎の発育」「姿勢」ともつながっています。

最近の小児歯科や小児矯正では、
噛む力=口腔機能 の基礎としてとても重要視されています。

噛む力が弱いと起こりやすいことは次のとおりです。

◎ ① 食べる量が少なくなる

噛むこと自体が疲れやすいため、食事が長引く/途中でやめるなどが起こりやすくなります。

◎ ② 口がぽかんと開きやすい

顎や口周囲の筋肉が育たないと、口唇閉鎖が難しくなります。

◎ ③ 前歯で噛み切るのが苦手になる

柔らかいもの中心の食生活だと、前歯の使い方が身につかないまま成長します。

◎ ④ 歯並びに影響(小児矯正が必要になりやすい)

顎が十分に広がらず、
出っ歯・受け口・ガタガタ・開咬 が目立ちやすくなります。

◎ ⑤ 口腔機能発達不全症の要素に

実は2018年からそういった「食べる機能」の発達の問題は保険病名として
「口腔機能発達不全症」 がついています。
噛む、飲み込む、話す、などの機能が弱い子に対して
専門的に評価・指導が受けられるようになっています。

■ “噛む力×感覚の特性”がつくる「食べ方のクセ」

感覚が敏感・鈍いと噛む力はもちろん、食べ方にもクセが出ます。

そして、このクセは 親御さんの育て方とは関係ありません
脳の特性・体の作り・感覚の受け取り方の違いによって自然に生まれるものです。


●【敏感タイプに多いクセ】

  • ムニャムニャ浅い噛み方

  • 少量ずつ食べる

  • 静かに食べるが時間は長い

  • 固いものは避けがち

  • ヨーグルトなど“噛まなくてよい食品”に偏る

刺激回避が自然に選択されるため、さらに噛まなくなる
これが“噛む力が伸びにくいループ”につながります。

●【鈍いタイプに多いクセ】

  • 口いっぱいに詰め込む

  • 丸のみ

  • 食べ物をほっぺにためて気づかない

  • そしゃくリズムがバラバラ

  • 姿勢が崩れて食べにくい

刺激が入らず、必要な動きの練習が不足してしまう
これもまた噛む発達の妨げになります。

■ 噛む力を育てるには?

まずは「感覚の特性」に合わせたサポートから

「もっと噛ませるようにしよう!」
「固いものを与えれば鍛えられるはず!」
という考えは、実は逆効果になることがあります。

大切なのは
“その子の感覚の受け取り方に合った刺激” を選ぶこと。

どちらのタイプにもやさしく効果的な方法を紹介します。

■ 【敏感タイプ】へのサポート方法

食事は刺激を減らしつつ、少しずつ慣らしていくのがいいと思います。あとは食べやすい姿勢も大事です。でも体幹の発達が弱いとかがあれば、全身運動のアプローチも必要になります。

■ 【鈍いタイプ】へのサポート方法

鈍麻タイプのの子供は しっかり噛む刺激を増やす。噛み応えがあるものを出しながら食材のコントロールが必要です。また食べる時の種瀬がよくなるような椅子や座り方の指導が必要です。

全身運動は咀嚼リズムという噛んで飲みこむまでの一連の動きが弱いことが多いので、全身運動のアプローチが必要になることもあります。

■ 歯並びとの関係は?

噛む力は顎の発育に直結しています。

強く噛むと、下の顎の関節に力が入り、
「顎が横・前・奥」へバランスよく成長しやすくなります。

噛む力が弱いと
● 顎が狭い
● 歯が並ぶスペースが足りない
● ガタガタや出っ歯になりやすい
という状況になりやすいため、
小児矯正の相談が増えているのも自然な流れと言えます。

もちろん、噛めない原因のひとつが “感覚” なので、
歯並びだけ見ても本質的な改善にはつながりません。

■ 近年注目されている「口腔機能発達不全症」とは?

噛む力、飲み込み、話し方、舌の動きなどの機能が
年齢に応じて十分に発達していない場合につけられる病名で、
保険で評価・指導が可能 になりました。

「噛む力が弱い」「食べ方にクセがある」
「丸のみ」「口がいつも開いている」
こういった悩みは早めのチェックがおすすめです。

■ お母さんに一番伝えたいこと

それは「あなたのせいではない」ということ

感覚の敏感・鈍さは、
気質や体の発達、脳の配線と深く関わる自然な個性です。

「噛めないのは食事内容のせい?」
「私がもっとしっかりさせれば良かった?」
と悩む必要はありません。

小児歯科医でも、専門家でも、
子どもの感覚特性を見抜くのは簡単ではありません。
それくらい繊細で奥深い領域です。

だから今、お母さんが
「どうしてだろう?」と気づけたことこそ、
お子さんの未来を守る大きな一歩です。

■ まとめ:感覚を知ることが、“噛む力” と “歯並び” を守る第一歩

✔ 感覚が敏感 → 刺激を避けるため噛む力が伸びにくい
✔ 感覚が鈍い → 刺激が入らず噛む力の学習がしにくい
✔ 噛む力は顎の発育・歯並び・姿勢に影響
✔ 食べにくさは「親のせい」ではなく発達特性
✔ 口腔機能発達不全症として保険対応も可能に
✔ 感覚に合ったサポートが効果的

お子さんの“噛む力”が気になるときは、
小児歯科や小児矯正歯科でのチェックがおすすめです。
食事・姿勢・感覚の視点から、お話しします。

まずはご相談ください。

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注意事項

*このページはただ歯科クリニックのブログです。あくまでも当院のの考えに基づいて書かれているもので、他院では診断・治療法・介入のタイミング等は違うことがありますのでご注意ください。

*このページの内容を無断で使用することは固くお断りいたします。

*医療法の改正に基づき術前術後の写真は掲載してません。無料相談時に類似症例を用いて説明をさせていただきます。




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