小児歯科お悩み相談室【6】寝相と歯並びの関係って?ぐっすり眠れる環境づくりのコツ


【2026年1月3日 8:00 PM更新】

こんにちは

仙台市泉区・富谷市からも近いただ歯科クリニックです。

初めての方はこのブログの簡単な注意事項こちらの記事に目を通してください。

 

こんなお悩みないですか?

「うちの子、寝相が悪くて毎日ぐるぐる回ってるんです…」
「横向きやうつ伏せで寝ているけど、歯並びに影響ありますか?」
「たくさん動くのは元気な証拠?それとも何か気をつけた方がいい?」

小児歯科で日々診療をしていると、こうした“寝相”に関するご相談はとても多くなりました。
そして実は、寝相は歯並び・顎の成長・口呼吸のしやすさ・姿勢の発達 と切っても切れないほど深くつながっています。

もちろん、「寝相が悪い=すぐに歯並びが悪くなる」という単純な話ではありません。
ですが、眠る姿勢にはその子の体の使い方のクセや口腔機能の発達状態が正直に出るため、
“気づきにくいサイン”として小児歯科医は大切に見ています。

この記事では、
お母さんの不安を否定せず、専門的な情報をやさしくわかりやすくまとめながら、

  • 寝相と歯並びの関係

  • よくある寝相のクセは何を意味する?

  • 感覚統合(特に前庭覚・固有覚)と睡眠のつながり

  • ぐっすり眠れる環境づくり

  • 将来の歯並びのために今日からできること

を順番にお伝えします。

「どうしてそうなるの?」がわかると、
お母さんにとって明日からの育児が少しだけ安心できるはずです。

1.寝相は“歯並びと姿勢”の鏡です

■寝ている姿勢でわかること

寝ているとき、子どもは意識して姿勢を作りません。
だからこそ、

  • 呼吸しやすい姿勢

  • 体が落ち着く姿勢

  • 舌が置きやすい位置

  • 体幹の強さ

  • 感覚の過敏・鈍麻

など、その子の“今の状態”がとてもよく出ます。

特に歯並びに関係するのは次の3つ。

① 口呼吸になりやすい姿勢かどうか

横向き・うつ伏せの子は 舌が自然に後ろへ下がりやすく、鼻呼吸がしにくい ため、
知らず知らずに 口呼吸 になりやすくなります。

口呼吸が癖になると…

  • 舌が上顎につかない(正しい舌位が保てない)

  • 顎が横に広がらず、歯が並ぶスペースが狭くなる

  • 上顎がV字型に細くなる

  • 前歯が出やすくなる(上顎前突)

  • 歯並びがガタガタになりやすい

という“成長の偏り”が起こります。

これは小児矯正(特にマウスピース矯正)を扱う歯科医がとてもよく見るパターンです。

② 頬杖と同じ「片側圧」が寝ている間に起きる

同じ向きに横向きで寝るクセがある子は、
寝ている間に 片側の頬を長時間押し続けることになります。

これはいわば“寝ている間の頬杖”。

長期間続くと、

  • 顎が左右どちらかに曲がる

  • 噛み合わせがズレる

  • 片側だけ頬が高くなる

  • 顎関節に負担がかかる

といった非対称の歯並びを作りやすくなります。

特に3〜6歳は顎が柔らかく、影響を受けやすい時期です。

③ 体幹が安定していないサインの場合も

寝相が悪い子の中には、
単に「元気すぎてよく動く」だけではなく、

  • 体幹の筋力が弱い

  • 深部感覚(固有覚)が入りにくい

  • 前庭覚が未熟で、寝返りで調整しようとする

といった感覚統合の問題が背景にあることもあります。

これが続くと

  • 姿勢が崩れやすい

  • 食事中に姿勢がキープできず、噛む力が育ちにくい

  • 口が開きやすい

  • 舌が落ち着かない

  • 口腔機能発達不全症(保険適用)と分類されるケースも

につながり、結果的に 歯並びにも影響が出てきます。

2.寝相の“よくあるパターン”と歯並びの関係

ここでは、歯科でよく相談される寝相の種類を具体的に解説します。

■① うつ伏せ寝

うつ伏せは 気道が狭くなりやすく、口呼吸と反り腰のセットになりやすい姿勢 です。

長期的には

  • 顎が後ろに引ける

  • 舌が後ろに落ちる

  • 呼吸が浅くなる

  • 上顎の成長が弱くなる
    ことが重なり、狭い上顎・開咬・出っ歯 につながることがあります。

■② 毎日同じ方向の横向き寝

これは 片側だけ頬杖している状態 に近く、

  • 顎のゆがみ

  • 非対称の歯列

  • かみ合わせのズレ

が起こりやすいタイプです。

■③ 大きく動き回る寝相(回転・四つん這い・座る)

この場合は、感覚統合的に、

  • 前庭覚(平衡感覚)

  • 固有覚(深部感覚)

が十分に働ききれておらず、
「眠っている間に体を動かして調整している」ケースも多く見られます。

これは
姿勢の崩れ・噛む力の弱さ・口唇閉鎖不全
とセットで出ることがあり、口腔機能発達不全症の子にもよく見られます。

■④ 口を開けて寝ている

最も歯並びに影響しやすいサインです。

  • 舌が下がる

  • 顎が狭くなる

  • 歯が並ばない

  • 前歯が乾燥して虫歯になりやすい

という複数の問題が重なりやすいため、
早めに歯科でチェックすることがとても大切です。

3.じゃあどうすればいい?今日からできる環境づくりのコツ

寝相そのものを“矯正する”というより、
「良い寝相が自然とできる体」 を育てていくことが大切です。

そのためのポイントを具体的にまとめます。

① 寝室の“呼吸しやすい環境”を整える

枕は低め&横向きになりにくい高さ
頭が前に倒れると口呼吸を誘発します。
枕は「首のカーブを軽く支える程度の低さ」を。

鼻呼吸しやすい湿度
乾燥は口呼吸の大きな原因。
**湿度40〜60%**が理想です。

寝返りしやすい広さを確保
寝返りは成長に必要な動きです。
禁止ではなく、「しやすい環境に」

② 感覚統合の視点:前庭覚・固有覚を整える遊び

寝相を改善するために役立つのが、
前庭覚(バランス感覚)と固有覚(深部感覚)を満たす遊び です。

■ トランポリン(短時間でOK)
■ 布団の上でゴロゴロ転がる遊び
■ 平均台やクッション遊び
■ 公園のブランコ
■ キッズヨガや四つ這い運動

体が「落ち着ける感覚」を得ると、
寝つきや寝相の安定につながります。

※これは最新の口腔機能発達支援の現場でも注目されています。

③ 口を閉じる筋力をつくる“日中の習慣”

■ 唇を閉じて飲み込む練習
■ ストロー飲みは細めを(口輪筋アップ)
■ よく噛むメニューを取り入れる
■ 姿勢を整える椅子を使う

日中の積み重ねは、寝ているときの“舌の位置”に直結します。

④ もし心配なサインがあるなら、早めに小児歯科へ

以下のような場合は、小児歯科や小児矯正相談での診断がおすすめです。

  • 口を開けて寝ている

  • 毎日同じ方向だけ向いて寝る

  • 朝、口の中が乾いている

  • いびき・無呼吸がある

  • 噛むのが苦手、飲み込みがぎこちない

  • 姿勢が崩れやすい

  • 食事中に体がグラグラする

  • 歯並びがガタガタしてきた

2021年からは、
食べる・飲み込む・噛む・呼吸の機能に問題がある場合、「口腔機能発達不全症」として保険適用での診断が可能 になりました。

必要であれば、家庭でできるトレーニングや習慣づくりもサポートできます。

4.まとめ:寝相は“その子の成長サイン”。お母さんのせいではありません

寝相が悪いのは、
「育児が間違っているから」でも
「しつけが足りないから」でも決してありません。

むしろ、寝ている姿勢から
その子の

  • 呼吸

  • 姿勢

  • 感覚の発達

  • 体の安定

  • 口の使い方

といった大切な情報が読み取れる、“ありがたいヒント”です。

そして歯並びは、
こうした日々の小さな習慣の積み重ねで変わっていきます。

寝相・呼吸・姿勢・口腔機能はすべてつながっているため、
ひとつずつ整えていけば、
必ず良い方向に向かっていきます。

もし心配なことがあれば、
小児歯科や小児矯正の専門家に気軽に相談してくださいね。
あなたのお子さんの成長は、まだまだこれから。
そしてお母さんの育児は、どれも間違っていません。

安心して、できることから一緒に進めていきましょう。

まずはご相談ください。

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注意事項

*このページはただ歯科クリニックのブログです。あくまでも当院のの考えに基づいて書かれているもので、他院では診断・治療法・介入のタイミング等は違うことがありますのでご注意ください。

*このページの内容を無断で使用することは固くお断りいたします。

*医療法の改正に基づき術前術後の写真は掲載してません。無料相談時に類似症例を用いて説明をさせていただきます。




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