【2026年1月17日 8:00 PM更新】
こんにちは
仙台市泉区・富谷市からも近いただ歯科クリニックです。
初めての方はこのブログの簡単な注意事項こちらの記事に目を通してください。
こんなお悩みないですか?
「ミルクを飲むのに時間がかかる」
「離乳食をべーっと出してしまう」
「なかなか噛み進められない」
保育の現場で、こんな光景に出会うことは決して珍しくありません。

これらは単なる“好き嫌い”や“性格”ではなく、**口腔機能発達不全症(こうくうきのうはったつふぜんしょう)の初期サインとして見られることがあります。また、背景には感覚の敏感さ・鈍さ(感覚統合の偏り)**が関わっていることも多く、早めに気づき、日常の中で小さな工夫をするだけでぐっと食べやすくなる子もいます。
この記事では、保育者の方が「気づきの視点」を持てるよう、哺乳・離乳の段階で見られる小さなサインと、その子に合わせたサポートのヒントをわかりやすくまとめました
◆ 1. 哺乳の段階で見られる“気になるサイン”
赤ちゃんの飲み方には、すでに口腔機能の発達状態が表れます。
① むせやすい・咳が出やすい
舌・口唇の閉じる力、嚥下のタイミングが整っていない可能性があります。また、授乳姿勢が不安定で頭部が後屈していると、気道が開きすぎて飲みにくくなります。
② 飲むスピードのムラが大きい
“吸う‐飲み込む‐呼吸する”のリズムがまだ形成途中。この段階で無理にペースを合わせると疲れてしまいます。
③ 哺乳瓶の乳首を噛むように使う
舌の前後運動がまだ上手く使えず、歯ぐきで代償していることがあります。感覚鈍麻の子は強い刺激を求めて噛みやすい傾向も。
④ 授乳中に落ち着きがない
触覚・前庭覚の感覚過敏/低反応の影響で“姿勢が落ち着かない”“触れ方に不安がある”ことも。
こうしたサインは、後の「離乳のつまずき」に直結しやすいため、早い段階からのサポートが有効です。
◆ 2. 離乳食で気づきたいサイン
離乳が始まると、さらに多くの“ヒント”が見えてきます。
① スプーンを口に受け入れにくい
口周りの触覚が敏感だったり、逆に鈍くて刺激が分かりづらかったりする場合に見られます。
② 舌で前に押し出してしまう
舌突出反射の残存か、舌の挙上が苦手な可能性。
口腔機能発達不全症の典型的な初期サインでもあります。

③ 食べ物の形状が変わると食べられない
噛む力の問題だけでなく、咀嚼リズムや舌の移送が未熟、もしくは食感の感覚過敏が影響しているケースも。
④ 食事姿勢が崩れやすい
姿勢と食べる力は密接に関連しています。
骨盤が立たず、足がブラブラしている状態では、舌や唇の細かい動きが安定しません。
⑤ 食事中に疲れやすい
舌・頬・唇の筋力だけでなく、全身の抗重力姿勢や体幹筋の弱さが原因のこともあります。
◆ 3. 感覚統合の偏りが「飲む・食べる」に影響するしくみ
食べることは、ただ口だけの動きではありません。
赤ちゃんにとっては “全身の感覚を使った運動” です。
① 触覚(口周囲の敏感さ/鈍さ)
-
敏感:スプーンや食材の刺激が苦痛 → べーっと出す
-
鈍い:刺激が弱くて気づきにくい → 強く噛む、モグモグが浅い
② 前庭覚(身体の安定)
授乳姿勢や椅子姿勢で落ち着けない → 飲み込みタイミングが不安定
③ 固有感覚(筋肉や関節からの情報)
姿勢保持が難しい → 顎や舌が動きにくい → 咀嚼リズムが育ちにくい
こうした感覚の特徴は“育て方のせい”ではありません。
その子が生まれながらに持つ“情報の受け取り方のクセ”です。
◆ 4. 保育者ができる「小さな工夫」
―― 無理に変えなくていい。できる範囲で大丈夫。
① 哺乳時の姿勢を整える
-
頭がグラグラしないよう、首・体幹が一直線になる抱き方
-
赤ちゃんの鼻が上向きすぎない角度
-
肘やクッションを使い、保育者自身の姿勢も安定させる
姿勢が安定すると、舌・唇の動きが驚くほどスムーズになることがあります
② スプーンは“押し込まない”
敏感な子ほど、スプーンを見ただけで拒否することがあります。
-
上唇で軽く取り込める位置で止める
-
口角を引き伸ばさない
-
食材の量は“米粒2つ分”からでもOK
無理に慣らさず、「安心して口に入れられる」経験を重ねることが最優先です。
③ 椅子の調整は想像以上に大事
保育現場の多くの子が、椅子の高さが合っていません。
ポイントは
-
足がしっかり地面または足台に触れていること
-
骨盤が立つ角度で座れること
-
テーブルが胸の少し上あたりに来る高さ
これだけで、噛む力・飲み込みの安定が大きく変わります。
④ 感覚あそびで“食べる準備”をつくる
食べることが苦手な子に、食卓だけで頑張らせる必要はありません。
-
タオルで口まわりを優しく押さえ、触覚に慣れる
-
揺れ遊びで前庭覚を整えてから食事へ
-
手づかみ食べで固有感覚を育てる
-
ストローや口笛で唇の閉じる力を育む
食べる機能は“遊び”の中で自然に育つことが多いです。
◆ 5. それでも「無理に進めない」ことが一番大切
食べるステップは、子どもによって本当にさまざまです。
進みがゆっくりな子は、決して「遅れている」わけではありません。
大切なのは…
-
できない理由があると知ること
-
その子に合うステップまで戻していいと知ること
-
周囲の大人が安心して見守ること
保育者の方が焦らず寄り添ってくれるだけで、子どもは驚くほど落ち着き、食べる意欲が自然と育っていきます。
◆ まとめ
哺乳や離乳がうまくいかないとき、そこには
口腔機能の発達
+
感覚統合の特性
+
姿勢・環境
という複数の要素が関わっています。
「飲む・食べるが苦手かも?」という小さなサインは、
決して心配しすぎる必要はありませんが、保育者が早めに気づくことで、子どもはずっと楽に食べられるようになります。
これからも、無理なく、やさしく、その子のペースを大切にしながら見守っていけますように。
必要であれば、専門職と連携することでさらに安心できるサポートが可能です。
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