【2025年12月20日 8:00 PM更新】
こんにちは
仙台市泉区・富谷市からも近いただ歯科クリニックです。
初めての方はこのブログの簡単な注意事項こちらの記事に目を通してください。
こんなお悩みないですか?
毎日の診療のなかで、25〜45歳のお母さんからもっとも多いご相談のひとつが
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「うちの子、全然噛めなくて…」
-
「丸飲みしてしまうんです」
-
「食べるのが遅い/早すぎる」
-
「よくむせる」
-
「やわらかい物ばかりほしがる」
という“食べ方”にまつわるお悩みです。

「噛めない」ということは、単に“食べ方が下手”という意味ではありません。
お口の機能(口腔機能)や感覚の受け取り方(感覚統合)とも深く関係しており、近年は「噛めない子が増えている」と、小児歯科の分野では大きなテーマになっています。そして実は、こうした“噛む機能の未発達”が進むと、将来の 歯並び や あごの成長 にも影響してきます。
「小児矯正をしたほうがいいのかな…?」と心配になって来院される方も多いですが、その前に、まず なぜ噛めないのか という原因を知ることが大切だと思っています。
今日は、お母さんを責めるのではなく
「なぜそうなるのか」「どうすればいいのか」
を専門家としてやさしくお伝えします。
■ “噛めない子”が増えている背景
まずは、ここ10〜20年で増えてきた原因を、できるだけわかりやすくまとめます。
① 食事のやわらかさの変化
現代の食事は、昔に比べて圧倒的にやわらかくなりました。パン・麺類・おにぎり・グラタン・ハンバーグ…といったように噛まなくても飲み込みやすい食品が多いです。食事中に「飲み物と一緒に流し込む」習慣も増えています。やわらかい物中心だと、あごの骨や筋肉が十分に発達せず、噛む力も育ちにくくなります。
② 早い時期からのタブレット・スマホ姿勢
下を向く姿勢は、頭の重さが首の前に倒れこみ、噛み合わせがずれてきます。そうすることで口の周りの筋肉も間違った方に長時間動くことで、いざ食事の時に噛みたい位置でうまく動かなくなります。その結果歯並びやかみ合わせに影響が出てきます。
③ 感覚の偏り(感覚統合の問題)
近年、小児発達の分野で注目されているのが 感覚統合 です。
食べるときには以下の感覚が同時に働きます。
-
触覚(口の中に食べ物が入った感覚)
-
固有受容覚(あご・舌・唇の動き)
-
前庭覚(姿勢の安定)
-
嗅覚・味覚
これらのバランスがうまく取りにくいお子さんは、
-
食感が苦手
-
口の中に物があると不安になる
-
噛む位置がわかりにくい
-
“丸飲み”のほうが安心
と感じることがあります。
決して「わがまま」でも「しつけの問題」でもありません。
身体が“そう感じてしまっている”だけなのです。
④ 口腔機能発達不全症の増加
2018年から「口腔機能発達不全症」が保険適用となり、
“食べる機能の発達の遅れ”が保険診療でも診断される時代 になりました。
噛めない、飲み込みにくい、口呼吸、食べこぼし、舌が正しく動かない、咀嚼リズムが作れない、こうした症状が複合的にある場合、この診断がつくことがあります。
つまり「噛めない」は、今の時代、とても多くのお子さんに見られる“普通の悩み”なのです。
■ 噛めないと何が起こるの?歯並びとの関係
噛む力が弱いと、あごが発達しにくくなります。
すると、
-
上下のあごが小さくなってスペースが足りなくなります
-
前歯が出る(出っ歯)や反対咬合(受け口)のようなかみ合わせの問題が出ます
未来の歯並びに大きく影響することがあります。
また、噛む回数が少ないと舌が十分に使えないため、
-
舌で前歯を押すクセ
-
飲み込みが幼いまま
-
唇を閉じる力が弱い
-
口呼吸が続く
といった “お口の機能のクセ” が残りやすく、
これも歯並びに直結します。
■ 噛めない子の食べ方の特徴と原因
お母さんがよく相談される「噛めていないサイン」をまとめてみます。
● ① 大きいまま飲み込む(丸飲み)
→ 舌で食べ物を左右に送れない、噛む位置がわからない可能性。
● ② 前歯でチョコチョコ噛んで奥歯を使わない
→ 舌の動きが未熟、噛むリズムが作れない。
● ③ 食べる姿勢が崩れる
→ 足が床に着いていないと、姿勢が不安定になり、上半身・舌の動きも不安定に。
● ④ 食感の好き嫌いが極端
→ 感覚統合の偏りから“ゴリゴリ系・ねばねば系”が苦手なケース。
● ⑤ 飲み込むときに顔を上げる
→ あごの動きがアンバランスで、飲み込む姿勢が不安定なサイン。
こうした特徴は お母さんの育て方とは関係ありません。
ほとんどは、「環境」「食事」「姿勢」「感覚」「口の機能」の影響によるものです。
■ 今日からできる。“噛めない子”を助ける生活習慣
ここからは「じゃあ、どうしたらいいの?」という部分をやさしくお伝えします。
① 姿勢を整える(最重要)
足がしっかり床に着く環境にすること は、噛む発達の基礎です。
-
子ども用の椅子で “足がぶらぶらしない高さ” に
-
座面は浅く座らないよう背中にクッションを
-
テーブルの高さは肘が90度に曲がる程度
姿勢が安定すると、舌・あごの動きも安定します。
② すぐに噛める食事ではなく“噛みやすい工夫”
・ミックス調理にしない
(肉・野菜・炭水化物をごちゃ混ぜにすると噛む回数が減る)
・一口サイズを小さくしない
(丸呑みを促してしまうため)
・噛み切れる厚さの食材を
(きゅうり・りんご・煮すぎていない根菜類)
噛む経験を “無理なく成功させる” ことがポイント。
③ 口遊び・ベロ遊びで“噛む土台”を育てる
-
ほっぺを膨らませる
-
ストローを奥歯で噛まずに吸う
-
舌で上あごをタッチ
-
風船をふくらませる(年齢に応じて)
これらは遊びのようでいて、
実はすべて “咀嚼(噛む力)” につながる練習です。
④ 早めに専門家のチェックを受ける
もし
-
食事が常に丸呑み
-
1年以上改善が見られない
-
食べこぼしが多い
-
よくむせる
-
慣れた食材しか食べない
-
口呼吸が続く
などの症状があれば、口腔機能発達不全症 の可能性があります。
これは保険診療で評価できるため、以前よりお母さんの負担は少なくなっています。
ただし歯並びかみ合わせの問題が大きい場合は自由診療の矯正治療の中で行う可能性もあります。
■ 噛む力が育つと、お顔も変わる
“噛む”という行為は、実は全身の成長に影響しています。
● あごの成長
よく噛むことで、あごが正しく前後・左右に発達します。
● 舌の安定
舌が上あごに収まりやすくなり、口呼吸の改善にも。
● 姿勢が整う
噛むためには体幹が必要。体幹が安定すると座る姿勢が整い、集中力にもつながります。
● 顔つきの変化
頬の筋肉が引き締まり、口元のバランスが整いやすくなります。
これらは“小児矯正の効果”と重なる部分も多く、矯正を“する・しない”の前に、噛む力を育てることはとても大切 と感じています。
■ 「育児のせい」ではありません。
でも、“今日からできること”はあります。
近年の “噛めない子の増加” は、時代が生んだ現象です。お母さんが悪いわけでも、子どもの努力が足りないわけでもありません。ただし、噛む力・食べ方・姿勢・呼吸は放っておいて自然に育つものではない ことも事実です。そして、小児歯科・小児矯正の現場では
「もっと早く相談に来てくれたら、軽いサポートで済んだのに…」
というケースも少なくありません。
お母さんとお子さんが毎日向き合ってきた時間こそが、何よりの財産です。
その積み重ねに 専門家が少しだけ手を添えるだけで、ぐんと育つ子が本当に多い のです。
■ まとめ(お母さんに伝えたいこと)
-
噛めない子は増えている(時代背景が大きい)
-
姿勢・舌・食事・感覚統合が深く関わる
-
噛めないことは歯並びにも影響
-
口腔機能発達不全症として保険適用で診断できる
-
お母さんの育て方のせいではない
-
今日からできる改善方法はたくさんある
もし、今のお子さんの食べ方や歯並びに少しでも不安がある場合は、どうか気軽に小児歯科に相談してください。“噛めない”が“噛めるようになる”と、食べることが楽しくます。お子さんの未来を守る大切な第一歩として、ぜひ今日のお話が参考になればうれしいです。
まずはご相談ください。
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無料相談では費用や期間だけでなく、患者さんの現在の今の状態、なんでこうなってしまったのか?そういったことを話します。矯正の無料相談は、診療日のどの時間でも対応していますが、必ず予約して来院してください。
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注意事項
*このページはただ歯科クリニックのブログです。あくまでも当院のの考えに基づいて書かれているもので、他院では診断・治療法・介入のタイミング等は違うことがありますのでご注意ください。
*このページの内容を無断で使用することは固くお断りいたします。
*医療法の改正に基づき術前術後の写真は掲載してません。無料相談時に類似症例を用いて説明をさせていただきます。
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