【2017年11月28日 6:00 PM更新】
こんにちは
仙台市泉区・富谷市からも近いただ歯科クリニックです。
初めての方はこのブログの簡単な注意事項こちらの記事に目を通してください。
今日は子供の食事についての考え方です。

もくじ
①一年分の食事の回数は何回でしょうか?
②朝ご飯を食べないことで失うもの
③食事で正しい発育を!といっても小学生になったら・・・?
④食育というのは聞こえがいいですが・・・
⑤前歯が生え変わるころに正しい顎の成長ができているかどうかが大事です。
⑥前歯が生えてきて1年してもギザギザの子供は噛んでいない!
⑦まとめ
①一年分の食事の回数は何回でしょうか?
1日3食を1年間食べたら、1095食です。
その1095回の食事を、しっかり噛んで顎の発育をさせる食事をするのか?丸呑みをして噛まないで食事をするのか?それとも食べないのか?それで子供の発育・成長は大きく変わってきます。
極端に言えば野菜をミキサーでまぜてしまっても栄養価だけ取ることも可能です。成長発育期の子供はそれでは正しい発育ができません。栄養は取れるので死なないかもしれませんが、噛まなければ顎は成長していきません。正しい顎の成長・発育がないのに歯だけがきれいに並ぶというのは難しいです。
②朝ご飯を食べないことで失うもの
朝ご飯を食べない子供たち。朝から食べないのか?食べる時間を作れないのか?でも変わりますが朝ご飯を毎日抜いたら食事の機会は1095回から730回になります。
いくら完璧な噛めるお昼ごはんと夕ご飯を食べたとしてもこれでは足りなくなります。
朝ごはんもコーンフレークを牛乳で流し込んでいるのではよく噛んでという話にはなりません。パンをちょっとかじって終わりそういったのも食べているうちに入りません。やはり朝からしっかりと食べるということが必要です。
朝起きれなくて・・時間がなくて・・そうして大事な機会を逃していきます。
別に昨日の夕ご飯の残りでもいいし、おにぎりみたいなものでもいいと思います。ただしっかりと噛む食事をすることが大事です。
③食事で正しい発育を!といっても小学生になったら・・・?

よく食べることで顎の正しい発育をというお話は当院でもします。でも小学校に入って給食が始まれば、給食の中身がどうであれお母さんがコントロールできなくなるのは確かです。
給食が噛める食事になるかどうかはわかりません。年間240回程度はお母さんが噛んでもらう食事のコツを覚えて、実践しようとしてもその機会は減ってしまいます。
それでさらに朝ご飯を食べないのであればお母さんがいくら食事で頑張っても年間の食事の回数は500回を切ります。いくら頑張っても、本来一年間であるべき機会の半分にしかなりません。
給食では噛めることよりも、給食費などで決まった予算で栄養のバランスをとって、安全に食べてもらうのが優先されます。食材を大きくして噛み応えを重視するよりも時間内に火を通すために小さく切ってしまいます。生野菜は食中毒の危険があるので火を通します。いい悪いではなく給食では「噛める」のは優先順位として高くはありません。
④食育という言葉は認知されていますが・・・
「食育」という言葉は認知されていますが、「実際何をするのか?」というとすごく曖昧です。
例えば離乳の時期は正しく食べることをトレーニングしていく大事な時期です。
ある日突然走ったりスキップしたりできないように、転んだりぶつかったりいろいろ失敗しながら歩く動作やそこからの難しい動作を覚えていきます。食事も同じで離乳の時期から正しいことをトライ&エラーを繰り返して覚えていくのです。
そして正しく食べるということができて初めて、正しい成長をしていきます。
決して「食育」というのは気が付いたらするものではないし、ある日始めたら今までのできなかったこともできるようになるというものでもありません。
朝ごはんを食べないで、食事も適当にしていた子供が、ある日から3食頑張っても足りないわけです。じゃぁ足りない分を取り戻すために1日4食食べるかということでもありません。
食育、正しい食事で成長を誘導するのであれば、できるだけ早い時期に正しい方向に修正することが必要です。成長が終わったものを食育で改善するのは難しくなります。
⑤前歯が生え変わるころに正しい顎の成長ができているかどうかが大事です。

6~7歳の前歯の生え変わりの頃にスペースが足りなくなる原因は
①歯が大きいが顎は正常
②顎が小さいが歯の大きさは正常4
③歯が大きくて顎が小さい
の3つになります。
このうち歯の大きさはコントロールできないものなのでしょうがないです。何か下から大きな歯が生えてくる、小さな歯が生えてくるということはありません。また生えてきた歯が成長とともに大きくなったり小さくなったりするわけではありません。
しかし顎の成長が不足しているのは機能や発育の問題、食事の問題によるところが大きくなります。正しく成長ができなければ顎も正しくは成長しないし、そうなるとその分を補うくらいの歯が小さいとかじゃなければ前歯は並びません。さらに乳歯や年齢で必要な量は決まってますので、大人の歯が生えてこなくてもわかる話です。
そうなると同じような前歯のガタガタでも
⓵のような顎の発育成長がある程度できている、機能もほぼ問題がないけど歯が大きかったためにスペースが足りなくて歯が並ばない子供の場合、スペースを作ればいいだけなので治療はシンプルです。
②の場合は顎の成長が足りないのでスペースを作った後に、機能の問題を改善していかないと次に生えてくる歯に問題が出てきたり予後が不安定になります。
③の場合は顎も足りない、歯も足りないので、かなりたくさんのスペースを必要とします。
つまり一番大変になります。
お母さんは見た目のガタガタで大変か?簡単か?と思ってしまいますが大事なの
歯の大きさと顎の大きさの何が問題化ということです。
⑥前歯が生えてきて1年してもギザギザの子供は噛んでいない!
6歳前後に生えてきた前歯が1年してもこのようにギザギザの子供は噛んでいません。

前歯がギザギザしているのは歯の形の異常ではなくて、ギザギザでみんなはえてきます。しっかり噛んでいる子供だと半年ぐらいで削れてきてこのギザギザは無くなります。前歯で噛めていない子供はこれが1年たっても、2年たっても、大人になっても残ってしまいます。
大事なのは前歯で噛むことです。できるだけ食材を大きくして前歯で噛み切れる食事にすることが大事になります。
⑦まとめ
子供の3食の食事は大事な成長のためのものです。
1年間で1095回のトレーニングを大事にしましょう。

お子さんの歯並びが悪くなる癖や呼吸、食事などの生活の問題があります。きれいな歯並びを願うお母さんの思いだけでは正しい発育はできません。問題は口がぽかんと空いている子供に「口を閉じなさい」といっても解決しない様々な間問題が絡み合った複雑なものです。
子供の歯並びを悪くする癖・生活・食事について考えてみませんか?
追記:2023年5月
こういった「食べる」機能の問題がある子供の一部は2018年から「口腔機能発達不全症」という病名で保険診療での治療の対象になることがあります。ただし、歯並び・かみ合わせの問題がある場合矯正治療と同時に行うのは混合診療になるので当院では矯正治療の中で指導をしていきます。
まずはご相談ください。
矯正の無料相談を行っています。(要予約)
無料相談では費用や期間だけでなく、患者さんの現在の今の状態、なんでこうなってしまったのか?そういったことを話します。矯正の無料相談は、診療日のどの時間でも対応していますが、必ず予約して来院してください。
メール予約:こちらをクリックしてください
お口の中を拝見していない状態でのメールや電話での問い合わせにはお答えしかねます。
無断でのキャンセル・何回も予約を変更するなどがあった場合お断りすることがあります。
注意事項
*このページはただ歯科クリニックのブログです。あくまでも当院のの考えに基づいて書かれているもので、他院では診断・治療法・介入のタイミング等は違うことがありますのでご注意ください。
*このページの内容を無断で使用することは固くお断りいたします。
*医療法の改正に基づき術前術後の写真は掲載してません。無料相談時に類似症例を用いて説明をさせていただきます。
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