【子供の歯並び予防18】硬いせんべい食べると子供の顎は成長しますか?


【2018年2月9日 6:00 PM更新】

こんにちは

仙台市泉区・富谷市からも近い ただ歯科クリニックです。

初めての方はブログの簡単な注意事項があります。こちらの記事に目を通してください。

 

今日はよく噛むと顎が正しく発育するというと必ず聞かれることです。

 

もくじ
①「毎日硬いせんべい食べれば顎にいいですか?」
②食べる行為はどこから始まっているのでしょうか?
③硬いせんべいは?するめはどうやって食べますか?
④顎の正しい成長にいい噛み方とは?
⑤子供が噛めるような食事にしましょう。

 

①「毎日硬い物食べれば顎にいいですか?」

するめを噛む

 

矯正の無料相談で「よく噛んでいないので顎が成長していない」という話をお母さんにすると、「では硬いせんべいを毎日食べればいいですか?」とか「するめを毎日食べれば・・」とか言われます。残念ながら硬いせんべいもするめも顎の発育にはあまり意味がありません。

 

噛むというのがどういったことなのか?今日はそういった話です。

 

 

②食べる行為はどこから始まっているのでしょうか?

食べることを難しく「咀嚼(そしゃく)」といいます。この咀嚼という行為はどこから始まっているのでしょうか?

 

咀嚼という行為は「認知」から始まります。例えばソフトクリームを食べるのと、ご飯を食べるのと、せんべいを食べるのと全部食べ方が違います。それは目で見てどういった食べ方をするか?決めているからです。ソフトクリームをご飯を食べるようにガチンと噛んで食べる人はいませんし、せんべいをソフトクリームを食べるように嘗め回して食べる人はいません。

 

ソフトクリームをなめる

 

この時の目で認識をして食べ方を変えるというのはある時点から無意識で行っています。何かに砂が入っていて噛んだときにガリっとなってびっくりするのは硬いものが入っているときの食べ方にしていなかったからです。

 

そういった点で食べる行動は歩くのと同じようにできるようになるまでは練習をしてできるようになると無意識で行うものです。

 

子供は走ると前を向かないでぶつかったり転んだりしますがある年齢になればそういったことはなくなります。かといって大人がすごい注意史ながら毎日歩いているわけではありません。食べるのも同じように離乳や低年齢の時に失敗を繰り返して自分の食べ方を学びます。そしてある時点から無意識でできるようになっていきます。

 

 

③硬いせんべいは?するめはどうやって食べますか?

硬いせんべいを噛む

 

硬いせんべいは大きく口を開いてガチンと噛んだら大変です。歯を支点にせんべいを折るようにして食べます。もしご飯と同じような動かし方で硬いせんべいを食べたい方は試してもらっても構いませんが、歯が欠けたりすることもありますのでご注意ください。

 

するめも同じで噛んだ後にぐりぐり動かすか、噛んだところを支点に引っ張って引きちぎります。ぐりぐり動かすのは横の力で歯は横の力に弱いです。歯周病でこういったことをすれば歯はすぐにグラグラになります。早く歯が抜けてほしいなら揺れてきたぐらいで子供がやれば歯が早く抜けるかもしれませんが、そんな咬み方は顎の成長には関係がありません。

 

ごはんを食べる噛み方と全く同じ噛み方でするめを食べたら食べづらいと思います。噛み切れないでしょう。

 

こういった硬いものを噛んだところで、イレギュラーな硬い食べ物の噛み方をするだけで顎は成長しません。

 

④顎の正しい成長にいい噛み方とは?

顎の成長にいい噛み方とは?

 

硬い食べ物を食べても硬い食べ物の食べ方をするだけで、顎の成長発育に関係はありません。

じゃあどんな噛み方が顎にいいのか?

簡単に言えば一口で30回噛んでくださいということです。

硬いせんべいやするめを30回噛みますか?できますか?といったら無理です。スルメを噛んだままぐりぐり引っ張ることはあってもスルメを30回噛むことはないです。硬いせんべいをバリバリ口の中で噛み続けることもないです。

 

子供に30回噛んでもらうにはどうしたらいいでしょうか?

毎回食べているときに子供に数えさせるとか、お母さんが食べてるのをじっと見ているとかするんですか?みたいな話になるのですがそれも全く違います。

 

⑤子供が噛めるような食事にしましょう。

例えば食事中の椅子。足が床についていないと不安定になり頭が前に出て猫背になります。姿勢が悪くなることで噛む回数が30%ほど減ってきます。椅子ならば両足を床につける、別に身長が伸びて変わる子供に合わせて椅子を買うのではなく、足元に何かを置いて両足が付けばいいです。

 

もしくは正座。サザエさんとかでもそうですが正座でみんなで食卓を囲むようなのが本来の日本の食事のスタイルです。

 

正座する子供

 

あぐらや女の子座りは背骨が曲がるので気を付けましょう。

 

女の子座りをする子供

 

また食べやすいからとどんどん食材が小さくなれば前歯で噛み切らないので食べる回数が減ります。

 

餅をかみ切る

お年寄りがのどに詰まらせることはあるので気を付けてほしいのと一回でたくさん入れる必要はないですが、餅は前歯で噛んでもらいたいです。

 

噛み切らなくていい餅

 

でもコンビニで売っているような餅は噛まなくても大丈夫です。もちろん安全ではありますが。

食材が小さくなれば噛みやすいけれども、それは逆に言うと噛まなくていいものです。

トウモロコシをまるまるかぶりつくのか?小さく切ってかぶりつくのか?粒をきれいに取って食べるのか?

 

トウモロコシを噛む子供

 

栄養は食べれば一緒です。いっそコーンスープにすれば飲みやすいですがそれはもはや流動食です。

しっかり前歯で噛めるような大きな食材を出すことを心がけましょう。

 

他にも食事の時に水があると噛まないで流し込めばいいので噛みません。

本来食事中に飲み物はいらないのですが、外食産業が置くようになってそれが今家庭でも当たり前になっています。なぜ外食産業が食事に水を出すのか?早く噛まないで食べてもらった方が回転率が上がります。テーブルの椅子が4つしかないのに家族が10人いるのなら家庭でも回転率が大事ですがそんなことはないと思います。

 

そもそも鼻呼吸ではなく口呼吸であれば食事中に息が続かないので噛まないで飲み込みます。ポカンと空ている口では噛んでといっても噛めません。

口呼吸の口元

 

 

 

こういったことを一つ一つ改善していくことで「噛んでいない子供」から「噛める子供」になっていき正しい顎の発育・成長を誘導します。すごい小さい大人の歯が生えてくるなら別ですが、顎の成長が足りなければ歯の大きさが平均的でも6~7歳で前歯のスペースの問題が出ます。顎の成長が足りないスペースの問題はそれまでの子供の育て方の問題です。

 

 

 

繰り返しになりますが硬いせんべいを噛んでも、するめを噛んでも、顎は成長しません。

 

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お子さんの歯並びが悪くなる癖や呼吸、食事などの生活の問題があります。きれいな歯並びを願うお母さんの思いだけでは正しい発育はできません。問題は口がぽかんと空いている子供に「口を閉じなさい」といっても解決しない様々な間問題が絡み合った複雑なものです。

子供の歯並びを悪くする癖・生活・食事について考えてみませんか?


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