プレオルソ(機能的マウスピース矯正装置)を用いた乳歯の反対咬合の矯正治療


【2025年10月25日 10:06 AM更新】

こんにちは

仙台市泉区・富谷市からも近いただ歯科クリニックです。

初めての方はこのブログの簡単な注意事項こちらの記事に目を通してください。

 

乳歯列の反対咬合(受け口)が気になる親御さんへ。
成長に合わせた正しいタイミングで治療を始めることで、お子さまの将来的な矯正治療の負担を大きく軽減できる場合があります。本記事では、マウスピース型矯正装置「プレオルソ」を用いた反対咬合の早期治療について、歯科医師の立場から分かりやすくご説明します。

目次

  1. 反対咬合(受け口)とは?

  2. なぜ早期治療が重要なのか

  3. プレオルソとは?

  4. プレオルソによる反対咬合の治療法

  5. 治療の流れと期間の目安

  6. よくある質問(Q&A)

  7. まとめ

1. 反対咬合(受け口)とは?

反対咬合とは、下の前歯が上の前歯より前に出ている状態を指します。一般的には「受け口」とも呼ばれます。

小児の反対咬合の主な原因

  • 骨格のアンバランス(下の顎が大きい、上の顎が小さい)

  • 舌や唇の使い方の正しい発達ができていない

  • 遺伝的な要素

放置すると、顎の骨格に影響を及ぼし、見た目や発音、咀嚼機能に問題が生じる可能性があります。

これらが別々に起こっているのではなく、遺伝できな要素もある子が正しい発達ができない中で機能もついてこないことでより悪化したりします。また下の顎が大きくなるのは遺伝的傾向も強いですが、上の顎が小さいのは発達が正しくできていない場合も多いです。

乳歯の反対咬合

2. なぜ早期治療が重要なのか

子どもの顎の骨は、成長途中で非常に柔軟性があります。
この「成長を利用する」ことが、小児矯正では非常に重要です。

早期に治療するメリット

  • 顎の正しい成長をサポートできる

  • 本格矯正(ワイヤー矯正など)を回避または軽減できる可能性

  • 習癖(舌のクセ、口呼吸など)を改善しやすい

  • 精神的・身体的な負担が少ない

適切な時期に開始することで、将来的な外科手術の必要性を避けられることもあります。

適切な時期というのは具体的に言うと

上の顎は脳頭蓋の骨の一部なので10歳前後までに前方成長が終わります。

一方で下の顎は腕や足の骨と同じなので、第二次成長期の身長が伸びる高学年から中高にかけて動きます。この上の骨と下の骨のギャップがあるので、できるだけ早い時期から上の顎の骨を前方に引っ張れるかどうかが反対咬合の早期治療のポイントになります。

 

3. プレオルソとは?

プレオルソは、小児矯正用の機能的マウスピース矯正装置です。柔らかい素材でできており、反対咬合の場合、主に乳歯列の3歳ぐらいから、7歳前後の子どもを対象としています。

特徴

  • 就寝中+日中1時間程度の装着

  • 取り外し可能で衛生的

  • 痛みや違和感が少なく、続けやすい

  • 顎の成長誘導・舌のトレーニング効果も

対象となる主な症例

  • 反対咬合(受け口)

  • 深いかみ合わせ(過蓋咬合)

  • 開咬(前歯が閉じない)

  • ガタガタの歯並び(叢生)

    *歯並びによって適用の症例や年齢、条件が変わってきます。今日は反対咬合(受け口)での話になります。

4. プレオルソによる反対咬合の治療法

プレオルソは、顎の骨格や口腔周囲筋、舌の位置・使い方も含めて調整することで結果としてかみ合わせを変えていく装置になります。

治療の目的

  • 上下の顎のバランスを整える

  • 噛み合わせを改善する

  • 正しい口腔機能の獲得

特に反対咬合の治療では、上顎の前方成長を促すことがポイントになります。プレオルソはその成長をサポートします。

またプレオルソああくまで最終的な治療ではなく、最初の治療として行われることが多いです。特に反対咬合は第二次成長期から下の顎の前方成長が始まるので、10歳前後までに上の顎を前方に引く必要があれば次の治療を提示することがあります。

5. 治療の流れと期間の目安

■ 初診(カウンセリング・診断)

  • 治療の適応があるかどうかを判断(早期治療の効果があまり認められない骨格性の反対咬合の場合医療をお断りすることがあります)こういった診断用のマウスピースを入れて下顎が後ろに下がる子供が早期治療の適応と当院では判断します。下がらない子供は遺伝要素が強い骨格的問題が強い子供になります。

 

■ 装置の装着・指導

  • レントゲンの撮影や型取りなどの診査診断
  • プレオルソの装着練習

  • 正しい使い方・保管方法などの取り扱いの指導

■ 治療期間の目安

  • 乳歯の場合は上の歯の前歯が生えてくるまで(その時にレントゲン撮影をして次の治療が必要かどうかを診査診断していきます。)

  • 月に1回程度の通院で経過観察・装置の調整

基本的には反対咬合は身長が止まるまで下の顎が動いてきますので、女子だと中学生、男子だと高校生までは経過を観察する必要があります。

6. よくある質問(Q&A)

Q. 何歳からプレオルソを始められますか?

→当院では3~4歳で開始する子供もいます。

Q. 毎日つけないと効果は出ませんか?

→ 基本的には毎日の装着が必須になります。ただし、本人の口腔機能の発達が遅れている場合朝まで装置を入れられないで外れていることがありますがそれは気にしないでください。口腔機能の向上とともに入るようになります。ただし毎日入れて寝ようとはしてください。

Q. 食事や学校で装着する必要はありますか?

→ 食事中や学校での装着はお願いしていません。就寝時と自宅での装着が中心です。

Q. 保険は使えますか?

→ 保険適用外(自費治療)になります。費用は医院によって異なります。

7. まとめ|プレオルソで将来の負担を軽く

反対咬合は、「様子を見る」より「早く気づき、早く対応する」ことが重要です。

プレオルソによる早期治療は、お子さまの自然な成長を利用しながら、負担を最小限に抑えつつ、正しい噛み合わせと口腔機能を育てていく矯正方法です。

以下のような場合は、ぜひ一度ご相談ください。

  • お子さまの前歯が逆に噛んでいる

  • 将来の矯正治療の負担を抑えたい

お子さまの健康な発育のために、正しいタイミングでの対応を一緒に考えていきましょう。

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注意事項

*このページはただ歯科クリニックのブログです。あくまでも当院のの考えに基づいて書かれているもので、他院では診断・治療法・介入のタイミング等は違うことがありますのでご注意ください。

*このページの内容を無断で使用することは固くお断りいたします。

*医療法の改正に基づき術前術後の写真は掲載してません。無料相談時に類似症例を用いて説明をさせていただきます。




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