【2017年12月12日 6:00 PM更新】
こんにちは
仙台市泉区・富谷市からも近いただ歯科クリニックです。
初めての方はこのブログの簡単な注意事項こちらの記事に目を通してください。
今日は鼻の呼吸が口とは無関係ではないというお話です。
もくじ
①口の中の天井は 鼻にとっては・・?
②鼻呼吸ができていないと・・・
③実際に見てみると
④上の顎が深いが主訴になることはないですが・・・
⑤まとめ
①口の中の天井は 鼻にとっては・・?
上のあごは口の中を一つの部屋とすると天井になります。当たり前ですが、口の上は鼻になっています。鼻の中にとっては口の中の天井は床になります。
鼻の中の空気が入る空洞を鼻腔といいます。この鼻腔の下、つまり床は上の顎になります。
鼻は鼻、口は口で一つになっているのではなくつながっているということが大事です。
②鼻呼吸ができていないと・・・
鼻呼吸の子供は毎日鼻で呼吸をすることで鼻の中に大量の空気を送り込んでいます。まだ柔らかい成長途中の子供の骨はそうやって毎日送り込まれる空気で極端に言えば膨らんでいくように広がっていきます。正しい鼻呼吸をすることで鼻の中も発達をしていきます。
一方口呼吸の子供は鼻を使わないので鼻の中に空気が入っていきません。
そうすると鼻の中が正しく成長できなければ、上の顎の骨も正しい発育成長ができなくなります。
成長が足りない上の顎に対して、下の顎が成長を普通にすれば乳歯から受け口・反対咬合となってしまいますし、成長が足りない上の顎に対して下も成長が足りなくなれば深いかみ合わせの過蓋咬合と呼ばれる乳歯の歯並びになってしまいます。
永久歯が生えるころになればスペースが足りなくなるといった問題になってしまいます。
③実際に見てみるとどうでしょう
左側の方が口呼吸で上の顎、鼻の床が正しく成長できなかった人です。
右側が鼻呼吸で正しい成長をした方です。
左側の方ぎゅっと左右から押されて小さくなり、真ん中の谷間が深いのがわかると思います。
これに仮に同じ高さの鼻の空洞があったとするとこういった感じになります。
(実際は同じ高さにならないですが)
このようになるとわかると思いますが、どっちが広いかといえば一目瞭然だと思います。
成長できなかった上の顎の骨により左は横幅だけではなく、縦幅にも小さくなります。
仮に同じ鼻呼吸をこの時点でしても空気を送り込める量が違ってくるわけです。
ウォルフの法則というのがあります。ドイツの外科医ユリウス・ウォルフ(1836~1902)が唱えた「骨は反復される長期間の機能に従って、その機能の最も適した形態に変化する」という法則です。
鼻を使っていない人の鼻の中は使っていない人なりに成長をしますし、鼻呼吸がしっかりできている人の鼻の中はしっかり成長をします。
そして鼻の中の空洞は口の中の天井ですので、上の顎の劣成長という問題を起こします。
永久歯が並ぶスペースが足りないからスペースを作りましょうと言っても、もともとの顎がどれくらいの成長をしているのか?というのは治療の難易度が変わります。見た目の歯のガタガタの歯並びで判断をしてはいけません。器械的な力で歯列を広げれば鼻が使えるようにはなりませんし、使わなけれなまた悪い方に成長をします。
特にこれからまだ成長をする子供たちの矯正は、ただ歯並びだけをなおすのではなくこういった成長が正しくできていないところを改善しなければ次の問題が発生します。
④「上の顎の天井が深いが気になる・・」が主訴になることはないですが・・・
上の顎の天井のところを、口蓋といいます。
こうした口蓋の劣勢長を「口蓋が深い」とか「硬口蓋」といいます。
これ自体が患者さんの主訴になることはないですが、この口蓋が正しい成長ができているかどうかは大事な診断材料です。
子供が口呼吸であることを指摘された時によくお母さんは「じゃぁ、明日から口を閉じさせます」というのですが突然口を閉じても、鼻呼吸はできません。
鼻呼吸をするためには舌が正しい位置。上の顎の歯ぐきについていないといけません。
口呼吸だけど舌だけが正しい位置にある子供はいません。それなら空いている口からは是鵜の裏側が見えます。しかし口呼吸の子供は全員舌が下がっています。口呼吸の問題は口を閉じる閉じないではなく、口の中での舌の位置の問題です。舌を上に上げるためにはそのために筋肉がつかないといけません。口を閉じても中の舌が上がっていなければ苦しくて鼻で呼吸ができません。
さらに口呼吸で公害が狭くなっている子供は、鼻で息をしても鼻腔が狭いので空気が入っていきません。「口を閉じて鼻で息をしよう!」と言ってもできないのです。
上の顎の成長が足りないために受け口・反対咬合になっている子供の場合成長期の早期に上の顎の成長を改善することで呼吸の量や鼻腔のスペースなどが改善したという報告も最近では上がっています。気になるのが歯並びだけであってもそれだけでない問題があるということお母さんには知ってもらいたいです。
6~7歳の永久歯の生え変わりの時にスペースの問題があった時にこのように、口呼吸で狭い口蓋の形態になっている子供と、鼻呼吸ができていて正しい口蓋の形態にあっている子供では同じようにスペースを作りに行っても反応は大きく変わってきます。
⑤まとめ
鼻呼吸によって鼻の中が正しく成長することは、上の顎の骨の正しい成長を誘導する一つになります。
上の顎の骨が正しい成長をすることで、下の顎の骨もそれに合わせて正しい成長をしていきます。
逆に口呼吸により正しい成長ができなかった上の顎の骨に対して、下の顎の骨が正常な成長をしようとすればアンバランスから受け口のようになったり、上の顎に合わせていけば下の方でもスペースの問題が起こります。毎日寝ているときに口を空いていびきをかいているか、口を閉じてスヤスヤ寝ているかといったことでも違いますね。
また成長の時期の、骨が動かしやすい時期であっても、もともと正しい成長をしている鼻呼吸のお子さんと、正しい成長ができていない口呼吸のお子さんでは反応が違ってきます。
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