【小児歯科8】歯が生えるのが遅くて心配(永久歯編)


【2023年7月10日 1:20 PM更新】

こんにちは

仙台市泉区・富谷市からも近いただ歯科クリニックです。

初めての方はこのブログの簡単な注意事項こちらの記事に目を通してください。

 

今日は小児歯科でよく相談される歯の生え変わりについての話です。

 

もくじ
①大人の歯がなかなか生えてこない
②生える時期の幅はお母さんが思っている以上にある
③5人に1人は生え変わりの問題がある
④一番多いのは先天欠損。永久歯がない場合です。
⑤犬歯が変なところから生えてくる(異所萌出)
⑥早すぎる乳歯の脱落も永久歯を生えづらくします。
⑦まずはご相談ください

 

①大人の歯がなかなか生えてこない

よく乳歯から永久歯の生え変わりで、

「大人の歯がなかなか生えてこない!」と不安になるお母さんがいます。

 

結論から言おうと

まずは歯科医院に見せに行った方がいいと思います。

できたら小児歯科に詳しい歯科医院がいいかと思います。

 

②生える時期の幅はお母さんが思っている以上にある

例えば6歳前後に生えてくる奥歯を「6歳臼歯」と言いますが、

下の6歳臼歯なら

2019年に小児歯科学会が調べたものだと

男の子は5歳10か月~7歳6か月
女の子は5歳6か月~7歳0か月

となっています。

 

6歳ぴったりに生えるといわけではありません。

5歳で生える子供もいれば7歳で生える子もいて

それでも問題ではないということになります。

 

さらに男女差でいくと女の子は生え変わりは早い傾向があり、男の子は遅い傾向があります。

 

ここから言えるのは

お姉ちゃんが5歳で生えたのに弟は7歳で生えてないから心配というのは

標準の範囲内ではあるし、男女差もあるので問題がない

となります。

 

生え変わりが「早い傾向」か「遅い傾向」かを見分ける方法としては、いつ乳歯が生えていたかも大事な要素です。乳歯が生えたのが早い子は永久歯の生え変わりも早い傾向がありますし、10か月ぐらいになっても乳歯が生えなかったという子は、永久歯の生え変わりも遅い傾向があります。

そしてこの時期になると「何か月で乳歯が生えたか」忘れているお母さんも多いです。

 

 

③5人に1人は生え変わりの問題がある

歯の萌出障害といわれる生え変わりの歯のトラブルは色々な統計を見ていくと

だいたい2割前後あるといわれています。

 

こういった生え変わりのトラブルは早期に見つけて、対応が必要になる場合もあります。その場合には保険診療ではなく自由診療の矯正治療が必要な場合もあります。

 

④一番多いのは先天欠損。永久歯がない場合です。

2011年の15000人近くを調べた調査で10人に1人いるといわれています。

下から乳歯を押していく永久歯がないので、

本来抜ける時期になっても乳歯が抜けなかったり、

左右上下の同じ部位の乳歯が抜けているのに明らかに揺れていないとか

そういった場合は永久歯がそもそもない可能性があるので注意が必要です。

 

先天欠如歯

 

基本的に永久歯のあり・なしはレントゲンを撮影しないとわかりません。

またスクリーニング的なレントゲン撮影は保険診療では認められていないのでご注意ください。

 

他にも乳歯の癒合歯などは部位によっては60~70%近い永久歯の欠損があるので、そういったことを考慮しながら時期が来たらレントゲンで調べることがあります。

 

⑤犬歯が変なところから生えてくる(異所萌出)

犬歯以外でもありますが、1本単位でちょっと外側に、内側に、前に後ろにと生えてくることもあります。これは5%いかないくらいで起こります。

犬歯の場合位置がずれることが多く、場合によっては隣の歯とかの根っこを吸収したりすることがあるので注意が必要です。

このように手前の歯の永久歯に引っかかってしまうとよくないです。

赤い矢印の方向に犬歯を引っ張らなければいけません。

対応は自由診療の矯正治療が基本となります。

 

反対の乳歯が結構揺れているのに、全く揺れていないとか、

反対側の永久歯が出ているのに、乳歯が全く揺れていないという場合は

ちょっと注意が必要です。

 

⑥早すぎる乳歯の脱落も永久歯を生えづらくします。

乳歯が早く抜けてしまうと、歯茎が固まって永久歯が出れなくなることもあります。

 

よくあるのはグラグラしてきて自分で抜けない、抜きたくないから抜いてほしいとかなり早い段階で歯科医院に連れてくるお母さんがいます。そうやって抜歯をしてしまうといざ永久歯が生えようとするときに歯茎が硬くて時間がかかってしまうということがあります。

 

また本人が気にして噛めないからといった相談も受けたりするのですが、子供の場合はグラグラしているところがあると他のところで噛めるように顎がある程度自由に動けるようになっています。でもお子さんによってはかみ合わせや口腔機能の発達の遅れでうまく口が動かない子供がいます。そう言った子供の場合機能面のアプローチが先で、噛みづらいからと毎回早めに乳歯を抜いていくと、永久歯の萌出のトラブルを招くことがあります。

 

⑦まずはご相談ください。

まずは「大人の歯が生えるのが遅い」時になるようでしたらご相談ください。

ただし保険診療では「歯が生えるのが遅いので永久歯の有り無しを調べる」ということはできませんのでご注意ください。

 

また矯正治療を行う場合は必ず全体のレントゲンを撮るので歯の萌出の問題は見つけやすくなります。当院での矯正相談は無料で行うかわりに、レントゲンは実際に矯正をする時に診査で撮影をするのでその時にこういった問題は出てきます。

 

矯正相談では費用や期間だけでなく、患者さんの現在の今の状態、なんでこうなってしまったのか?そういったことを話します。矯正の無料相談は、診療日のどの時間でも対応していますが、必ず予約して来院してください。

メール予約:こちらをクリックしてください

お口の中を拝見していない状態でのメールや電話での問い合わせにはお答えしかねます。

無断でのキャンセル・何回も予約を変更するなどがあった場合お断りすることがあります。

 

【保険診療での口腔機能発達不全症について】

①乳歯では6か月、永久歯では1年以上減筋の萌出時期を過ぎての歯の萌出がない場合

②平均的な歯の萌出順序からすでに萌出する歯が生えていない

③反対側の同じ部位の歯が出てから1年以上萌出がない場合

のどれかを満たしている場合と、それ以外の数個の必要な条件を満たした場合「口腔機能発達不全症」として継続的な管理が2018年から保険診療でできることになりました。

詳しい条件等がありますので歯の生え変わりが「何となく遅れている」では適応になりません。

また歯並び等の問題があり矯正治療を同時に行う場合は混合診療の可能性がありますので矯正治療の中で歯の生え変わりを確認しています。

 

口腔機能発達不全症はブログにも書いてますのでこちらをご覧ください。

【子供の歯並び予防52】口腔機能発達不全症をご存じですか?

 

注意事項

*このページはただ歯科クリニックのブログです。あくまでも当院のの考えに基づいて書かれているもので、他院では診断・治療法・介入のタイミング等は違うことがありますのでご注意ください。

*このページの内容を無断で使用することは固くお断りいたします。

*医療法の改正に基づき術前術後の写真は掲載してません。無料相談時に類似症例を用いて説明をさせていただきます。




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