【2023年9月1日 9:23 AM更新】
こんにちは
仙台市泉区・富谷市からも近いただ歯科クリニックです。
初めての方はこのブログの簡単な注意事項こちらの記事に目を通してください。
子供の矯正のタイミングについていろいろな考え方があります。
その中で今日はある視点からのお話をします。
もくじ
①子供の矯正治療はいつから始めるの?
②骨の成長は10歳までが一つのポイント
③反対咬合は10歳前と10歳以降でアプローチが変わります。
④スペースの問題も同様に10歳が一つのポイントになります。
⑤まずは6~7歳までには相談をしましょう。
⑥上の顎の成長は前歯で噛むことが大事です。
①子供の矯正治療はいつから始めるの?
「子供の矯正治療はいつから始めるの?」というのはよく聞かれます。
たぶん歯科医師によって医院によって異なる答えが出てくると思います。
例えば当院なら乳歯で矯正治療を始める場合もありますが、何でもではなくこれはこういった理由で、これはこういった理由でというのがあって、一部の歯並び、かみ合わせでは始めます。一方で乳歯の時期には必要ないということでその時期はしないで、永久歯が生えたら、生え変わりが全部終わったら矯正治療を開始するという先生もいます。
誰が正しい、間違っているということではなく、色々な考え方があり、それに対してお母さんお父さんが今始めたほうがいいというのであればした方がいいし、待ちたいのであれば待ったうえでそういった先生の治療をされればいいと思います。
そして今日は当院の考えについてお話しします。
②骨の成長は10歳までが一つのポイント
スキャモンの発育曲線というものがあります。
一般形、神経型、リンパ型、生殖型といった4つに分けて人の成長のスピードやピークが違ってくるものを表したグラフです。
上の顎の骨と下の顎の骨は同じ歯が並んでいる骨なので成長は同じようにすると思ってしまうお母さんがいますが別な骨になります。
上の顎の骨は脳の周りを囲む骨の一部になるので神経型と呼ばれる成長に近い成長をしていきます。
一方で顎関節という関節でぶら下がる、下の顎の骨は、肩や肘、股関節や膝といった関節にある腕や足の骨の成長に近い一般型に近い成長をします。
これによって何が変わるかというと成長のピークの時期が変わります。
上の顎の骨は10歳ぐらいまでにほとんどの成長が終わるのに対し
下の顎の骨は6歳ぐらいまでに成長をした後緩やかになり、第二次成長期の身長が伸びる時期女の子だと小学校高学年~中学生にかけて、男の子だと中学生~高校生くらいにかけて変化をします。
③反対咬合は10歳前と10歳以降でアプローチが変わります
この話が前提にあるとすると例えば反対咬合、受け口は
10歳までは上の顎を前方に成長させることで、反対咬合を改善させていく
ということになりますし
10歳以降であれば、下の顎がこれからどんどん前に出てくるので、成長のピークが終わるのを待って抜歯や外科をしたうえでの矯正治療で対応する必要があります。
この状態で7歳であるならばまだ上の顎の成長が期待できるので上の顎を前方にひいて改善することができるかもしれませんが
同じ歯並びでも10歳近くに来ているのであればここから下の顎が前に出るので、自然に治ることはないですし、どんどん動くので成長のピークが終わるころまでの動きで最終的な治療が決まってしまいます。
今の歯並びが気になるかどうか?
で矯正をする・しないを考えてしまうとタイミングを逃してしまうことになります。
この状態で10歳過ぎてきて、簡単に・・・歯は抜きたくない・・・というのは無理になります。
④スペースの問題も同様に10歳が一つのポイントになります。
ガタガタでスペースがない歯並びの場合も、この上の顎の骨がとても大事なポイントになります。
スペース自体は歯の大きさが平均に近いか、大きいかでも変わりますが、低学年でも、高学年でもケースによっては中学生になってからでもスペースを作ることは可能です。
一方で先ほどの上の顎の骨の成長は10歳までなので何が変わるかというと
こういった前歯の根元の骨の成長が変わります。本来は小さいころから食事でしっかり前歯を使っていく刺激でこの根元の骨がしっかり出てくるのですが、前歯を使っていない子供は根元の骨が前に出ないので
歯の位置は悪くないのに出っ歯に見えてしまいます。
先ほども話したようにスペース自体は年齢が多少上がっても作ることは可能なのですが、この根元の骨は10歳までに前方に出せるかどうかが大事になります。つまり10歳以降はスペースは作って歯が並んでも骨の成長がないために歯が出ているように見える可能性が出てしまいます。
それがどうしても気になるというのであれば、抜歯をしてそこからならべないといけません。
⑤まずは6~7歳までには相談をしましょう。
ということで6~7歳で前歯が生えてきたら
今の子供の歯並びが気になるかどうか
ではなく
「ちょっとスペースが足りなくて並んでないなー」
とか
「受け口になりそうだな―」
とか
「なんか歯が出て見えるなー」
といったときに
でも大丈夫かも?
と自分で判断しないで
相談されるのがいいと思います。
一番困るのはこういった成長の上下の違い、タイミングを知らないことで治療の介入時期が遅れ選択肢が狭まることです。
反対咬合で身長が伸びる中学生くらいに
「よくなるかと思って様子を見ていたけど、下顎が出てきたので・・・」
と相談に来ても介入時期は身長の伸びるピークが過ぎてからになりますし、その間思春期の時期その歯並びで過ごすことになります。
前歯がガタガタでスペースが足りない、中学生や高校生になってから見た目が本人が気にしてとなっても抜歯が必要になったり、どうしても歯を抜きたくないとなると上の顎の骨の成長が足りないと前歯が出ている感じが残ります。
「あのときこうすればよかった・・・」とならないようにまずは6~7歳で相談することが大切だと思います。
⑥上の顎の成長は前歯で噛むことが大事です。
遺伝的な要因や先天的なものもありますが、上の顎の前方の成長を引き出すのは
前歯で噛むことです。
離乳の時から、スプーンを口の中に入れて食べ物を落とすのではなく
口の前に置いたスプーンを自分で捕まえること動きが大事になります。
色々な食べ物を前歯で噛んでいく動きが大事になります。
これだけやれば歯並びが必ず良くなるわけではないですが
これをしなかったために後で大変になってしまう、条件が悪くなってしまうといったことは避けれます。なにより10歳過ぎたら頑張っても動かない骨は動かないので、できるうちにできることはするべきだと思います。
またこういった小さいころから大事なことを母親教室でも話しています。
直近はは9/8になります。
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注意事項
*このページはただ歯科クリニックのブログです。あくまでも当院のの考えに基づいて書かれているもので、他院では診断・治療法・介入のタイミング等は違うことがありますのでご注意ください。
*このページの内容を無断で使用することは固くお断りいたします。
*医療法の改正に基づき術前術後の写真は掲載してません。無料相談時に類似症例を用いて説明をさせていただきます。
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