【2017年8月29日 6:00 PM更新】
こんにちは
仙台市泉区・富谷市からも近いただ歯科クリニックです。
初めての方はこのブログの簡単な注意事項こちらの記事に目を通してください。
今日は食事の時にクチャクチャ音を立てて食べる子供のお話です。
もくじ
①音を立てて食べるのは行儀の悪い子?
②注意をしても治りません。
③機能の問題なら正しい機能を獲得しないといけません。
④機能改善は早ければ早いほど効果的です。
①音を立てて食べるのは行儀の悪い子?
食べるときにくちゃくちゃと音を立てて食べる子供に悩まれているお母さんがいます。
食事中に音がなるので行儀が悪いと注意してもなかなかな治らないと思います。
そういった音を立てながら食事をするのは
行儀がいい・悪いといった
本人のパーソナリティの問題ではなく、
機能の問題です。
②注意をしても治りません。
本人の行儀の問題ではなく機能の問題であるのならば
お母さんが注意をしてもなおりません。
正しくごっくんのものをの飲みこむときには舌は上の顎の歯ぐきに当たっていなければいけません。食べるときに音が出てしまう子供はここまで舌が上がらずに歯の裏側にあてたり、上と下の前歯から舌が出てきたりします。
本来離乳の時期に正しい舌の動かし方を覚えないといけなかったのですがそれが何らかの理由でできないため正しい動きができていない状態です。
また音が漏れるのは口が空いていて閉じれてないことも多いです。
普段から口呼吸で、口を閉じる力もないので隙間から音が漏れます。食事をしているときに正しく呼吸ができていないのも原因の一つです。普段から口呼吸で口を閉じる唇の筋肉が緩んでいれば食事の時だけ閉じることもできません。
口呼吸でいつもぽかんと口を開いていてカサカサの唇なのに、食べるときだけ正しい事をしろというのは無理です。
音を立てて食べる子供は
行儀が悪いのではなく
正しい飲みこみができなくて苦しいので音がしているのです。
③機能の問題なら正しい機能を獲得しないといけません。
まずは正しい舌の位置と正しい呼吸を覚えないといけません。このような子供は機能の問題があるので、歯の生え変わりがある6~7歳の頃に大人の歯も問題がある機能に合わせて間違った位置に生えてきます。間違った位置の方がその子にとっては使いやすい位置だからです。もしも歯並びだけがきれいに並んでもそれを正しく使えないので本人には苦しい使いづらい歯並びになります。
本来舌は
写真のような上の顎の赤丸のあたりについていないといけません。できれば先っぽではなく舌全体がついているといいです。
舌が正しい位置につくと何がいいのか?
口呼吸の子供は開いている口から舌がしっかり見えます。下の歯にぴったりついています。もし口は開いているけども舌は正しい位置にあるのであれば開いている口からは舌の裏側が見えていないといけません。でもそのような子供はいません。
なぜかというと、舌が下がっているときは口の気道が行きます。だから口でしか呼吸ができません。一方で舌が正しい位置に上がると口の気道は閉じて鼻でしか呼吸ができなくなります。口呼吸の子供に口だけ閉じるように言っても苦しいだけなので無理です。
ただしい呼吸、正しい呼吸を覚えていないことが問題です。
食事中の「くちゃくちゃ」した音に気を取られてしまうと問題の本質が見えなくなりますが、大事なのはそれ以外にもできていないこと、他の子供たちと違うことを見つけてその子の全体の問題を把握することです。
④機能改善は早ければ早いほど効果的です。
多く場合、他の子供と一緒に食事をするときに「おかしいな?」と気づくので、幼稚園や小学校に入学して音を立てるのを指摘されて気づいたりします。こういった機能の問題は年齢が高くなってからよりも早い段階から改善していくのが効果的です。
また間違った機能があれば、それに引っ張られて骨や筋肉が間違った成長をします。もちろん歯並びというのもそういった正しくない成長に引っ張られていきます。
そういった成長をしてからはより改善がをしても成長をしてしまったものは戻りません。
大人の歯が生えてきた6歳前後で歯並びの相談に来る子供たちの多くは歯並びの問題だけが単独で起こっているのではなくこういった機能の問題による正しい成長・発育ができていない結果として歯並びにも問題が起こっています。
音を立てて食べていた子供が歯並びだけきれいに並んでも、食べるときの音はそのままです。子供の歯並び、小児矯正でも機能のもんだというのは歯並びとは無関係ではありません。
「音立てないの!」といっても機能の問題であるのならば、まずは正しい機能を獲得していくのが大事です。
追記:2023年5月
こういったクチャクチャ食べるということ以外にも「食べる」機能の問題がある子供の一部は「口腔機能発達不全症」という病名で保険診療での治療の対象になることがあります。ただし、歯並び・かみ合わせの問題がある場合矯正治療と同時に行うのは混合診療になるので当院では矯正治療の中で指導をしていきます。
まずはご相談ください。
矯正の無料相談を行っています。(要予約)
メール予約:こちらをクリックしてください
お口の中を拝見していない状態でのメールや電話での問い合わせにはお答えしかねます。
無断でのキャンセル・何回も予約を変更するなどがあった場合お断りすることがあります。
注意事項
*このページはただ歯科クリニックのブログです。あくまでも当院のの考えに基づいて書かれているもので、他院では診断・治療法・介入のタイミング等は違うことがありますのでご注意ください。
*このページの内容を無断で使用することは固くお断りいたします。
*医療法の改正に基づき術前術後の写真は掲載してません。無料相談時に類似症例を用いて説明をさせていただきます。
前へ:【子供の歯並び予防11】子供の食事の濃い味付けに要注意!
次へ:【歯科的哺乳・離乳の話2】離乳の時期の大事な「食べる」を覚えるポイント
カテゴリ【きれいな歯並びになる食事・食育・離乳の話】の関連記事
(2024年3月6日更新)
【子供の歯並び予防54】こどもの食事の丸呑みは命にかかわります。
(2024年2月21日更新)
【子供の歯並び予防53】新一年生は給食対策を
(2024年2月7日更新)
【歯科的哺乳・離乳の話17】色々なデータから考える離乳食の開始時期
(2024年1月10日更新)
【歯科的哺乳・離乳の話16】赤ちゃんのよだれの考え方
(2023年12月27日更新)
【子供の歯並び予防51】餅はお正月だけ食べるものですか?
Blogメニュー
▶Blogトップへ戻る