【子供の歯並び予防30】子供が噛んでいなくても、食べていれば満足ですか?


【2018年11月30日 6:02 PM更新】

こんにちは

仙台市泉区・富谷市からも近い ただ歯科クリニックです。

初めての方はブログの簡単な注意事項こちらの記事に目を通してください。

 

今日は「噛む」ということについてのお話です。

もくじ
⓵歯並びに問題がある子供の多くは噛んでいない。でも・・?
②噛んでいないことによる顎の発育不良
③噛んでいないことによる噛み合わせの問題
④噛んでいない子供の呼吸は・・・?
⑤噛んでいないとそれだけではなく・・・?
⑥成長途中の子供の歯並びだけよくしても・・。

 

⓵歯並びに問題がある子供の多くは噛んでいない。でも・・?

よく矯正の無料相談でくると、「歯並び」が問題で来るのですがその多くの子供たちが「噛めない「噛んでいない」子供たちです。

 

ただしこの噛めないというのは曲者で、噛んでいないからといって食事が食べれないと言わけではありません。丸のみしたり、量が少なかったり、時間がかかったりはするけれど一応食べ物は口の中に入ります。それなので噛んでいなくても食べているので問題にしないお母さんが多いわけです。

 

逆に言うと「食べれない」くらい「噛めない」のであれば、そもそも歯並びの前にまず病院に行かないといけないレベルです。でも子供の「噛めない」というのは確実に正しい機能の獲得ができておらず、発育の不良と正しい発達ができていないことを意味しています。そしてそういった問題の一つの結果として永久歯が生えてきたときに歯並びという形で問題が出てきます。

 

 

②噛んでいないことによる顎の発育不良

噛んでいないことで正しい成長の力が顎に伝わっていません。そうなると顎そのものが正しく発育できていません。

 

歯の大きさの個人差がない乳歯では正しい顎の発育をしていないと、本来できるべき乳歯の隙間ができないために将来的にスペースの問題が起こります。

 

乳歯の正しい顎の成長

永久歯、前歯が出てくるとみんな生えたての歯はギザギザで生えてきますが、これは前歯で噛んでいる子供はすぐになくなってきれいな歯の形になります。一方で噛めない子供はいつまでもギザギザが残ってしまいます。

 

こういった噛んでいない子供たちはスペースが足りなくなってしまい6歳前後の生え変わりの時に歯並びの問題を抱えてしまいます。

 

③噛んでいないことによる噛み合わせの問題

噛んでいない子供はスペースの問題だけでなく噛み合わせの問題も抱えてしまいます。

 

過蓋咬合といわれる深いかみ合わせ、噛み合ったときに下の前歯のほとんどが隠れてしまうような子供の場合たくさんの「食べる」時の問題を抱えていることを元開らは報告しています。

 

もちろんこれは歯並びが悪いから噛めないのではなく、噛んでいない正しい機能の発達がないために、正しい発育ができない結果として歯並び、噛み合わせの問題過蓋咬合を抱えてしまったということです。こういった子供は歯並びや食事以外の問題も抱えています。

 

また反対咬合・受け口もかみ合わせが反対になることで正常のかみ合わせよりも機能に問題があることは報告されています。乳歯のうちからムーシールドをはじめとした既製マウスピース矯正装置でかみ合わせを改善することで正常までは戻らなくても噛む機能は回復するといわれています。

 

④噛んでいない子供の呼吸は・・・?

正しい鼻呼吸ではなく口呼吸の子供は噛んでいません。

普通にカチカチと連続で30回ぐらい噛んでみるのと、鼻をつまんで30回くらい連続で噛んでみると違いが分かると思います。もしくは風邪や花粉症の時などに鼻が完全に詰まってしまうと噛みづらくなったことがあると思います。口で呼吸すると鼻で呼吸した時よりも噛む回数は明らかに少なくなります。

 

そういった子供にお母さんが一方的に「噛みなさい」といっても子供は噛んでくれませんし、口で呼吸しているのに回数だけかませたら苦しいだけです。呼吸を含めた機能の改善が必要になります。

 

⑤噛んでいないとそれだけではなく・・・?

ただし噛んでいなくても、歯並びが悪くても関係ないといわれたらそれまでですが、先ほどから言っているとように噛む・噛まないというのが、正しい機能の発達と体の発育に影響しているということはそれ以外の問題もあるということです。

 

姉川らの動物を使った研究では柔らかいエサを与えて噛めないようにしたのと、硬い通常の餌を与えたのとでは様々な違いが出たことが報告されています。

まずは噛めない柔らかいエサを食べていた方には、顎の成長不良と肥満傾向が出たことが報告されています。また海場の神経細胞の有意な減少つまり記憶力の違いが出たこと、また絶食時、暗いときの覚醒と行動に明らかな違いが出たこと、睡眠を含む脳機能の影響などが報告されています。

 

つまり噛んでいないと⓵記憶力の低下②肥満傾向③睡眠や行動の問題④昼夜のメリハリがつかないこういったこと起こってきたわけです。

 

咀嚼、かむことそのものの脳の影響はよく知られた話ですが、噛んでいないことで昼夜のメリハリがつかなくなり、覚醒もうまくいかなくなると朝起きれないといったことになってきます。また朝が起きれなければ朝ごはんなども食べれず、朝食が成長期の前頭前野の働きに必要なことからも問題が起こってきます。

 

噛めていないことは歯並びだけでなく様々な問題をおこしてしまいます。

 

(参考文献)

姉川絵美子,小鳥居望,西野精治.食物形状の違いによ る咀嚼の変化がマウスの睡眠,発育,脳機能に及ぼす影響.; 2010

船越正也.顎口腔系機能の発達.2001

川島隆太.脳の働きと朝ごはん,賢いこどもに育てるた めに. 2008

 

⑥成長途中の子供の歯並びだけよくしても・・。

矯正を始めるにあたり、当院では最初によく言う話なのですが、子供の場合機能の問題の未発達による正しい発育ができていないために起こった歯並びの問題は、歯並びだけ改善しても自動的に機能がよくなるわけではありません。悪い機能に合わせた悪い歯並びがあるのなら、歯並びだけ改善しても機能がそのままであればそれはその子には使いづらい歯並びです。

 

また機能の改善がないのであれば一回その時点で歯並びがよくなっても、それからの成長の中でまた新しい問題が出て来てしまいます。

 

せっかくきれいに並んだ歯も正しく使っていくことをしないのであれば意味がありません。そのために呼吸だったり様々な今までの成長の中での問題をどうするかを考える必要があり、できるだけ早いアプローチでそういった問題を改善する必要があると思います。

 

それでも子供が噛んでいなくても食べていれば満足ですか?

 


お子さんの歯並びが悪くなる癖や呼吸、食事などの生活の問題があります。きれいな歯並びを願うお母さんの思いだけでは正しい発育はできません。問題は口がぽかんと空いている子供に「口を閉じなさい」といっても解決しない様々な間問題が絡み合った複雑なものです。

子供の歯並びを悪くする癖・生活・食事について考えてみませんか?

 

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