【2023年8月7日 6:43 PM更新】
こんにちは
仙台市泉区・富谷市からも近いただ歯科クリニックです。
初めての方はこのブログの簡単な注意事項こちらの記事に目を通してください。
もくじ
①子供の歯並びを予防することは可能なのか?
②先天的・遺伝的なものは予防は不可能
③歯のスペースの問題は先天的な歯の大きさと、後天的な顎の大きさ
④悪い癖による歯並びやかみ合わせの問題
⑤将来問題があることを見越して矯正治療を行う
⑥予防できること、先手を打てることは早くやった方がいい。
①子供の歯並びを予防することは可能なのか?
虫歯予防は、甘いものの管理と歯ブラシ、歯科医院や日常での定期的なフッ素塗布で予防をすることは可能といわれています。この場合の予防とは、「これらをすれば全員必ず虫歯にならない」ではなく、虫歯にならない子供がある一定数出てくることを言います。
一方で歯並びの問題を考えたときにはまずは
先天的・遺伝的
なものと
口の機能の発達や癖といった後天的
なものに分かれます。
②先天的・遺伝的なものは予防は不可能
例えば永久歯の萌出障害といったものは、色々あるものを合計すると2割くらいあるといわれています。代表的なのは永久歯の先天欠損で2012年に4大学の小児歯科が15000人近くの子供を調査して10人に1人起こることがわかりました。これは防ぎようがありませんし、遺伝というよりは先天的にそういった子供だったということになります。
他にも犬歯の位置異常や過剰歯といって歯が多いケース、後は乳歯によくある癒合歯といったものも先天的に起こるもので防げるものではありません。
そういった歯の萌出障害について詳しい説明はこちらをご覧ください。
③歯のスペースの問題は先天的な歯の大きさと、後天的な顎の大きさ
歯のスペースが足りなくなってガタガタになってしまう時は二つの原因があります。
一つは歯が大きくてスペースが足りなくなること
もう一つは顎の成長が足りない事。
もちろんこの両方が起こってスペースが足りなくなることもあります。
このうち
歯の大きさは先天的なものになります。遺伝的な要素は僕は少ないと思っています。個人の先天的な要因だと思います。理由は兄弟でも歯の大きさの傾向が違うことはよくあるし、全体の傾向としても数十年単位では乳幼児期の栄養状況から大きくなる傾向であるといわれたりもしています。
いずれにしろ何かで予防できるものでもないですし、生えてきた歯を何かすると大きくしたり、何かを摂取しないからといって小さくできるものでもありません。
一方で顎の大きさは環境要因が大きいい後天的なものです。
哺乳・離乳から始まり、正しい口の機能を獲得することで顎が成長していきます。
まず最初の目標としては隙間のある乳歯の歯並びになります。
乳歯の歯並びでちょっとでもガタガタになっている子供は永久歯では100%スペースが足りなくなるといわれています。隙間がない場合は半分以上7割弱ぐらいがスペースが足りなくなるといわれています。乳歯では隙間のある歯並びに口を育成することがまず一つの目標になります。また隙間もあれば歯ブラシがかなりしやすくなるので、虫歯予防にもなります。
前歯の生え変わりが始まる6歳以降では具体的に乳犬歯や犬歯の間の距離での数値で顎の成長具合を見ることができます。特に前歯が生え変わる時期は「二次空隙」といわれる顎の成長がしやすい時期なのでこの時期に口の機能面での問題がある子供はスペースが足りなくなっていきます。
④悪い癖による歯並びやかみ合わせの問題
他にも口周りの癖で子供の場合歯並びのやかみ合わせの問題につながることがあります。
・口呼吸による唇の筋肉が弱いために起こるかみ合わせや歯並びの問題
・飲み込んだ時に舌が前に出る哺乳の動きが残ってしまっていることによる歯並びやかみ合わせの問題。
・頬杖や寝相などによる外力による歯列の変形
・指しゃぶりが残ってしまったことによる歯並びの問題
といったものは悪い癖や正しい発達ができない部分が改善することで変わってくることがあります。
歯並びや釜岩瀬に異常が出てから対処するというよりは、そうなる前に正しいことができてない時点でアプローチできたらいいですね。つまりは予防的なアプローチが可能なところでもあります。
このように舌が出てくれば前歯が噛まなくなってしまいます。こう言った動きは先天的なものではなく、全員が哺乳の時にしていた動きが離乳を進める中で取れなかった子供になります。
頬杖や寝相などの外力で成長期の子供の歯列は変形します。
こういったものも「やらない」ではなく歯列に影響が出ない程度にしていくことで予防は可能になります。
⑤将来問題があることを見越して矯正治療を行う
今の歯並びやかみ合わせが気になるかどうかではなく、将来的に問題が出ることを見越して矯正治療をすることも予防の一つと考えられます。
例えば先ほど出てきたような歯が大きい子供の場合、前歯4本がきれいに並んでいるかどうかだけでなく、9歳以降の犬歯より後ろの歯の生え変わりでもスペースが足りなくなる可能性があるので少し隙間を作るところまでスペースを作った方がいいと思います。
反対咬合傾向、家族歴が合う子供の場合も、今の前歯のかみ合わせが気になるかどうか?ではなく10歳までに上の顎の骨の前方成長が終わり、第二次成長期の身長が伸びる時期に下顎が前方に動いてくるので上の顎の骨の成長が弱い子供は今の歯並びが気になるかどうかではなく将来を考えて上の顎の骨を前にひくこともあります。
このように小児の矯正治療では今の歯並びが気になるかどうかではなく、予防的に矯正治療を行う場合があります。
逆に考えるとこういった将来の問題が予想されるのに、「気にならないから」としないと、実際その時期になると矯正が大掛かりになったり、抜歯などが必要になってしまうことがあります。
⑥予防できること、先手を打てることは早くやった方がいい。
歯並び、かみ合わせの予防と考えたときにすべてのケースで予防ができるわけではありません。
それは、例えばガンでも遺伝的な要因でなるものや、生活習慣でなるものがありますし、だからといって生活習慣は気にしなくていいというものでもありません。
歯並びも同様に、予防できることは予防したほうがいいというのが当院のスタンスです。
特に哺乳・離乳の時期に正しい口腔機能を発達させ獲得することはその後の歯並びやかみ合わせの予防に影響します。これらを6歳過ぎの小学生の頃から改善しようとしても、時間がかかってしまいます。その間にも悪い習慣や癖に引っ張られ歯列やかみ合わせは悪くなっていきます。
虫歯でも「痛くなって」から歯科医院に来ると治療が大掛かりになったり歯が残せなかったりするように、早期介入や定期的に歯科医院に通うことでそういったリスクを減らせるように、歯並びもすべてではないけどもそういったリスクを減らすべきだと思います。
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*このページはただ歯科クリニックのブログです。あくまでも当院のの考えに基づいて書かれているもので、他院では診断・治療法・介入のタイミング等は違うことがありますのでご注意ください。
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