【2023年10月4日 11:30 AM更新】
こんにちは
仙台市泉区・富谷市からも近いただ歯科クリニックです。
初めての方はこのブログの簡単な注意事項こちらの記事に目を通してください。
もくじ
①床矯正治療とは?
②なんで14時間以上装置をつけなきゃいけないの?
③現実的に毎日に14時間つけれる子供って?
④床矯正を入れる時間がない子供は?
⑤そうすると床矯正治療がやりやすいのは?
⑥小学校高学年になるとSH療法のほうが有利
⑦まずは前歯が生えたら歯医者に行きましょう
①床矯正治療とは?
床矯正とは「しょうきょうせい」と読みます。(ゆかきょうせいやとこきょうせいではありません)
床矯正は主にスペースが足りなくて歯が並ばない子供、永久歯が大きくて今後歯が並ぶスペースの不足が考えられる子供に使われる装置です。
これ自体にかみ合わせを治す機能はないので、上顎前突や反対咬合などのかみ合わせの問題がある場合は補助的に使うことはありますが、これだけで改善するものではありません。
あくまでも「歯が並ぶスペースを作る装置」という認識でいいと思います。
上下にこのような「ねじ」がついた取り外しの装置を入れます。
このネジを1週間に2回、もしくは1回お家で巻いてもらうことで、装置をほんの少し広げてそれを入れていることで、顎が広がりスペースを作ります。
②なんで14時間以上装置をつけなきゃいけないの?
床矯正の装着時間は「一日14時間以上」となっています。
これは一日の半分以上12時間以上入れてくださいということです。
外している間は、歯が元に戻ろうとします。
つまり14時間入れれば外している時間は10時間になるので、歯は戻るけど、また装置を入れるので広がっていくという風になります。
たまに寝ている時だけ「9時間」毎日入れてましたと。14時間の装置を9時間入れると半分くらいのペースだけど治療が進むと思っていたらしいです。実際は装置を外している時間が15時間、外している時間が長いので治療は進んでいきません。
14時間というと夕方4時から朝6時まで入れて14時間です。食事の時は外してもらうので、多くの子供は、学校から帰ってきたら装置を入れて、夕ご飯の時に外す、その後また装置を入れてお風呂の時も入れる。そのまま寝ている時も入れて朝起きたら外す・・・のではなく朝ご飯だけ外して、学校に行くギリギリまでつける。だいたいこれで多くの子供は14時間装着できて、学校では矯正装置を外した状態で生活できます。
③現実的に毎日床矯正装置を14時間つけれる子供って?
床矯正装置を14時間以上つけるには条件があります。
一つは矯正治療つけるやる気がある子供、もしくは子供の管理ができるお母さんです。
理想は本人が着脱をする装置なので自ら装置を入れてもらえるのがいいですが、実際はお母さんもしっかりつけているのかチェックしたり声かけをするのは必要になります。
こういった管理ができない家庭は無理です。
そういった過程には固定装置、つけたら外れない矯正装置で治療が必要になります。そうなると学校でも装置が付いたままになるのでお子さんが大変な場合がありますが、確実に治療は進みます。
逆にそういった管理できない家庭のうまくいかないリスクを嫌う先生の中には初めから固定装置を勧める先生もいます。治療の確実性は上がるのでそれも一つだと思いますし、確実な治療効果を求めるお母さんはそういった治療を考えるのも一つです。
当院でも反対咬合の顎の骨を前に出すような場合やワイヤーを使って難しい歯の動きが必要な確実に効果を出したい場合は子供でも固定装置を使います。
④床矯正を入れる時間がない子供は?
やる気がなければ固定装置ですが、やる気はあるけど時間がない。
実際こういった家庭もあります。
その場合は他の取り外しの矯正装置も選択肢に入ります。
例えば
SH療法。
この装置は8~10時間の装着でいい装置なので
「放課後に習い事があってい時間が取れない」
「学童で子供がつけてくれない」
といった家庭には選択肢の一つです。
ただし、床矯正と違い「費用が高額になる(2倍くらい)」ことと
SH療法のねじは強いスプリングバネが入っていて、大人の歯になると維持ができるのですが、乳歯を維持の歯に使うこの時期の矯正の場合うまく入らないことがあったり、逆にしっかり入ると子供には取り外しが難しくなったりといった装置の問題もあったりします。
また最近ではインビザラインファーストというマウスピース矯正もあります。
こちらの場合は食事以外入れる装置になるので、学校でも家でも常に装置を入れていてもらうようになります。インビザラインファーストの場合一つは費用が床矯正よりも高額になるのと、歯の生え変わりの時期に対応ができないので、治療期間が前歯4本が生えて犬歯の生え変わりが始まる2年ぐらいの間が治療期間になります。その後経過を見ながら、多少の戻りや新しく生えてきた歯の問題を永久歯列になってから行う2段階の治療になります。
この2つの治療は悪くはないのですが、費用面というのが一番の問題だと思います。
⑤そうすると床矯正治療がやりやすいのは?
そうなると14時間の装着、夕方から朝までつけると考えると
床矯正治療は低学年の子供が圧倒的に有利になります。
高学年になると学校から帰ってくるのが遅くなったり、土日も習い事やスポーツが本格化して時間が作りづらくなります。そうなると高学年の子供は学校での装着も視野に入りますが、実際は装置をつけているとしゃべりにくくなるので、国語や音楽の授業では装置を外したり、食事の時外したりとずっとつけれるわけでもありません。また高学年になるとそういった取り外しをするのが「恥ずかしい」といって、先生に確認したら学校でつけてなかったということもあります。
さらにこの時期は横の乳歯が抜けて生え変わる時期なので、これから抜ける乳歯を押してもただ早めに揺れて抜けるだけでスペースを作るのには貢献できません。
そういった意味で高学年に床矯正でスペースを作るのはタイミングとしてはよくないと思います。
このようなしたら永久歯が生えてきて、もう上の乳歯は根っこもなくなってくる9歳以降に乳歯を押しても効果はありません。
そういったことも考えると床矯正治療というのは
6~7歳の前歯の生え変わりで治療を開始するのがベストなタイミングとなります。
⑥小学校高学年になるとSH療法のほうが有利
そうなると装着時間が8~10時間のSH療法のほうが有利になります。
タイミングとしては9歳以降だと第一小臼歯というは出てから始めるのがベストです。
ただし先ほども話しましたが、費用面ではスタートから床矯正とかなり違ってきます。
またスペースを作った後の永久歯は必要によってはそこからワイヤーやマウスピースなどでの歯の移動が必要になる場合があります。
⑦まずは前歯が生えたら歯医者に行きましょう
やはりスペースの問題は6~7歳の大人の前歯の歯が生えてきた時に一度歯医者さんに見せにいくのがいいと思います。ガタガタに並んでいるかどうか、お母さんが歯並びが気になるかどうかだけでなく、「歯の大きさ」や「顎の大きさ」「かみ合わせ」なども見て話してくれるところがいいと思います・。
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