【2018年2月3日 6:00 PM更新】
こんにちは
仙台市泉区・富谷市からも近い ただ歯科クリニックです。
初めての方はブログの簡単な注意事項があります。こちらの記事に目を通してください。
今日はとても大事な小児の虫歯予防の基本的なお話です。
もくじ
①子供の虫歯予防はまずは脱砂糖がどこまでできるか。
②味覚形成、食べ物の好き嫌い、あまり食事を食べないそれは砂糖が原因かも
③虫歯はどうやってできるのでしょうか?
④砂糖ゼロは可能でしょうか?
⑤子供が食べないからといって大人も食べるなとは言っていません。
⑥間食は歯の質を弱くします。
⑦歯ブラシをすれば、甘いものを食べていいというわけではありません。
⑧歯が大きな氷の塊と考えてみましょう
①子供の虫歯予防はまずは脱砂糖がどこまでできるか。
小児の虫歯予防の大原則は歯ブラシ50点に食事の管理が50点です。
仮に歯ブラシを毎日完璧にしても甘いものを毎日食べれば虫歯になります。砂糖の摂取をどれだ止めれるかが大事です。砂糖が子供には絶対必応な栄養素で摂取しなければ発育に問題があるなら別ですが、砂糖を取らなくても子供の成長には何にも問題はありません。「全く上げないのはちょっと・・・」という人はいますが、欲しがるからといって子供にお酒を飲ませたりタバコを吸わせたりする人はいません。砂糖を摂取することでどういったことが起こるかを知らないからあげてしまうのです。
②味覚形成、食べ物の好き嫌い、あまり食事を食べないそれは砂糖が原因かも
味覚は3歳までに形成されるといいます。砂糖というのは強烈な甘い味です。ほかの味と違って、血糖値が上がるといったことがあるように一瞬で血液にも影響が出ます。それくらい強烈だという事です。
だから1回食べたら子供はまた欲しがるわけです。そうした強烈な味を覚えてしまうと本来この年齢で覚えるべき味のうまみとか、細かい味がわからなくなってしまいます。あとで味音痴になっても取り戻すのはとても大変です。
同じように砂糖は空腹を和らげます。ちょっとぐずったりするたびにお菓子をあげていると、ご飯を食べないといけないときにしっかりおなかが減っていない状態になります。おなかが減っていないと、食事の時にしっかり食べられません。またお腹が減っていないので、好きなもの食べたいものだけ食べればおなかがいっぱいになってしまいます。嫌いなものや苦手なものまで箸を伸ばさなくなり、その結果食べ物の好き嫌いが多くなってしまいます。
砂糖を食べて虫歯になっても歯医者さんが治療してくれるからいい、どうせ乳歯は抜けてしまうんだからいいと思っていても、味音痴や食べ物の好き嫌いはなくなりません。
③虫歯はどうやってできるのでしょうか?
虫歯の基本は、口の中の磨き残しにある砂糖を食べた虫歯菌が出す酸が歯を溶かして虫歯になります。
虫歯菌そのものが歯を溶かしていくわけではないという事です。
つまり虫歯菌がある程度いても砂糖を摂取しなければ虫歯になりません。
今では唾液から簡単に虫歯菌の数を特定できます。(保険診療ではないですが)ある調査では子供の1~2割で虫歯菌がほとんどいない子供がいたという調査があります。そういった子供は砂糖をいくら食べて歯ブラシが適当でも虫歯はできない子供です。10年ほど前のある1発屋のお笑い芸人で、物心ついてから歯ブラシをしたことがないが虫歯になったこともないという人がいましたが、多分虫歯菌そのものがいなかった可能性があります。こういった虫歯菌がいない状態は食事をしても口の中がネバネバしたりしない、歯磨きをしていないのにいつも歯がツルツルな人です。感染をしているか?していないか?ということです。
歯ブラシをいくら完璧にするといっても食事のたびに、赤く染めだしてきれいに汚れを取るなら別ですがそうでなければ目で見えない虫歯菌を完璧に毎食後除去するのは困難です。繰り返しになりますがまずは砂糖の摂取をどれだけ抑えるかが大事です。
④砂糖ゼロは可能でしょうか?
ジュースをお茶にするとか、おやつでお菓子を食べないようにするとかは可能ですが、全く砂糖を摂取しないというのは現実的ではありません。
例えばソースやケチャップにも砂糖は入っています。日本の場合は原材料の表示は入っているのが多い順に書かれます。例えばケチャップであれば「トマト、糖類・・・」となりますしソースなら「野菜、果実、醸造酢、糖類・・」となっていきます。トマトやソース味が子供に人気なのは甘いからです。じゃチキンライスはいけない、オムライスはいけない、ソースを使った揚げ物やお好み焼きなどの粉ものはいけないといったら食べるものがなくなります。つまり完全な砂糖ゼロは現実的ではないという事です。
だからこそ、ジュースをお茶にしたり、おやつでお菓子を食べないようにするのが大事になります。
⑤子供が食べないからといって大人も食べるなとは言っていません。
よく子供の砂糖の摂取を抑える話をすると、自分もやめないといけないのか、家からお菓子そのものをなくさにといけないのか?と思ってしまうお母さんがいます。子供にお酒やたばこをやらせないからといいって、子供がいる家庭ではお酒もたばこも家に置かないのでしょうか?大人は自分たちの責任でどうぞ食べてください。そういったものと同じだという認識を子供がしてくれればいいだけです。
⑥間食は歯の質を弱くします。
砂糖の入っている入っていないに関係なく、何か食事をすると必ず口の中は酸性になりばい菌をできるだけ弱らせようとします。そして唾液の力で2時間くらいかけえて元の中性に戻ります。その時に歯は表面が溶けてまた戻るというのを繰り返します。溶けることを「脱灰」といい、戻ることを「再石灰化」といいます。
問題は脱灰は一瞬で起こりますが、再石灰化は2時間程度かかるという事です。
つまりまだ溶けた歯が戻っていない間に何かを食べる、また何かを食べるなど常に何か口にしていたり、ダラダラいつまでも食べていると歯はとけっっぱなしの状態になります。歯の質そのものが弱くなるということです。
先ほどの①~④までの話はチョコレートを我慢しましょうというお話だとすると、間食の話は
1日で板チョコ1枚を食べるのに、1回で食べる子供と、8枚に分けて1日の中で8回に分けて食べる子供では後者の方が虫歯のリスクが上がる、歯の質が弱くなるという事です。
よく子供がぐずったりしたら小分けの小さな袋に入ったお菓子をあげているお母さんがいますがそれがこのパターンです。
歯が溶けているの状態で砂糖を摂取して、虫歯菌が酸を出せばより歯は溶けていきます。3時や10時のおやつというのも食べるなら食事してから2時間は経過した後に食べましょうということです。
⑦歯ブラシをすれば、甘いものを食べていいというわけではありません。
子供の虫歯予防の基本は歯ブラシではなく
歯ブラシと砂糖を抑えること間食をしないこと3つの合わせ技です。
それがわかっていないと「あとで歯ブラシしっかりしようね」といっておやつを食べたりしてしまいます。
子供がぐずったらお菓子ですぐに機嫌を取ったりするのも、歯の質を弱くしているだけです。それは虫歯になりやすいのではなく歯を弱くしているだけです。
あと巷では「虫歯になりやすい体質」といういうお母さんがいます。でも親子間で行くと同じ家の中で生活をしていることで甘いものを一緒に食べやすいといった習慣や、間食が多い親に合わせて子供の感触が多くなっているといったことの方が多いように思います。
正しい知識とどういった状態かという事を間違うと正しい虫歯の予防はできません。
⑧歯が大きな氷の塊と考えてみましょう。
砂糖を摂取ることで虫歯菌が酸を出すというのは砂糖を食べるとお湯を作るようなものです。虫歯菌がお湯をかけたら氷は溶けます。間食をすると言うのは気温を上げているようなもので40度の中に置けば氷はどんどん溶けますし、0度にしてればそうは溶けません。
歯ブラシは、氷に冷気を当てているようなものです。
40度の中で冷気を当てたり、お湯をかけている横で冷気を当てても氷は解けます。
0度の中で、お湯をかけられたりしないで、冷気を当てたら氷はほとんど解けないでしょう。
今日の話は歯ブラシが意味がないという事ではなく、お母さんがどういったバランスで歯ブラシと砂糖と間食をどう考えるかが子供の虫歯予防ではとても大事だということです。歯ブラシをすれば大丈夫というのは過剰な期待です。「後でしっかり歯磨きしようね」といってお菓子やアイスを食べて、しっかりと歯磨きをしてもダメという事です。
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