【2023年11月8日 10:40 AM更新】
こんにちは
仙台市泉区・富谷市からも近いただ歯科クリニックです。
初めての方はこのブログの簡単な注意事項こちらの記事に目を通してください。
今日はよくネットで見かける「フッ素は毒」ということについての記事です。
実際当院でそういった人はあまり見ないのですが、多分フッ素を塗りたくないのに歯科医院にフッ素を塗りに来ることはないので見かけないだけかもしれません。
もくじ
①よくネットやSNSで見る「フッ素は毒・体に良くないから使わない」といいうのは本当?
②フッ素の効果とは?
③フッ素を使いたくなければ使わなくていい。だって・・・
④フッ素が毒というなら砂糖は・・・?
⑤フッ素使わないならより生活面での虫歯予防が求められます
⑥大事なことは虫歯ができるような生活習慣をどうするか
①よくネットやSNSで見る「フッ素は毒・体に良くないから使わない」といいうのは本当?
よくネットやSNS上では
フッ素は毒!
身体によくないから使わない!
という話があります。
また、実際にそういったことから「フッ素を使わないで!」という希望のお母さんもいるようです。
結論から言うと
フッ素には副作用はありますが、「毒」といったことはないです。
大量のフッ素を体内に入れると急性中毒が起こりますが、そういったものは歯ブラシに含まれる程度のフッ素ではありえないですし、歯科医院で塗布するフッ素の場合歯科医師や衛生士の管理下で行っているので大量に使うことはあり得ません。
またそれ以上のネットやSNS一部で言われているような過剰な体に悪い作用というのは認められていません。
②フッ素の効果とは?
歯科医院でフッ素を塗ってほしいという希望はよくあります。
歯磨き粉でもフッ素入りの歯磨き粉を子供に使うお母さんは多いですし、売り場ではほとんどのものに入っています。
ではフッ素の効果は?
と聞くと何となく「虫歯にならない・・」
という感じであいまいな答えが買ってきます。
フッ素の効果は大きくは
・カルシウムやリンによる歯の再石灰化を即し
・歯質を強化する
ということがあると思います。
また歯質の強化というと今ある歯が強くなるようなイメージですが
どちらかというと、乳歯や永久歯の生えた手の状態そういった状態の歯は歯がまだ弱いので、フッ素がなくても唾液の力で徐々に歯質は強くなるのですが、そういったスピードがフッ素を使うと早くなるイメージです。
100の歯がフッ素を使うと120になりますというより
70で生えてきた歯にフッ素を使うと早く100に近づきますよ
というイメージです。
③フッ素を使いたくなければ使わなくていい。だって・・・
そんなフッ素ですが、絶体使わないと虫歯になるというものでもありません。
なので使いたくなければ使わないくていいと思います。
ただし
フッ素は使わない 口の中は虫歯だらけ
では本末転倒だと思います。
虫歯は口の中にある砂糖を食べた虫歯菌が出す酸で歯が溶けてできます。
歯ブラシをして口の中をきれいにするのももちろん大事ですが
砂糖を食べなければほぼ虫歯のリスクは減ります。
なのでフッ素は使わない、砂糖も摂取をできるだけ抑えるであれば虫歯にもならないし、筋が通っていますが、フッ素は使わないけど、甘いものは食べます。虫歯になりますでは、ちょっと違うと思います。そうすると少しでもリスク減らすために「フッ素使った方がいいんじゃないですか?」という話になってしまいます。
④フッ素が毒というなら砂糖は・・・?
そもそもフッ素が毒という発想があるなら、砂糖に関しても敏感であってほしいものです。
虫歯になるならい以外に
子どもが砂糖を摂取するということは
(1)満腹中枢を刺激されてしまうので、ご飯の時に食べれなくなる。
砂糖は満腹中枢を刺激するので、ご飯の前にちょっとお腹が減ったからおやつ、ちょっと喉乾いたからジュースを飲むと、いざご飯の時にお腹の中は何もなくても、頭では減っていないので、食べれない。
量的なものもですが、いっぱい食べれないので好きなものだけ食べて終わりとなるので好き嫌いも多いとなります。
夜なんかは実際寝る時にはお腹が減ってくるので、寝れない。夜泣きをする、起きてしまうといったことも起こります。
(2)血糖の乱高下による気分の不安定さ
甘いもの、特に子供は体が小さいのでちょっとの量でも血糖値が跳ね上がります。その後ガタンと下がるので、興奮と抑制の幅が大きくなり気分の乱高下が激しくなります。これを毎日やっていればそういった性格の子供の完成です。落ち着きもなくなるし、我慢するようなときにかんしゃくを起こしたりします。
他にもアレルギーやアトピーになりやすかったり、今話題の免疫力も下がるなんて話もあったりします。
ということは砂糖も十分「毒」「体に悪い」ものであります。
虫歯は削って詰めればいいですが、虫歯を治したからといって好き嫌いがなくなったり、かんしゃくがなくなるわけでもありません。
特にフッ素についてあれこれ心配なさるのであれば、砂糖の摂取も心配するべきだとおもいますし、ましてや虫歯があるのであればちょっとどうなんだろうということになります。
⑤フッ素使わないならより生活面での努力が求められます
虫歯は砂糖を介してできる以上
毎日の歯ブラシと、砂糖の摂取のコントロールが子供の虫歯予防には必須となります。
ただし子供の場合、歯ブラシを毎日完璧にしようとしても、機嫌が悪かったり疲れてすぐ寝てしまったりということがあります。またお母さんお父さんは完璧な歯ブラシをするつもりでいても、実際に磨き残しがあるかどうかは別です。
また砂糖も仮におやつやアイスをほとんど食べなくても、日常の味付けの中に砂糖はたくさん入ってきます。現代生活の中で砂糖摂取をゼロにするというのは無理なので、完璧に取らないというのも不可能です。
他にも虫歯は個人の唾液の性質や量、生活環境等も関連してきます。
フッ素というのはそういった中でこどもの虫歯のリスクを減らすものですし、歯ブラシや甘いものの管理だけでできないところを補うお助け的な要素もあります。保護者の考えでフッ素を使わないというのであればそれはそれで構いませんが、その結果として虫歯が子供さんにできてしまうのであればこちらとしてはフッ素を使用してリスクを減らしませんか?と提案をせざるをえません。
そのあたりはご注意ください。
⑥大事なことは虫歯ができるような生活習慣をどうするか
砂糖摂取は、ご飯を食べる時に満腹中枢を刺激して、ご飯をしっかり食べれなくなる、おなかいっぱいでないので、寝る時にすぐ寝れなかったり睡眠の問題が出るといった話をさっきしました。
2016年に富山大学地域連携推進機構が高岡市内の5つの小学校に通う1年生から6年生までの全児童2109名(有効回答数1651名)を対象とした調査では
虫歯のある子供、全体の9.2%には
朝食を食べない子
睡眠時間の少ない子供
に虫歯の割合が多かったことがわかりました。
決して朝ご飯を食べると虫歯にならない、よく寝ると虫歯にならないのではなく、生活リズムの獲得ができている子供は虫歯のリスクが低いということになります。
朝ご飯を食べれるのであれば、午前中から活発に動けますし、動いたらお腹が減るので給食もしっかり食べれるでしょう。午後も学校が思わってからも体を動かすので、夜ご飯も食べれるし、そうすれば疲れてストンと寝ます。しっかり睡眠をとったので朝はすぐ起きれて、朝ご飯が食べれる。こういった生活サイクルです。
虫歯ができた穴は歯科治療で埋めれますが、穴が埋まったからといって生活習慣が変わらなければ
・ご飯はたくさん食べたり好き嫌いがなくなるわけではないし
・すぐに寝て、夜中起きたり、寝起きが悪いといったこと
が改善されるわけではありません。
そういった意味で虫歯ができている、できていないというのはその子の生活習慣や成長が正しくいっているかどうかを測る基準でもあります。
フッ素にこだわるのであれば、こういったことにもしっかり目を向けていくべきなのかなと思います。
注意事項
*このページはただ歯科クリニックのブログです。あくまでも当院のの考えに基づいて書かれているもので、他院では診断・治療法・介入のタイミング等は違うことがありますのでご注意ください。
*このページの内容を無断で使用することは固くお断りいたします。
*医療法の改正に基づき術前術後の写真は掲載してません。無料相談時に類似症例を用いて説明をさせていただきます。
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