【虫歯予防3】フッ素入りの歯磨き粉を使えば虫歯にはなりませんか?


【2017年11月14日 6:00 PM更新】

こんにちは

仙台市泉区・富谷市からも近いただ歯科クリニックです。

初めての方はこのブログの簡単な注意事項こちらの記事に目を通してください。

 

今日はフッ素についてのお話です。

 

もくじ
①フッ素は虫歯に効果がないの?
②虫歯予防についての正しい知識を持ちましょう。
③まずは「脱灰」「再石灰化」という言葉を知りましょう
④フッ素の大事な作用は再石灰化の促進
⑤歯医者さんでフッ素を塗るのは意味があるの?
⑥予防は虫歯にならないためのお話だから
⑦大事なのは虫歯にならない環境をいつまでに作るか??

 

①フッ素は虫歯に効果がないの?

よく質問があるのですが

「フッ素入りの歯磨き粉を使っていれば虫歯になりませんか?」

といった質問とか

「歯科医院でフッ素を塗っていたのに虫歯になった」といった話を聞いたりします。

 

フッ素りの歯磨き粉 歯ブラシ

 

これらの話はフッ素に対しての正しい知識の不足と過剰な期待からくるものです。

そもそも虫歯予防には効果がありますが虫歯にはフッ素は効果がありません。

むし歯、つまり肉眼でわかるような歯に穴が開いているところにフッ素を塗っても虫歯の進行は止まりません。虫歯が大きくなって痛くなってる歯にフッ素塗るなんて論外です。こういったこともフッ素についての正しい知識がないことから起こります。

 

 

②虫歯予防についての正しい知識を持ちましょう。

まずフッ素は虫歯予防に使用するものです。つまり虫歯、肉眼で見た時に穴が開いているような虫歯になった歯には効果がありません。虫歯になっていない歯を虫歯になりにくくするためにするものです。

 

フッ素入り歯磨き粉を毎日使いましょう

 

そして虫歯予防の2本柱は①歯ブラシと②砂糖・甘いものの摂取抑えること③間食ダラダラ食いをしないといった三つが基本です。イメージとしては①の歯ブラシが50点。②と③の食事の管理で50点です。フッ素の使用はそれにプラス10点の働きと考えてください。

つまりフッ素を塗っていても、間食をしてばっかりで、甘いものも毎日摂取して、歯ブラシをしなければ虫歯になります。新しい虫歯を作らないためにはフッ素を塗ることよりもそういった歯に悪い生活習慣を変える方が重要です。

 

虫歯菌に砂糖を上げないことが大事です

 

歯科医院で定期的にフッ素を塗っていても、そういった生活習慣であれば虫歯はできます。フッ素は虫歯にならない万能薬ではありません。

 

 

③まずは「脱灰」「再石灰化」という言葉を知りましょう

フッ素には様々な効果がありますが一番大事なのは「歯の再石灰化の促進」があります。

毎回何かを食べたり飲んだりするたびにお口の中は1回酸性になる「脱灰」とその後に唾液の力で元に戻る「再石灰化」を繰り返します。

 

1回溶けた歯

 

脱灰は食べるとすぐ起こるのに対して、再石灰化は30分から2時間くらいかけてゆっくり起こります。この時に歯も一瞬で表面が溶けて、唾液中のカルシウムやリンを取り込んで長い時間をかけて修復されて元に戻ります。こうして一日に何回か私たちの口の中では溶けて戻ってを繰り返しているわけです。

 

 

 

 

再石灰化で修復された歯

 

間食が多いだらだら食いをしているのは、歯を溶かしている時間を長く作ることになります。こういった食習慣であれば虫歯リスクは何をしても下がりません。

 

 

④フッ素の大事な作用は再石灰化の促進

フッ素のまず大事な作用はこの再石灰化を促進させる力があります。そしてその効果を最大限に発揮するには再石灰化をするときにできるだけ低濃度のフッ素が口の中に残っている環境がいいと言われます。毎日フッ素入りの歯磨き粉を使ってできれば何回か歯ブラシをするだけで効果的ということです。別に再石灰化するときに高濃度のフッ素がなくてもいいのです。そしてこれを中長期的に続けていくことで、歯のエナメル質の耐酸性つまり虫歯のなりにくさは強くなります。

 

唾液の力は大事

 

そう、あくまで歯のエナメル質という表面の硬い部分のお話です。虫歯ができて穴が開いた状態。外側のエナメル質を超えて中の象牙質と呼ばれる部分に達した時点でそこには効果がなくなります。象牙質にフッ素を塗っても虫歯になりにくくなるわけではありません。

つまり虫歯ができてからでは遅いという事です。

 

虫歯の始まり 大きく広がった虫歯

 

 

⑤歯医者さんでフッ素を塗るのは意味があるの?

さてここまでの話を聞いていくと、「歯医者さんで定期的にフッ素を塗っていたのに虫歯になった」というのはちょっと筋違いのお話というのが分かってきたのではないかと思います。まずは①ご家庭での歯ブラシと、②砂糖甘いものの制限、③間食ダラダラ食いをしないことがまず大事だからです。歯ブラシはしなくて、食事の管理もしなければ虫歯になります。

 

さて歯科医院でのフッ素塗布ですが、歯科医院ではご家庭で使うフッ素よりも高濃度のフッ素を使います。のでもちろん効果は上がりますが時間がたてば流れてしまうので高濃度だからフッ素の作用が爆発的にあがるわけではありません。

 

 

 

むしろフッ素を塗る前の前段階、歯をきれいにするのが大事だったりします当たり前ですが歯に汚れがついていればフッ素の成分は歯につきません。ご家庭でも歯ブラシの時にフッ素というのは汚れている歯にフッ素を塗ってもしょうがないわけで歯ブラシをしっかりしてきれいな歯にフッ素が届かないといけません。

 

しかし歯ブラシだけでは取れない汚れというのが出てきます。そういったのを歯科医院んで定期的に落とすことが必要です。そのためにはそれ用の機械や薬剤が必要になります。

 

歯科医院で歯のクリーニング

 

取り切れない汚れがある中で塗るものと、しっかりきれいに取った後に塗るのであれば効果はどっちがいいかは言わずもがなですね。

 

しかもその一回きれいにした歯はずっとではないですがそれなりに汚れがまたついてくるまではきれいなままで、つまり条件がいい状態でフッ素が歯に塗れます。おうちでフッ素入りの歯磨き粉をずっと使っていても予防ですから虫歯にならなければいいですけど、歯医者さんに定期的に来た方がよりいいですよねということです。

 

⑥予防は虫歯にならないためのお話だから

大事なのは虫歯になってからの治療ではなく、虫歯予防つまり虫歯にならないためのお話なので、より効果的な方がいいですよねという事です。

 

個人個人のリスクは違います。歯ブラシがどこまでできるか?砂糖甘いものも全く食べさせないご家庭もあれば、全然気にしないで上げているところもあります。駄々をこねたり機嫌を取るのにすぐお菓子を使う家庭もあります。間食も同じですね。

 

そういった中でもちろんフッ素を塗らなくても虫歯いならないお子さんもいます。だから全員塗らなくっても大丈夫かといったら絶対そうではありません。別に家庭の歯磨き粉だけ使って、虫歯にならなければいいんです。でも絶対そうではないのです。どれだけリスクを減らすかという事です。

 

どれだけリスクを減らすか

 

⑦大事なのは虫歯にならない環境をいつまでに作るか??

一昔前は乳歯は抜けてしまうからいくらでも虫歯にしていい、永久歯になってから歯磨きをしっかりすればいいという事を言っている人もいましたが今はさすがにそんな人は見かけません。

 

ただ歯科クリニックでは永久歯が生えてきた時具体的には6~7歳前後の頃に虫歯にならない環境、歯ブラシや食生活を含めてそういった環境を作れるかが大事だと思っています。

 

 

 

乳歯の虫歯ができました。は、いいんですが大事なのはこのまま何も変えないで次の虫歯を作る環境をそのままにしますか?もう虫歯は作らない環境にしますか?ということです。もちろんその虫歯の治療はしないといけないし、泣いたりしたら大変ですけども。その虫歯を治療しても、虫歯になりやすい環境がそのままであれば絶対また虫歯ができます。

 

大人の歯になったから突然環境を変えられるならいいですが、じゃ何をどこまでしますか?って話です。昨日まで甘いもの食べ放題だったのに突然大人の歯が生えて来たら一切食べさせないなんてできますか?多分無理です。永久歯が生えてきた時に歯ブラシだけでなく、このくらい甘いものを抑えて、間食もできるだけ抑えれば虫歯にならない安定した状態になのがわかることが大事じゃないのでしょうか?そのためのひとつの方法としてフッ素があるのではないかと思います。

 

フッ素の力を過信することなくお子さんにとって効果的な虫歯にならない環境を作れたらいいですよね。

 


ただ歯科クリニックでは矯正治療の無料相談をしています。

費用や期間だけでなく、患者さんの現在の今の状態、なんでこうなってしまったのか?そういったことを話します。診療日のどの時間でもできますが必ず予約して来院してください。

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