【子供の矯正14】ムーシールドは当院ではファーストチョイスではありません。


【2017年11月10日 6:01 PM更新】

こんにちは

仙台市泉区・富谷市からも近いただ歯科クリニックです。

初めての方はこのブログの簡単な注意事項こちらの記事に目を通してください。

 

今日は既製のマウスピース矯正で乳歯の反対咬合に使うムーシールドのお話です。

 

もくじ
①ムーシールドって何?
②ムーシールドの良さは硬いことで、弱点も硬いこと
③入れ始めが硬いとちょっと・・・。
④硬い方が効果的でも・・?
⑤下の顎が自由に動かせるかどうか?
⑥ムーシールドをわざわざ使わなくてもいい

 

①ムーシールドって何?

ムーシールドは矯正専門医の柳沢先生が開発された既製のマウスピース装置でもう10年以上前からある装置です。画期的なのは型取りをしてそれぞれのお口に合わせたこういった形の装置はあったのですが「既製品」ということです。しかもそれが難しいと言われていた乳歯の反対咬合で改善をしていったので当時はすごく驚いたのを覚えています。

 

この後に海外からT4Kはじめとした既製のマウスピース装置が入ってきましたが、たぶんムーシールドがなければこういった装置の普及にももっと時間がかかっていたと思います。

そういった意味でムーシールドが全国に普及したのは大変大事だったと思います。

 

ムーシールド

こういった既製のマウスピース矯正装置は何種類かあります。

詳しくは当院のこちらのページをご覧ください。

3~5歳のプレオルソ・T4K・ムーシールドを用いた乳歯の筋機能矯正

 

 

②ムーシールドの良さは硬いことで、弱点も硬いこと

さてそんなムーシールドですが当院では今一応あることはありますがほぼ使っていません。それは装置としての効果がダメということではありません。

 

ムーシールドはプラスチックの装置で硬い装置です。押しても変形もしません。プレオルソやT4K、EF-lineなどの他の装置はやわらかい装置で硬さの程度に差があれどぐにゃぐにゃ変形します。

 

このムーシールドの硬さがよさでもあり弱点であるということです。

 

③入れ始めが硬いとちょっと・・・。

こういった既製のマウスピース装置は直接歯を動かす装置ではありません。あくまで正しい筋機能に誘導し、その結果として歯や顎が正しい成長をしていく装置です。正しい成長発育をしている、歯並びの問題のないお子さんは無理なく入れれますが、問題があるお子さんは入れ始めは苦しくなるようになっている装置です。すぐに苦しくて外したり、唾がたまったりします。

 

寝ている子供

 

特に最初の頃、寝ているときは、無意識に苦しければ装置を外してしまいます。それはそれだけ機能が弱いということでいいのですが、この時にちょっと装置が硬いと硬いと寝返りを打った時にぶつかったりしてちょっと危ないんですね。

そのあたり柔らかい装置はぐにゃっとなってくれるのでまだいいのですが。

 

ムーシールドは硬い

 

④硬い方が効果的でも・・?

プレオルソやT4K、EF-lineなどはやわらかい装置ですが、硬さは微妙に違います。

この時硬い装置の方が負荷が強いので、効果は上がります。一方やわらかい方が負荷が弱いので効果もゆっくりです。という話だけすると硬い方がいいじゃないかとなります。

 

しかしお子さんから見て負荷が強いのは入れづらい装置で、負荷が弱いのは入れやすい装置です。

早く動かしたいと思っても、苦しければ寝ているときに外します。

つまり硬い=負荷が強いのはいいことでもあり悪いことでもあります。

 

そういった意味では硬いムーシールドは効果は一定以上は望めます。ただそれ故にスタート最初のころにも外れやすいというわけです。

 

⑤下の顎が自由に動かせるかどうか?

ムーシールドの構造は舌などの筋機能が正しい方に誘導されることで顎や歯が正しい方向に成長します。しかし構造上、顎は本人が動かしたいと思えば、悪い方に動かせる装置です。

 

一方プレオルソやT4K,EF-lineなどは顎の動きも抑える装置になります。

効果としては後者の方がよくなります。悪い方に逃げれなくなるので。これはムーシールドが悪いというよりもそういったムーシールドの弱点がその後の装置で改善されているということです。

 

これも今までの話と同様に入れていて苦しいのは悪い方に動かせない、逃げられないプレオルソのような装置になります。一方ムーシールドは悪い方のかみ合わせに本人が苦しければ逃げられるので顎の位置の違和感で行くとプレオルソの方が大変になります。しかしこれも同様に効果は負荷がかかるプレオルソの方がよくなります。

 

⑥ムーシールドをわざわざ使わなくてもいい

そうなると、わざわざムーシールドを使うよりもプレオルソなどを使用した方が「正しい筋機能の獲得」にはいいのではないか?というのが当院の結論です。ただし先ほども申しましたが最初からプレオルソを入れられないくらい機能が悪いお子さんもいます。そういったお子さんの場合は機能が悪いのに合わせた装置を選択していきますが、その時にもムーシールドはちょっと難易度が高いのであまり選択は当院ではしません。

 

使うようなそういった場面はないですが、逆にカチンカチンに硬いムーシールドの方がいい場面があれば使う時もあります。

 

まずは相談してください

 

それでもどうしても「ムーシールド」でとなればムーシールドを使ってもいいですが、使ってみたら「苦しいみたいですぐ外すんです」とか「朝までつけないで寝ていると外してしまう」とか寝返り打ったら割れたとかはなしですよ。

 

まずはご相談ください。

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注意事項

*このページはただ歯科クリニックのブログです。あくまでも当院のの考えに基づいて書かれているもので、他院では診断・治療法・介入のタイミング等は違うことがありますのでご注意ください。

*このページの内容を無断で使用することは固くお断りいたします。

*医療法の改正に基づき術前術後の写真は掲載してません。無料相談時に類似症例を用いて説明をさせていただきます。




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