【2018年1月16日 6:00 PM更新】
こんにちは
仙台市泉区・富谷市からも近いただ歯科クリニックです。
初めての方はこのブログの簡単な注意事項こちらの記事に目を通してください。
今日は一見きれいに並んでいるように見えて実は大変難しくなっているケースについてのお話です。
もくじ
①7歳くらいで下の前歯4本が生えてきました。さて何が問題なのでしょうか?
②乳歯が5本抜けて4本しか永久歯が生えてこなかったら問題です。
③左右の歯を結んでいくと・・・?
④さらに真ん中から見てみると・・・・?
⑤さて上の歯はどうなっているでしょうか?
⑥歯並びがガタガタが酷いかどうかだけで矯正を考えのは危険です。
⑦犬歯1本分のスペースとは言うけれどそのスペースを作る道のりは・・・
⑧お母さんは今はが何本あって、子供の歯は何本あり大人の歯が何本あるかは知っておきましょう。
①7歳くらいで下の前歯4本が生えてきました。さて何が問題なのでしょうか?
まずは写真をみましょう。
前歯4本が大人の歯です。あとは乳歯です。
「ちょっと前歯がきれいに並んでいないかな?という程度かな」
「このくらいのガタガタなら治療しなくても気にしない・・」
と思ってしまうと大間違いになります。
まずお母さんには常に見ていて欲しいのは左右の歯の数があっているかどうかです。
目は左右1個ずつですし、耳も左右い1個です。もしなければ絶対に病院に行きます。
歯も基本は同じで左右の歯の数があっていないといけません。
②乳歯が5本抜けて4本しか永久歯が生えてこなかったら問題です。
このケースの一番の問題は
前歯が4本生え変わった時にスペースが足りなくて犬歯の部分の乳歯が抜けていることです。
つまり
この矢印のところに本来もう一本歯がないといけません。
もしこの部分に歯があると重なっている前歯が全くスペースがなかったのがわかります。それで内側に生えてきたりすれば誰が見てもガタガタの歯並びになるので「矯正しないとダメかも」とわかります。この子はスペースがなかった分を隣の乳歯が抜けてしまうことで、生えてきたのです。
つまりもう一本後から犬歯が生えてくるのですが、犬歯のスペースが全くないことになります。
つまりかなり重症な歯並びです。
③左右の歯を結んでいくと・・・?
左右の同じ部位の歯を黒い線で結んでいくとこのようになります。
元々スペースが足りないので、他の前歯の大人の歯も本当のきれいなところに並んでいません。本来は赤いあたりに前歯4本の永久歯と乳歯n5本の歯が並んでいるのが正しい位置になります。
つまりスペースが足りないのはこれから生えてくる犬歯ですが、前歯4本の位置も間違っています。この前歯4本はもっと前に並んでいるのが正しい位置になります。
この時点で
犬歯1本分のスペースがない
4本の前歯が内側に入っている
という2つの問題が出てきます。
「このぐらいなら矯正しなくてもいい・・」というどころではなくなっています。
④さらに真ん中から見てみると・・・・?
さらに先ほどの左右の同位置を結んだ黒線の真ん中あたりを結んで青い線を引きます。
本来の真ん中はこの青いラインになります。つまり全体がスペースがない方によって来ていて4本の前歯がずれ込んでいるのがわかります。それなので真ん中にあっていません。
つまり先ほどの
1本分のスペースがないというのと4本の前歯が内側に入っているともう一つ
真ん中にあっていないで片側にずれている
という状態になります。
つまり3つの問題が絡んでいるわけです。
この歯並びで矯正を始めた場合、
犬歯が生えてくるまでに
⓵犬歯のスペースの確保
②前歯4本を前方に出す。
③片側にずれ込んできている前歯4本を戻す。
といった3つのことをしないといけません。大変です。
これが犬歯が生えてくるまでに間に合わないと、犬歯はいい位置に生えてくれないのでさらに犬歯を動かすというのが追加されます。その後に生えてくる小臼歯も同じように生え変わりが進めば動かさないといけません。
治療の大変さもですが、治療が遅れれば遅れるほど複雑になり難しくなっていきます。
⑤さて上の歯はどうなっているでしょうか?
さらに問題は下の歯並びだけではないんですね。
本来の下の歯の位置が赤いところだとすると?上の前歯は下の歯より前に並ぶので緑のところに並んでくるはずです。
もし、上は全く問題がかったとすれば上の歯は黄色のところに並んでいます。そうなるとどうでしょうか?下とのギャップですごい出っ歯になっているはずです。つまりお母さんは「出っ歯を治してほしい」ということで矯正に来ているはずです。
でも実際そういったケースはほとんどありません。
多くは上の歯も下の歯に引っ張られて内側に並び正しい位置に並んでいません。内側に入るとスペースが足りなくなってしまいガタガタになってしまいます。こういったケースはほとんどの場合「上の歯並びが気になる」ということで相談に来ます。その時に下の歯について聞いてみると「下の歯はちょっとがたついているけど気にしていません」という感じだったりします。
でも上の歯並びの問題は、一本分のスペースがない狭い下のアーチが原因になります。
⑥歯並びがガタガタが酷いかどうかだけで矯正を考えのは危険です。
前歯のスペースがないというとどうしてもガタガタの感じが強いかどうかで見てしまうお母さんがいます。
しかしスペースが本当になくなってくると歯というのは隣の乳歯のスペースを使ってでも生えてきます。1本乳歯が抜けたら生えてくる永久歯は1本です。2本乳歯が抜けたのであれば2本生えてこなければおかしいわけです。上の写真のケースの方が歯並びは悪そうですが、今日お話ししたケースよりも問題はシンプルで複雑ではありません。
内側に入っている2本の歯が前に出られるスペースを作ればいいだけです。
左右の歯の数があっていないのを放置するというのは先ほど話しましたが目が1個でも、耳が1位個でも片方の指が4本でもわからないのと同じです。お口の中は1本分のずれに対して内側に入ったり左右にずれたりしていきそこを合わせようとします。反対側に上の歯もそれに引っ張られて正しい成長ができません。前歯4本のガタガタだけで見ているこういった間違いを起こしてしまいます。
⑦犬歯1本分のスペースとは言うけれどそのスペースを作る道のりは・・・
今日のようなケースは
犬歯1本分のスペースが足りない
4本の前歯が内側に入っている
左右的にどちら側にずれ込んでいる
という3つの問題を起こしています。
1本分のスペースとは言いますが、永久歯の犬歯は平均7.5ミリの大きさです。床矯正でスペースを作ろうとすれば1個の装置のねじは最大5ミリです。最低2個は必要になります。でも実際はスペースのないところだけに集中して作るわけではないので2個でも終わらない可能性が出てきます。
1個の装置で5ミリ広げるのに半年から1年かかりますので、スペースを作るだけでも最低2年は必要になります。
さらに内側に入っている前歯を前方に動かし左右のずれも取らないといけません。
こういったケースでは、お母さんや本人もかなり大変であるということを理解してくれないと途中で続かなくなったりします。この状態がまずい状態であると自分で気づいてくるお母さんはまれで、先ほども申しましたが悪い下の歯に引っ張られてうまく並んでいない上の歯が気になったので相談に来るケースがほとんどです。ガタガタに並んでいない分モチベーションがお母さんも本人も持ちづらいんですね。
中途半端に始めてしまって犬歯が生えるまでにスペースが作れないと治療はさらに複雑になっていきます。もしあまりやる気がないのであれば、全部大人の歯になるまで待って、中学生以降に上下左右4本の歯を抜いて並べるという方がいいのかもしれません。
⑧お母さんは今はが何本あって、子供の歯は何本あり大人の歯が何本あるかは知っておきましょう。
お母さんが、歯がいつ抜けたか?抜けた歯に対してしっかり歯が生えてきたかをチェックすることが大事です。知らないうちに抜けた、生えてきたのがいつごろか?、すぐ出てきたか?時間がかかっているのか?そういったことを気にしていないでなんとなく生え変わりの時期なんだなーと思っているとわかりません。
ガタガタが酷いかどうかだけで歯並びを見ていると、スペースが本当にない時に隣の歯を使ってスペースをつぶしていくケースを見逃してしまいます。上下は違いますがだいたいは左右は同じ時期に生え変わりが来ないといけません。
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