【2018年2月10日 6:00 PM更新】
こんにちは
仙台市泉区・富谷市からも近い ただ歯科クリニックです。
初めての方はブログの簡単な注意事項があります。こちらの記事に目を通してください。
今日は子供の口呼吸を指摘すると必ず言われる、「じゃ口を閉じるように言えば治りますか?」という質問に対しての答えです。
もくじ
①口を閉じてといっても口呼吸はなおりません。
②口呼吸は唇が閉じる閉じないの問題ではありません。
③もし口を閉じただけで口呼吸が治るのならば・・・?
④舌が下がっているというのは・・・?
⑤効果的に舌の位置を上げていくには?
⑥哺乳から離乳の時期が大事!
⑦口を閉じては口呼吸の解決法ではありません。
①口を閉じてといっても口呼吸はなおりません。
口呼吸は当たり前ですが、口をぽかんとして呼吸をしていることです。
よく子供の口呼吸の指摘をするとお母さんは
「じゃ口を閉じるように毎日言えばいいですか?」といわれるのですが、口を閉じましょうといくら子供に言い聞かせても口呼吸はやめてくれません。注意して起きているとき本人が気にしてやめてくれても、寝ているときに口をあけながらいびきをかいて寝ていたらどうしようもありません。
②口呼吸は唇が閉じる閉じないの問題ではありません。
口呼吸は単純に口が閉じる・閉じないという話ではありません。
最近では口呼吸による全身への影響も言われてきていますが、口呼吸だけが単独で存在して、口の中も体全体も機能の問題がないというケースはないと思います。体全体の何らかの発達の問題が口呼吸ということになります。
当たり前といえば当たり前ですが、口呼吸というのは「鼻呼吸ができていない」ことです。
口を閉じれば口呼吸はやめますが、それだけなら死んでしまいます。鼻で呼吸をしなければいけません。本来の正しい呼吸ができていないことが問題です。
口呼吸というのは正しい鼻呼吸ができないために、代わりに行っている呼吸です。
③もし口を閉じただけで口呼吸が治るのならば・・・?
口呼吸と鼻呼吸の大きな違いは何でしょう?
口を閉じてみましょう。
そうすると、べろ・舌は上の歯よりも奥の歯ぐきのところについていないといけません。
ついていない人は口の機能の問題がある人です。
正しい位置に上がらないで舌が下に下がっていることを「低位舌」といいます。
またゴクンと唾を飲み込んだ時にも同じように、舌は上に上がらないといけないのですが、そうならずに1歳児の赤ちゃんのように舌が前に動いて歯の裏に当たることを「幼児型嚥下」といいます。
口呼吸だけれど舌が上に上がっている
という人はたぶんいません。もしそうだとしたら、口呼吸のぽかんと開いている口の中に舌の裏側が見えてないといけませんが、ぽかんと口を開いている子供はみな舌が下にあります。
口が開いていることが問題ではなく、舌が下がっているのが問題ということになります。
④舌が下がっているというのは・・・?
舌が下がっているのと正しい位置に上がっているのと何が違うのでしょう。
下がっている舌は口の気道を開いて鼻の気道を閉じます。
だから口で呼吸をします。
こういった子供にお母さんが「口を閉じなさい!」というと一生懸命子供は口を閉じます。
でも口の中の舌の位置はそのままなので鼻の気道は閉じたままです。
だから意識したら苦しい呼吸をして頑張って口を閉じますが、無意識になったり寝ていればすぐに口は開きます。
実際に舌を下に下げて口を閉じて鼻呼吸するのと、口を閉じて舌を上にあげて鼻呼吸するのはどっちが楽でしょうか?
⑤効果的に舌の位置を上げていくには?
舌が上にがらないのは、遺伝や先天的な問題ではありません。
みんな赤ちゃんの時には舌を前後に動かして哺乳の動きをするのですが、離乳食を始めていく段階で正しく「食べる機能」がついてきた子供は上がっていきますし、よく噛んでいない、丸呑みやいつまでももぐもぐ噛む、そういった子供は舌が下がったままです。
食べたか食べないで言えば噛まないで丸呑みや飲み物で流し込んでもいいですが、その食べ方では機能が正しく発達しません。
プレオルソやT4Kといった既製マウスピース矯正装置はどの装置も舌が正しい位置に上がるようになっています。口の機能を正しくするためには舌が大事ということです。
これを毎日寝ているときに入れていきます。最初は苦しいと無意識ではずたりしますが、そのうち朝まで入るようになります。そのうち舌を上にあげる筋肉がついてくれば、装置を外している日中にも舌が上に上がるようになります。そうなってきたら自然と口も閉じて鼻呼吸になっていきます。
口の機能の問題だけで歯並びのすべては解決しませんが、機能的な問題で歯並びに問題がある場合、舌が上がり鼻呼吸になってくると歯並びも改善していきます。自由診療になりますがこういった装置を乳歯に時から使うことは非常に効果的です。
⑥哺乳から離乳の時期が大事!
口呼吸になっている子供の多くは、遺伝でそうなったとか、先天的にそうなったのではなく、正しい口の機能の発達ができていないことが問題です。
生まれたばかりの赤ちゃんは母乳を飲むために舌を前後に動かしています。それが前歯が生えてきたら前後に動かすのをやめて、離乳で食べる練習をしながら奥歯が生えてきて、徐々に上に上げていき3歳くらいには正しい位置になっていきます。
離乳食をこうやって本人が食べにくるのを待って、唇で捕まえると食べ物を舌に乗せていきます。
時間をかけないで早く食べさているとスプーンは奥に入り舌を動かすことなく飲み込みます。早く食べてはくれますが、これでは機能が上がっていきません。
まれに舌小帯の異常という形態の異常で舌を上に上げられない子供がいますが、多くの子供は何らかの理由で正しい機能が獲得できなかったのが原因です。
舌が下に下がっている子供は赤ちゃんと同じ機能ということになります。
6歳でハイハイをしてたらおかしいな?と思うのが普通です。でも6歳で赤ちゃんと同じ口の機能で食べていても多くの人は気づきません。そう言った子供の多くの口は開いています。
ただ歯科クリニックが母親教室をしている理由の一つにこの時期の正しい哺乳離乳が、将来の口の機能や歯並びに影響するからです。
⑦口を閉じては口呼吸の解決法ではありません。
口呼吸は子供が正しい口の機能、体の成長をしていないひとつの症状です。それだけにアプローチをしてもよくはなりません。様々な問題で正しい成長ができていないことが絡まった糸のようになっています。歯並びも同様にそういった中の糸の一つになるわけです。そういった糸を一つ一つほどいていくように改善をしていかないといけないので時間がかかりますし、治療をするタイミングが遅れれば遅れるほど絡まった糸は取れづらくなります。
お母さんが「口を閉じなさい」といっても治りませんし、それを毎日していったらお母さんも子供も追い込まれるだけです。
追記:2023年5月
こういったお口ぽかん、口呼吸以外にも「食べる」機能の問題がある子供の一部は2018年から「口腔機能発達不全症」という病名で保険診療での治療の対象になることがあります。ただし、歯並び・かみ合わせの問題がある場合矯正治療と同時に行うのは混合診療になるので当院では矯正治療の中で指導をしていきます。
まずはご相談ください。
矯正の無料相談を行っています。(要予約)
無料相談では費用や期間だけでなく、患者さんの現在の今の状態、なんでこうなってしまったのか?そういったことを話します。矯正の無料相談は、診療日のどの時間でも対応していますが、必ず予約して来院してください。
メール予約:こちらをクリックしてください
お口の中を拝見していない状態でのメールや電話での問い合わせにはお答えしかねます。
無断でのキャンセル・何回も予約を変更するなどがあった場合お断りすることがあります。
お子さんの歯並びが悪くなる癖や呼吸、食事などの生活の問題があります。きれいな歯並びを願うお母さんの思いだけでは正しい発育はできません。問題は口がぽかんと空いている子供に「口を閉じなさい」といっても解決しない様々な間問題が絡み合った複雑なものです。
子供の歯並びを悪くする癖・生活・食事について考えてみませんか?
注意事項
*このページはただ歯科クリニックのブログです。あくまでも当院のの考えに基づいて書かれているもので、他院では診断・治療法・介入のタイミング等は違うことがありますのでご注意ください。
*このページの内容を無断で使用することは固くお断りいたします。
*医療法の改正に基づき術前術後の写真は掲載してません。無料相談時に類似症例を用いて説明をさせていただきます。
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