【2017年12月7日 6:00 PM更新】
こんにちは
仙台市泉区富谷市 ただ歯科クリニックです。
今日は簡単に口呼吸か鼻呼吸かチェックできるお話です。
もくじ
①口呼吸の自覚がある人は案外少ない
②口を閉じて下唇の下にしわができる人は口呼吸
③さらに口を閉じた時には口の中で舌はどの歯を触っていますか?
④口呼吸で起こる歯並び以外の口の問題
⑤呼吸の問題は口の中だけではありません。
⑥口呼吸による歯並びの問題
⑦大人の生え変わりが始まるまでに口呼吸はやめるのが理想。
①口呼吸の自覚がある人は案外少ない
口呼吸の話をすると自分で自覚をしていなかったり、自分の子供が口呼吸であることに気づいていないお母さんが多かったりします。こちらから指摘されて気づくお母さんも少なくありません。
お母さんに説明をしているときに、子供をよく見ればすぐにぽかんと口を空いていたりしていて「今、口あいているでしょう?」と指摘をする場合もあります。寝ているときに口をあけていびきをかいたりしているのですが。そういったのも気づかないお母さんも多いので寝ているときの写真を撮ってもらって気づいてもらったりもします。
案外口呼吸の自覚が少ないのは、子供を注意深く見れていないといったこともあると思いますし、何より口呼吸の問題点に気づいていないというのも大きいと思います。
②口を閉じて下唇の下にしわができる人は口呼吸
簡単に口呼吸をしているかどうかを見るためには、口を閉じた時に下の唇の下にしわができる人は口呼吸です。
このしわは鼻呼吸でしっかり唇の閉鎖ができている人にはできません。
普段唇を閉じないであいているので、閉じた時に筋肉が緊張して力が入ってしまうからです。実際触ってみるとそのしわの部分に力が入っているのがわかります。
このしわがあるか?ないか?は口呼吸をしている一つのサインです。
③口を閉じた時には口の中で舌はどの歯を触っていますか?
それでもたまに「口呼吸をしていない!」納得できない人がいます。
そういった方には
「今口を閉じている時舌・べろはどの歯に当たっていますか?」
と聞きます。
①下の前歯
②上の前歯
実はどちらも間違いです。
歯に触ってはいけないのです。
正しい鼻呼吸をするためには舌は上に上がって、上の歯よりもっと上の歯ぐきのところを触っていないといけません。
舌が上がっていなくても鼻呼吸ができるのではないか?と思ってしまう方もいますが、舌が下がって歯の裏を触っているような位置では鼻の気道ではなく、口の気道が開いています。舌を正しい位置に上げないで口だけ閉じても苦しいだけです。
逆に舌が上に上がることで口の気道が閉じで鼻で呼吸できるようになります。というよりも鼻呼吸ができる子供はみんな舌が上がっています。厳密には上げる筋肉がついています。
プレオルソなどの既製マウスピース装置も装置が入れば舌が上がるようになっています。装置を入れていくことで鼻呼吸を獲得するのが目的ですが、装置が行うことは舌を上げることです。舌が上がってしまえば勝手に鼻で呼吸ができるようになるということです。
④口呼吸で起こる歯並び以外の口の中の問題
口呼吸になることで歯並びの問題だけではなく
子供の口の中では様々な問題が起こります。
基本口呼吸の子供は乾燥するので、唾液によって食べ物がうまく流れなくなり汚れがたまりやすくなります。また乾燥することで唾液の抗菌作用も働きにくくなるので虫歯のリスクが上がります。
また乾燥していると歯ぐきも、歯ブラシをしていても腫れてしまって歯肉炎になります。
また歯の表面が乾燥することで、ホワイトスポットと呼ばれる歯が白くなった模様がついたりします。これは虫歯ではなく本来は食事とかをした際に溶ける歯の表面が唾液の力で元に戻るのですが、間食が多かったり、口をいつも空いていると溶けたままの状態になってしまい白くなったりします。間食の問題であれば歯全体に出てきますが、口呼吸が原因の場合は主に前歯、開いているときの唇のラインに合わせて前歯だけにできたりします。虫歯ではないのですぐに削ったりする必要はないのですが、もっと進行すると完全な穴になってしまい治療が必要になったりします。
朝起きたときに口が臭うというのも寝ているときに口が開いていると起こりやすい現象です。
⑤呼吸の問題は口の中だけではありません。
そもそも口呼吸の問題は呼吸の問題なので口の中だけではありません。
寝ているときはいびきなどの問題があります。
子供の場合いびきはかかにのが基本になります。また寝相が悪い、多尿、寝起きが悪いそういった問題にも口呼吸が関係をします。
基本的に口で呼吸をするときの息はため息のような呼吸です。頭が前に出てきて猫背の姿勢になります。「姿勢が悪い!」といっても呼吸ができなければ正しい姿勢にはなりません。
口から外の空気を直接吸うことで風邪になりやすかったり、インフルエンザなどの感染のリスクも上がります。またアレルギーなどの原因の一つにもなったりします。
特にインフルエンザは高温・多湿を苦手とします。逆に低温で乾燥している冬にインフルエンザは流行します。鼻の中は高温で湿度もあるので鼻呼吸をすればインフルエンザは通過ができません。マスクの網目よりもインフルエンザは小さので通過できますがマスクと口の間が高温多湿になることで通れません。わざわざマスクをしなくても同じ環境は鼻の中にあります。
呼吸は口でする、鼻でするだけですが実際には体の様々なところに影響が出ます。
以前のブログでもそのあたりの話はしています。
⑥口呼吸による歯並びの問題
そして口呼吸は歯並びの問題のひとつになります。
どちらかというとこれだけ様々な問題がある口呼吸の一つの症状が歯並びだと思います。
口呼吸による歯並びの一つの影響としては唇の閉じる力が弱いことによる前歯の影響。口がぽかんと空くので前歯が内側に入る力がかからず外側に出てしまい出っ歯になる傾向があります。
また鼻呼吸で鼻を使うことで本来鼻の中の空気が入る鼻腔が成長します。口で呼吸をすれば鼻の中は成長しません。鼻の中の下は口の中の上とつながっています。口の中の天井は鼻の中の床です。鼻で呼吸をしないことで上の顎の成長が不足します。
成長が足りない上に対して、下が普通に成長をして乳歯のも受け口・反対咬合になりますし、成長が足りない上に合わせて下も成長ができないとい顎が後方に押し込まれて乳歯の過蓋咬合、かみ合わせが深い状態になります。そして永久歯が生えてくる6歳前後にはスペースの問題が起こります。
⑦大人の生え変わりが始まるまでに口呼吸はやめるのが理想。
口呼吸はできたら大人の歯の生え変わりが始まるまでにやめるのが理想です。
厳密にはやめるという100か0かということではなく歯並びに影響がないところまでにするということです。
口呼吸が歯並びに影響が出るところまで悪いと、6~7歳の前歯の生え変わりから出てくる永久歯は正しい位置に出てこれなくなります。起こってしまった歯並びの問題をまずは解決していくのが先になるので、そこから口呼吸を止めようとするのは最優先事項にはなりません。
さらに口呼吸をどんどん放置すれば顎骨などの正しい成長もできません。正しい成長ができないということはその時点での歯並びの問題を改善したといっても、またどこかで問題が出てくる可能性が高くなります。
歯並びの問題は大人になってからでもきれいに並べることは可能ですが、骨格的な問題は成人になってからでは改善が難しい場合や侵襲のの大きな処置が必要になります。
まずは口呼吸をしているかどうか?注意してみるようにしましょう。
お子さんの歯並びが悪くなる癖や呼吸、食事などの生活の問題があります。きれいな歯並びを願うお母さんの思いだけでは正しい発育はできません。問題は口がぽかんと空いている子供に「口を閉じなさい」といっても解決しない様々な間問題が絡み合った複雑なものです。
子供の歯並びを悪くする癖・生活・食事について考えてみませんか?
プレオルソやT4Kなどの既製マウスピース装置は寝ているときをメインに行う正しい機能を獲得する装置です。乳歯の歯並びの3~4歳前後のお子さんでも負担が少なく装着をすることができます。
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プレオルソ公式サイトは(こちら)
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