【呼吸・睡眠・息育2】子供の口呼吸そのままでいいですか?


【2017年10月26日 6:00 PM更新】

こんにちは

仙台市泉区・富谷市からも近いただ歯科クリニックです。

初めての方はこのブログの簡単な注意事項こちらの記事に目を通してください。

 

今日は口呼吸が起こす様々な問題についてお話をします。

 

もくじ
①簡単に今できるお子さんの口呼吸チェック!
②口呼吸は歯並び以前に様々な全身の問題と関係します。
③「ほらポカンとしていないで口を閉じて!」といっても口呼吸は治りません。
 ④口呼吸だとどんな問題があるのでしょうか?
 ④-1 姿勢が猫背になります。
 ④-2寝ているときのいびきや睡眠の問題があります。
 ④-3 睡眠が不十分なので、朝起きられない、日中ボーっとしてる。
 ④-4噛まない、丸呑み、クチャクチャ音を立てて食べるなど食事の問題
 ④-5風邪やインフルエンザになりやすい。
 ④-6鼻疾患が多く正しい上の顎の発育ができない。
⑤呼吸の問題は早い時期からのアプローチが効果的です。

 

①簡単に今できるお子さんの口呼吸チェック!

「お子さん口呼吸してませんか?」とお母さんに質問すると

「いや、うちの子はしてません」といった隣で

お子さんがポカーンと口をあいていることがあります。

お子さんの口呼吸・ポカン口そのものに気づいていないお母さんは結構いらっしゃいます。

 

口呼吸の唇

このように

分厚い唇で一年中乾燥してカサカサしている唇は口呼吸のお子さんの唇です。

口呼吸のしるし

あと一番は口を閉じた時に下唇の下に梅干しの種のようなしわができる人、これは日常的に口を閉じていないという事です。口を閉じる力がなく、普段から開いているので、口を閉じると筋肉が緊張します。もしお子さんが口呼吸かどうかわからない場合は口を閉じてもらえばわかります。

 

②口呼吸は歯並び以前に様々な全身の問題と関係します。

お子さんの口呼吸が歯並びの問題の原因の一つになっていることはあります。ただし注意していただきたいのは口呼吸が治れば歯並びがよくなるという事ではありません。また逆に歯並びがよくなれば口呼吸が治るわけではありません。

口呼吸によってさまざまな全身の問題が起こってきます。あくまで歯並びはそういった問題の一つという事です。

 

③「ほらポカンとしていないで口を閉じて!」といっても口呼吸は治りません。

口が閉じないのは一つは口を閉じる筋肉の問題。そして口の中で正しい舌・べろのポジションにあげる筋肉がないために口で呼吸をします。べろが正しい位置になければ鼻呼吸をしたくても鼻の気道が閉じて口でしか呼吸ができません。べろを正しい位置にあげないで口だけ閉じても苦しいだけです。

 

口の周りや舌の筋肉の問題なので、ある日突然筋肉がつくわけではありません。お母さんがいくら注意をしても意味がありません。逆上がりができないお子さんに「逆上がりやりなさい!」といってもできるようにはなりません。

 

④口呼吸だとどんな問題があるのでしょうか?

口呼吸は様々な問題がおこります。これらの問題は口呼吸が関連して起こることではありますが、口呼吸だけを改善すれば治るわけではありません。知ってほしいのはお口の中も歯並びも体の一部でそれらは体の中の様々な問題とつながっていることです。

 

④-1 姿勢が猫背になります。

猫背の子供

口呼吸のお子さんはわかりやすく言うと、ため息の呼吸です。ため息を鼻でする人はいなくて「はぁー」と口でします。そのイメージで姿勢がついてくるので猫背になり、頭が前に出てきます。この時に頭と一緒に顎の位置も動きますのでかみ合わせにも影響が出ます。

 

 

 

 

 

 

④-2寝ているときのいびきや睡眠の問題があります。

いびきをかく子供

先ほど話したように口呼吸のお子さんは舌・べろが正しい位置ではなく下がった位置にあります。寝ているときにその舌がさらに気道をふさぐことでいびきをかいたりするようになります。

 

また、正しい呼吸ができないので仰向けで寝ることが苦しくなります。横向きに寝たり、うつ伏せで寝たりします。寝相も悪く安定しませんし寝汗もよくかきます。おねしょがなかなか治らないといったことも口呼吸のお子さんでよくみられます。

 

 

 

 

④-3 睡眠が不十分なので、朝起きられない、日中ボーっとしてる

 

 

先ほど申したような睡眠の問題により眠りが浅くなります。そのために寝起き朝起きれない子供が悪く、朝だけでなく午前中もぼーっとしてしまいます。

 

すぐ眠たくなってしまったりし生活のリズムがうまく作れません。ぼーっとしていることが多く集中力がなかなか出てこなかったりします。

 

 

 

 

 

 

④-4噛まない、丸呑み、クチャクチャ音を立てて食べるなど食事の問題

口呼吸のお子さんは「食べる」「飲みこむ」といった動作が正しくできません。噛む回数は少なくなる傾向にあり、そのために噛まないで丸呑みをしたりします。もしくは飲み物がないとうまく飲みこめないので苦しそうにいつまでも噛んでたりします。

 

口を閉じながら噛めなくなるとクチャクチャ音を立てて食事をするようになります。行儀が悪いのではなく口を閉じれないので音が漏れてきます。

こういった食事の問題は噛まないことによる正しい顎の発育成長を阻害する因子になります。

 

④-5風邪やインフルエンザになりやすい。

鼻呼吸をすることで毛細血管がたくさんある高温多湿の鼻の中を通過するので、低温多湿に弱いインフルエンザはもちろん様々なウィルスや菌が体の中に入ることを防ぎます。しかし口呼吸はそういった空気をダイレクトに吸い込むので風邪をひきやすかったり、インフルエンザにもなりやすくなります。また慢性的にウィルスや菌と接することでアレルギーなどの症状も出やすくなります。

 

④-6鼻疾患が多く正しい上の顎の発育ができない。

上の顎の骨の上は鼻腔といって鼻の空気が入る空洞があります。そこの床の部分が上の顎の骨になります。本来の鼻呼吸ですとそこに鼻から空気が大量に入り込むので風船が膨らんでいくように鼻腔が成長していきます。正しい鼻呼吸をすることで上の顎が成長していきます。これはスペースの問題で歯並びに大きな影響があります。

 

一方口呼吸をすると上の顎の成長する力は弱くなり劣成長の原因となります。正しい成長ができないことで鼻の方にも影響があり鼻疾患をなどにもなりやすくなります。

 

⑤呼吸の問題は早い時期からのアプローチが効果的です。

あくまで歯並びはこういった口呼吸の問題の中で出てきたうちのひとつです。間違った呼吸に合わせて体は間違って成長をしていきます。成長の時計を戻してまた始められるのなら別ですが、口呼吸を改善するのが遅れれば遅れるほど間違った成長をした体を修正するのは難しくなります。

歯並びも悪い呼吸に合わせた歯並びになっていきます。でも生えてきた歯が正しい呼吸に戻ったからといって正しい位置に戻るわけではありません。大人の歯が生えてくるまでに歯並びに影響のないところまで改善をするのが大事です。

 

また、呼吸の改善は「口を閉じましょう」といえば閉じてくれるものではなく、正しい筋肉と機能をつけていきます。毎日のコツコツしたトレーニングが必要です。期間もかかりますし、この期間でこれだけしたらよくなるというものではなく個人差が大きく出ます。

 

追記:2023年5月

こういった呼吸の問題以外にも「食べる」機能の問題がある子供の一部は2018年から「口腔機能発達不全症」という病名で保険診療での治療の対象になることがあります。ただし、歯並び・かみ合わせの問題がある場合矯正治療と同時に行うのは混合診療になるので当院では矯正治療の中で指導をしていきます。

 

まずはご相談ください。

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お子さんの歯並びが悪くなる癖や呼吸、食事などの生活の問題があります。きれいな歯並びを願うお母さんの思いだけでは正しい発育はできません。問題は口がぽかんと空いている子供に「口を閉じなさい」といっても解決しない様々な間問題が絡み合った複雑なものです。

子供の歯並びを悪くする癖・生活・食事について考えてみませんか?

 


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